ＮＡＩＩＢＡＮＧ　ＨＡＹＯＰ
（異なるタイプのケダモノ）
　
84年：タワー・プロダクションズ
監督：アルテミオ・マルケス
主演：イルマ・アレグレ
　　　 マーク・ヒル
　　　 ディック・イズラエル
　　　 エドガー・マンデ
　　　 ピア・モラン
　　　 ロミー・ディアス
　　　 アニータ・リンダ
　　　 ジャニス・フラド
　　　 アンジー
　　　 マリオ・エスクデロ
　イルマ・アレグレ主演のセクシー作。たまたま魅力的だったために、周囲の男たちがケダモノに変わる女性のドラマになる。
　イルマ演じるセリアは田舎の漁村に暮らし、恋人のダリオ（エドガー・マンデ）はマニラで学位をとる夢をもっている。義理の父のプティン（マリオ・エスクデロ）がぐうたらでセリアが漁で稼いだカネに手をつけるも、母（アニータ・リンダ）にめんじて許す日々。地元のやくざのパストール（ロミー・ディアス）がセリアを好きで、ギャンブル場でプティンが負けるたびにカネを貸し、最後は「セリアを賭けろ」と迫って自分との結婚を承諾させる。義父の命と引きかえならと結婚式になるが、やっぱりイヤだとセリアが逃げだし、たまたま通りかかったカメラマンのベルナルド（マーク・ヒル）の車に救われる。マニラに住む従姉妹のカミーラ（ジャニス・フラド）とベルナルドが知り合いだったので、そこへ案内されて住むようになると、カミーラがダンサーでセリアに特訓をほどこし、店でデビューさせる。ベルナルドはセリアを「フォトジェニックだ」とモデルにのぞみ、記者である恋人のアマンダ（ピア・モラン）が嫉妬をおぼえる。セリアの故郷を訪れたアマンダはダリオを大学へ入れてあげるとマニラへ連れてきて、セリアとの三角関係でベルナルドの心が離れるのを防ごうとする。一方、カミーラの恋人のボジー（ディック・イズラエル）もセリアへ欲望をいだくようになり、パストールはプティンを殺すと脅してセリアのマニラの居どころを聞きだす。ついにボジーがセリアを襲ってレイプのとき、抵抗するセリアをボジーが銃で撃つと、タイミングのいたずらでカミーラに当たる。さらに逃げるセリアの前にパストールが現われるも、駆けつけた警察に射殺される。ベルナルドがセリアを選んで結婚式の真っ最中、アマンダが喪服でやってきて教会の左手を進み、野獣のごとき様相のボジーも教会の右手を進む。両者が銃を抜くとほぼ同時に火を吹き、ともにベルナルドに命中する。結局セリアはダリオと結ばれる。
　偶然の多い設定に感心しないながら、魚をあげる川岸や水上家屋の様子、フィエスタの風景の挿入などが興味をひく。セリアがライヴァルの女ととっくみ合いのケンカになるマーケットの喧騒も面白味をひめる。またドラム缶に隠れてセリアがボジーの追跡をかわすシーンがけっこうサスペンスに満ちる。
　それよりもポイントはイルマの脱ぎっぷりにつきて、アルテミオ・マルケスは適度に色っぽいシチュエーションを盛りこんでいる。滝のある池でのお尻丸だしの全裸にはじまり、乳首のスケた海女のような白い衣装でいかだをこぎ、再び池で泳ぐときは陰毛もみえる素っ裸。いささか乳首が黒いのがはっきりとわかる。ダンサーとしてはフリルのついた白いレオタードがイマイチだが、ビキニでお尻をふるほうのステージが興奮を呼ぶ。ボジーのレイプで服をビリビリっと破られて黒い乳首があらわなうえ、ワンピースの残骸の布切れをバストにあててパンティー一枚で逃げ、倒れるときにヒップを突きだすのもスケベ心をくすぐる。ジャニスはスカートの下からパンティーをうつす家でのダンスや、ワンピース水着の踊り子たちと一緒にお尻をアップにクネクネのステージのダンスのほか、短パンから美脚を伸ばしたり、スカートがまくれてパンティーがヒップに食いこむポーズで亡くなるのに視線を奪いまくる。ピアは「そんなにハダカがみたいなら」とベルナルドにあてつけで下着になると、きゃしゃなボディーに大きめパンティーのヒップやスタンダードなブラのかわいい胸元を披露する。
　なお編集をペペ・マルコスが担当している。