ＮＥＮＡ…　ＩＮＯＳＥＮＴＥ！
（ネナ　無実！）
　
(04)年：マブハイ・シネマ・プロダクション
監督：アンヘリート・Ｊ・デ・グスマン
主演：カト・デ・サントス
　　　 ブランド・レガスピ
　　　 マイク・マガット
　　　 アリオーナ・アモール
　　　 レーイ・ロルダン
　　　 レイ・ダン
　　　 ピンキー・アマドール
　　　 アルヴィン・アンソン
　　　 ジェス・サンチェス
　　　 ガブリエル・サルヴァドル
　　　 パール・ジョイ
　　　 パロマ・ロサル
　　　 テア・ペレス
　カト・デ・サントス主演のエロティック・サスペンスで、アリオーナ・アモールが共演。もう実に稚拙な連続殺人ものながら、カトの魅力でみせる。
　パール・ジョイ演じる妊婦が女の子を出産直後に亡くなるのが冒頭。妻を奪った原因だとマイク・マガット演じる夫が赤ん坊を埋めようとすると、ジェス・サンチェス演じる友人がとめる。女の子は左目のまわりに黒いアザがあるために「醜い」とイジメをうけて育ち、マイクが外界と接しないように半束縛状態におく。二十年近く経って女の子をカト、かつてイジメから守っていた友人たちをブランド・レガスピ、レイ・ダンとアリオーナが演じる設定ができて、ブランドはカトに気があるのだが、マイクがうるさくて安易に近づけず、アリオーナと引かれ合っていく。アリオーナを口説いたガブリエル・サルヴァドル演じる青年がブランドにケンカをうり、それをマイクがながめるとの流れのあとにガブリエルが刀で惨殺される。
　とにかくアンヘリート・Ｊ・デ・グスマンはミステリー・タッチを盛りあげるため、懸命に伏線を張っているのがちょっと微笑ましい。カトが足をケガして引きずりながら歩いたり、カトの着がえを誰かがのぞいたり、マイクがブランドとの殴り合いで刀をだしてきたり、父親であるはずのマイクがカトの乳首に興奮を覚えたり、ブランドが血のついた手を洗ったりといったぐあい。まあ、マイクとカトが本当の父娘でないのはバレバレだし、カトとブランドが腹違いの兄妹とのオチも意外性を欠く。
　まったくのバカバカしいレヴェル。
　それでもカトとブランドの父が出稼ぎ中のサウジ・アラビアで事故死したとの説明は、ちょっとフィリピンっぽいかな。直接、ストーリーとは関係ないながら、ピンキー・アマドール演じるブランドの母がバーを経営していて、アルヴィン・アンソン演じる客がゴネてブランドと格闘になるも、後日、ピンキーとアルヴィンができていた事実がわかるエピソードが、これまたフィリピン気質を思わせる。
　とりあえずアリオーナに刀をつきつけるカトにレーイ・ロルダン演じる警官が発砲し、ブランドがとめるのをスロー・モーションで繰り広げるクライマックスは、一応の緊張感が走ったようだ。
　物語はともかく、肝心のカトのヌードがけっこうな迫力。ザバッと海からあがる登場シーンでは白いシャツが濡れて貼りつき、乳首がスケている。しかも脇のあたりがガバッとあいたシャツだけに、横からのショットではオッパイが乳首までチラつく。波打ちぎわに座るポーズもそそる。部屋でブラとパンティーをつける着がえは暗いのが惜しいものの、マイクにシャツを裂いてオッパイをみせたり、ブランドのベッドに全裸で入って誘惑が堂々のオッパイ丸だしで生つばゴクリ。撃たれた体をブランドが抱きあげる黒いパンティーがみえたかっこうも色っぽい。アリオーナはカトがオッパイをスケスケにブランドと海で戯れるところへ現われ、ブランドの「一緒に泳ごうよ」の誘いに服を脱ぐと黒い下着姿。カメラがお尻と股間を超ドアップで撮るのが、かなりスケベ心を刺激する。うらやましそうにながめるカトに気がついてブランドが「彼女は下着がないんだよ」とうながし、アリオーナがブラをはずして揺れる横乳をあらわに。パンティーをおろす寸前でカットは不満ながら、あとでブランドとの愛撫でも白いブラをとって横乳をおがませてくれる。それとレイがアタックするピンキーの店のホステス役にパロマ・ロサルが出演し、全裸でオッパイやお尻をモロに水浴びするシーンを含むのが嬉しいオマケ。欲をいえば好みの熟女のピンキーがアルヴィンと椅子に座ってイチャつくとき、少しでも肌の露出がほしかった。
　結局、女優のパワーしか長所がなかったようだ。