ＮＡＮＧ　ＧＡＢＩＮＧ　ＭＡＭＵＬＡＴ　ＳＩ　ＥＢＡ
（ＪＥＮＩＦＦＥＲ　ＳＥＧＯＶＩＡ　ＳＴＯＲＹ）
（エバは夜になると目が覚める　ジェニファー・セゴヴィア物語）
　
91年：セイコ・フィルムズ
監督：アボ・Ｑ・デラ・クルース
主演：リタ・アヴィラ
　　　 クリスティナ・ゴンザレス
　　　 レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ
　　　 リナ・レイエス
　　　 ガルド・ヴェルソザ
　　　 ジャネット・アルナイス
　　　 デブラリス
　　　 マリタ・ソベル
　　　 ノエル・トリニダッド
　　　 マリオ・エスクデロ
　レズを基本におくエロティックな人間劇で、安っぽい構成ながら、かわいいクリスティナ・ゴンザレスの魅力で楽しめる。
　開巻のタイトル・バックにシャワーを浴びるリタ・アヴィラの肩やヘソ、太腿がドアップにうつって、期待が高なる。リタ演じるカネ持ちの令嬢がノエル・トリニダッド演じる父を説き伏せ、寮に入って学生生活を始める。そこで同室のクリスティナにときめき、家畜のアヒルが大量に変死して破産に瀕したクリスティナの実家を、ノエルに「車を買うから」とねだったカネで助けてあげる。ついに我慢できなくなってクリスティナへ抱きつくと、恩義のあるクリスティナは「レズか」とこばみつつも一度だけ愛撫を許し、リタを避けるようになる。一方でレイ・“ＰＪ”・アベリアーナ演じるダサいお坊ちゃんがリタを口説くも、まったく相手にされない。リナ・レイエス演じる同級生はレイの乗るスポーツ・カーに引かれ、猛烈にアタック。ファッションを変えたり、髪型をチェンジしたりでレイをカッコよく改造する。ただし売春していたリナは、父親のわからない子をはらむ。ガルド・ヴェルソザ演じる教師とクリスティナに愛が生まれると、あっさり二人は結婚にゴール・イン。新たにルーシー・キントが大家を演じる部屋を借りたら、となりにリタがいたため、クリスティナが嫌がったのに、事情を知らないガルドが承諾したのでトラブルが起きる。ガルドが娼婦と浮気発覚でケンカになり、落ちこむクリスティナにリタがとり入ってなぐさめるも、クリスティナが逃げる。実家でマリタ・ソベル演じる母にほだされたクリスティナが帰ってくると、ちょうどガルドとリタがセックスの真っ最中。これでいよいよ険悪な別れを迎える。リナがリタに対してレイが「本気で愛している」といい、レイをノエルに紹介で、娘のレズ告白に悩んでいたノエルが喜ぶ。八年度、それぞれ一児の母になり、二人目を妊娠中のリタとクリスティナが、偶然に再会する。
　リタがクリスティナにあげる大金やリナがレイへのあこがれにつながる高級車など、常に金銭や物質的なものが背景にあるのがおもしろい。レイがリタへ告白するのに花とチョコレートをもってくるし、実家に隠れるクリスティナをリタが呼び戻しにいくのにブコ・パイを土産にさげている。クリスティナとガルドがコンビーフだけでわびしい食事をすると、リタが料理をいっぱい運んでくる。リナの叔母にあたるスーザン・アフリカ演じる寮のオーナーは若いツバメをかこい、こづかいをあげる。
　またエピローグでガルドがアメリカへ出稼ぎにいったとわかるのがフィリピンっぽいうえ、リナがアメリカ人と結婚して相手が黒人だとのうわさにリタとクリスティナが笑う。どこか白人志向のフィリピン人をそのまま示しているように思える。ガルドがまだ卒業前なのに、教え子のクリスティナと結婚の展開は、いくらフィリピンでも道徳問題になるのではと感じたりして。
　社会的な要素がじゃっかんうかがえるながら、みどころは当然、女優陣のセクシーさに尽きるのは間違いない。まず寮で黒いブラになってリナが騒ぎ、デブラリズとジャネット・アルナイス演じる同室の友人にスカートをまくられて白いパンティーがのぞく。デブのコメディエンヌであるデブラリスがバス・タオルを巻いた姿は余計だが、ジャネットに短パンでヒップを突きだすポーズくらいしかそそる設定がないのは残念。リナが立ちんぼで客が三百しか払わなかったので、相手のネックレスを引ったくって逃げるとき、屋外セックスで着たままは実際的にヘン。レイをホテルへ案内し、強引に押し倒すリナの黒いボディー・スーツの下着と、レイに乗りかかる黒いタイツでのお尻に浮かぶラインはけっこうぞくぞくする。デブラリスの誕生パーティーで酔ったクリスティナをリタが部屋へかつぎこみ、窓を閉め、鍵をかけて脱がすところから二人のフェロモンが爆発を始める。ベージュのパンティーと黒いブラのクリスティナをリタがさわる。ビーチにいるクリスティナをリナが想像するシーンのあとしばらくは、全編のハイライトをつくる。赤いハイレグのパンティーをお尻に食いこませて浅瀬を歩き、クリスティナが海水につかると、ブラをしていないシャツが濡れてボディーに貼りつき、乳首がスケスケ状態になる。しばらく波にサブンとあたって何度もペタペタのシー・スルーが際だち、たっぷりとクリスティナのセミ・ヌードを堪能させてくれる。こんなにキュートなギャルの乳首がおがめるなんて、人生は素晴らしいじゃないか（大げさ）。黒いワンピース水着で横にいたリタが夢から我に返るや、バス・タオルを巻いたクリスティナが部屋へくる。ドアを開けに立ちあがったリタの白い下着姿には、パンティーがお尻の形をくっきりにみせる。クリスティナにしがみついて哀願のうえ、バス・タオルをはずすとベージュのパンティー一枚のクリスティナを寝ころばせ、お尻のドアップのあと、ヌルヌルのジェルを太腿に塗りたくってパンティーを脱がせる。教師のガルドが同じ寮の別の部屋に住むのは無理なシチュエーションだが、ガルドのパンツ一丁を目にしたクリスティナがガルドの部屋へいき、ガルドがクリスティナのパンティーを抜きとってスケぎみのスカートにお尻と太腿が浮かびあがり、陰毛がでる寸前までめくる。クリスティナとガルドのセックスをリタが鍵穴からのぞくところでは、下着姿のリタがしゃがんでパンティーにヒップラインが鮮明になり、バックの体位でももだえるクリスティナは今にも乳首がこぼれんばかりにオッパイが揺れる。パンティーのままガルドが挿入している暗示はヘタな演出なものの、すごい威力の刺激光線を放ってくる。リナがツワリで吐く際の下着姿は、パンティーがゆるいタイプなのが惜しい。「体がほしいの」とクリスティナがリタにブラの胸元をはだけるなどあって、えんじのスリップで寝るリタにガルドが欲情し、襲いかかると格闘でスリップがはだけ、お尻にピチピチのパンティーがチラつく。いったんはガルドを追いだしたリタがガルドの全裸を想像してお尻丸だしのガルドがでてくるのはゲーッだが、パンツ一丁のガルドへ誘惑に転じ、トップレスを背中からみせたあと、ちょうど帰ってきたクリスティナに投げ飛ばされるリタのパンティー一枚がまたやばい感じ。
　気がつけば実際の上映時間よりも短い印象なのは、アボ・Ｑ・デラ・クルースの語り口が意外とテンポよく決まったせいだろうか、クリスティナやリタの肌にすっかり悩殺されていたせいだろうか。
　おそらく後者に違いない。