ＮＥＧＬＩＧＥＥ
　
99年：タウルス・フィルムズ
監督：ジェット・Ｃ・エスピリツ
主演：アマリア・ジョーンズ
　　　 ジェフリー・サントス
　　　 フィリップ・ヘンソン
　　　 ヴォン・セラ
　　　 ピア・パウラ
　　　 エルウィン・モンテス
　　　 ニック・アラディン
　　　 アリエル・レイエス
　　　 ライラ・ロレナ
　それを着るだけで欲情させるネグリジェとは、なんとエッチな発想じゃないかと嬉しくなるが、ファンタジーのジャンルに属する作品ではない。連続殺人が繰り広げられる犯人当てのサスペンスである。
　いきなりネグリジェ姿のアマリア・ジョーンズが殺されてオヤッと思わせると、もう一人の姉妹が主役として登場し、全編でたっぷりアマリアのボディーを堪能できることになる。
　アマリアはディスコ・パブのダンサーを始めるのだが、まずは練習シーンのあと、アラビア風の音楽と衣装でセクシーなステージをみせる。ひも状のスカートをまくりあげるとハイレグＴバックなのが興奮もの。このあとも何回かあるステージ・シーンでメロディー・ロペス、レニー・ロクシン、カミール・メンドーサなどほかのダンサーがビキニなのに、アマリアだけハイレグＴバックだから、よだれものである。アマリアは美人じゃないが、場末的な色気があって、ちょっと気になる女優といえる。
　ディスコ・パブの客のほとんどはアマリアに夢中になり、どいつもアヤシイ雰囲気で、いかにもという演出。ジェット・Ｃ・エスピリツ監督の手腕に、評価すべき点はほとんどない。
　レースのカーテンの中で全裸になるダンスのあと、誕生日を客たちから祝ってもらって、贈られたプレゼントの一つにネグリジェがある。この乳首がスケてみえるネグリジェを着ると、アマンダはわけなく男がほしくなる状態に。ダニー・リエル演じるパパさんを誘惑して乳丸だしにされると、そこへ殺人鬼がやってくる。という展開は臨場感に乏しく、まったくスリルがでてこない。ホント見どころといえば、なかなかキュートなアマンダのオッパイだけである。
　続いてヴィク・フェリペ演じるマヌケづらのオヤジが殺されるのは予想通り。
　さらに紹介された日本人の客が犠牲になるあたりになると、もはや笑ってしまう。「円がもらえるぞ」なんてマネージャーに口説かれるあたりはよいものの、いざやってきた日本人をヴィク・サントスが演じていて、どこからどうみてもフィリピン人。しかも「いいよ、大丈夫」「ダメあなた、わたしのカノジョでしょ」「気持ちいいよ、あなた」といった奇妙な日本語を話す。ネグリジェに欲情したアマリアが噛みつくと「痛い、バカヤロー」と突然暴力を振るい始めるのは、これも日本人の一般的イメージか。
　このときアマリアは殺人鬼にネグリジェを裂かれ、お尻丸みえで逃げるのだが、またあとでネグリジェが元に戻ってでてくるのはヘン。
　まあ、ご都合主義なのだから、どうでもいいといえなくもない。
　犯人当ての面白さはというと、ジェフリー・サントス、フィリップ・ヘンソン、エルウィン・モンテス、アリエル・レイエス、ヴォン・セラ、ピア・パウラらのメンバーのいずれにも容疑がかかるように構成したつもりだろうが、こういうのは一番アヤシくない人物が犯人と相場は決まっているもの。この作品も例外ではなく、すぐに推理できてしまうのだから、もう少し工夫してくれよとあきれるばかり。一応、クライマックスでオヤッと思わせるようなシーンはあるものの、感心させるレヴェルには達していない。悪党づらのジェフリーがヒーローなのは配役の妙だが、撃たれたのに平然と生き返ってくるのは、腹の中に金属の板を入れていたとか、こじつけでも理由がほしかった。
　ただプールの中に縛りつけられたアマリアに対し、フィリップが全裸になって犯しに向かうところは、まずまず狂気のようなものがでていたと思う。
　結局、ストーリー的な部分は失格だから、エロティックな面にしか魅力はない。アマリアの惜しげもないオッパイの露出は、とにかく拍手ものである。ジェフリーとのベッド・シーンで、うしろ向き座位でもだえる姿も興奮させてくれる。
　またピア・パウラがボーイッシュなイメージで登場するからレズ・シーンを期待させるものの、ちゃんとある点がよろしい。ピアは鏡の前でパンティーにヒップラインを食いこませた半裸のうしろ姿がセクシーであり、鏡に映るオッパイに目を凝らせまくる。もちろんポッカリお椀型の乳房がアップになるカットがあるし、殺されるシーンでは形のよいお尻もアップに。
　それと驚いたのは、ママ役でスーザン・コルプスとインストラクターのダンサー役でライラ・ロレナの中堅女優が出演しているのだが、このうちライラのほうは美人じゃないものの、プロポーションのよいおばさんとして大人の色気を感じていた。なんとアマリアと水浴びするシーンで、全裸をみせてくれるではないか。お尻はみごとな曲線と割れかただし、横チチしかみえないものの、年増とは思えないオッパイの張りぐあいが鼻血必至。
　終わってみれば、くだらないＣ級映画だけれど、アマリア、ピア、ライラなどの二線級女優のヌードを堪能している自分がいるのには、まったくあきれまくった。