11年：ＡＢＳ−ＣＢＮフィルム・プロダクションズ／ＶＩＶＡフィルムズ／スター・シネマ・プロダクションズ
監督：ルエル・サントス・バヤニ
主演：アン・カーティス
クリスティン・レイエス
デレク・ラムジー
ティルソ・クルース・３世
カルミ・マルティン
ジョン・アルシーリア
マルラン・フロレス
マット・エヴァンス
ジョニー・レヴィーリア
男性一名、女性二名による三角関係の典型的な愛憎劇といえる。アン・カーティスとクリスティン・レイエスの顔あわせに期待がかかる。
高級家具のデザイナーで自ら販売をおこなうラム（デレク・ラムジー）は未婚をよそおって金持ちのマダムなどに高価なアイテムを売るも、妻のシャーメイン（クリスティン・レイエス）を愛している。ただし妻の父（ジョン・アルシーリア）から信頼が薄いうえ、家族を捨てた過去のある実父のハイメ（ジョニー・レヴィーリア）に恨みをいだく。高級リゾートの建設で家具の納品をセールスのため、リゾートのオーナーのサルデリアガ（ティルソ・クルース・３世）に会う。偶然にサルデリアガの娘のカラ（アン・カーティス）と知りあい、カラの援護で売買を決める。ラムとカラが逢瀬をかさね、不倫におちいる。
ケイコ・Ａ・アキノ、ジェー・フェルナンド、クリス・Ｇ・グスマンのストーリーによるクリス・Ｇ・グスマン、ジェー・フェルナンドの脚本はいたってオーソドックスで、シャーメインがラムの不審な行動に気がつく。ラムとカラのデートの場所へ突然に出現も、カラの機転でことなきにすむ。浮気の証拠をつかむや、相手が富豪の令嬢なのにひるむ。友人（ヴィア・アントニオ）の「なんで愛人をおそれるの」の言葉に勇気がわき、完成のリゾートに夫婦で宿泊でカラと対決にいく。一方のカラは遊びのつもりだったが、だんだんと本気の愛情が盛りあがり、ラムに妻がいる現実に悩む。シャーメインに「ラムの体をうばったわよ」と毒づいてショックを与え、半狂乱のシャーメインをみたラムに交際の終わりの宣告をうける。ラムの家具のできにいちゃもんを入れ、ビジネスがご破産のラムが「五年間、働いた、すべてを失った。いっさいが自分のせいだ」と事業のパートナーの友人（ロン・モラレス）にいう。どうしてもラムを振りきれないカラが復縁をせまり、ラムが逃げる、と予想をはずさずに進む。
夜の自宅前で急発進のラムの車をカラの車が追いかけ、運転中に携帯で電話に、ありがちな事故オチかよと失望を予測も、ラムの死で幕を引くわけじゃなかった。でも傷心のカラがアメリカ合衆国へ逃避と、これまたフィリピン映画におなじみの解決法に、やっぱりとあきれる。赤ん坊をつくったラムとシャーメインをカラがながめるエピローグも定番。
サルデリアガとハイメが友人だったものの、商売でハイメがサルデリアガを裏切った事実や、シャーメインの父が仕事のパートナーの女性（バービー・サルヴァドル）とできているとシャーメインの母（カルミ・マルティン）が泣き、シャーメインが妹（マルラン・フロレス）となぐさめのようすや、弟（マット・エヴァンス）に祖父（アルフォンソ・デサ）が危篤の連絡をもらったラムが、祖父へあげるカネを拒む父とケンカが主人公たちに陰をおとす構成は、一応のふくらみをくわえる。
ルエル・サントス・バヤニの演出はバッグの購入をめぐってシャーメインとカラがもめ、自宅でメイド（ヴェロニカ・コルムナ）と料理でシャーメインがカラを食事に招待でラムを驚かせるときにシャーメインとカラに同じ紫の色の衣装を着せるなど、視覚的な効果を狙うが、いささかワザとらしい。
カラの性格が悪いことを喫煙であらわすのは納得がいく。
とにかくアン・カーティスとクリスティン・レイエスのセクシーさに注目が集まる。
冒頭すぐにアンはビーチから前が紐のワンピースの水着であがり、ラムと遭遇のビーチは水上バイクを落下で緑のチューブ・トップ・ビキニのブラがはずれ、ラムにつけてもらう。ラムとデートの海でも水上バイクにのり、夕景にビキニのプロポーションが浮かび、夜のビーチで愛撫をかわす。ラムにゴルフの指導をうける際に赤いドレスをまくって太ももをだし、スカートをおろせば薄い生地に脚がスケてみえる。セックスの翌朝にラムが手紙をおいているのにおきるとき、シーツをボディーに巻いて背中があらわ。ラムが新しいベッドを入れた寝室でのイチャつきで光沢パンツに上がブラや、ラムとシャーメインを迎えるリゾートの吹き抜けのレセプションで黒いブラと白いパンティーのわかるシー・スルーのワンピースが挑発っぽく、セックス中のラムとシャーメインに嫉妬の電話のポーズが前かがみでスリップに乳首がのぞく寸前。
クリスティンはラムとベッドで太ももの露出にはじまり、意味なしシーンのヨガがレオタードじゃなくてへそだしのスウェットだが、ラムを待つ寝室でスリップになる。謝罪のラムとベッドでキスと愛撫はスリップの下のヒップに黒いスパッツをはき、デレク・ラムジーが半ケツなのに大胆さ不足ながら、リゾートのプールでカラにあてつけにラムとたわむれで紫のビキニをみせる。
カラとシャーメインがプールサイドで口論はアンがヘビ柄のビキニ、クリスティンがピンクのビキニで、キャット・ファイトに発展しそうな雰囲気に興奮が高まる。怒ったシャーメインが去って、これだけと残念がっていたら、室内で取っ組みあって暴れる。ただし二人ともローブをはおい、水着が脱げるかのあやうさを避ける。
個人的にアンは容姿がタイプの対象外なうえ、クリスティンはきわどいシチュエーションや描写がたらず、腹八分目程度の満足度かな。
あとラムが椅子を売る顧客の女性を演じるニーニャ・ドリーノがワンピースの衣装でちょっとそそる。オカマの友人（リッシ・チャン）と一緒にカラの遊び仲間を演じるキットカットと、カラにマーケティングの調査でラムの家具の導入を会議で反対のサルデリアガの女性スタッフを演じるカット・アラノに肌の誘惑がほしかったところ。ヴェロニカ・コルムナに熟女の色気がただよう。
ラムの妻が二人も出現に不安をにじませるレストランの案内係を演じるマルー・クリソロゴと、リゾートのマネージャー役で台詞のないマーニー・ラプスが太った中年女性の存在感を示す。シャーメインの友人役でクレジットに読めるアントネット・ガルシアは、どこにいるのかわからなかった。
