ＭＳ．ＫＲＩＳＴＩＮＡ　ＭＯＲＡＮ　　ＡＮＧ　ＢＡＢＡＥＮＧ　ＰＡＬＡＢＡＮ
（ミス・クリスティナ・モラン　対決する女）
　
99年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：エンリコ・Ｓ・キゾン
主演：ロサンナ・ローセス
　　　 アルベルト・マルティネス
　　 　エリック・キゾン
　　　 レーモンド・バガチング
　　 　ガーリー・リシング
　　 　デイジー・レイエス
　　 　チャンダ・ロメロ
　　　 アイアイ・デラス・アラス
　　 　カルロス・モラレス
　地方からでてきた女性が、美貌とセックスを武器にショー・ビジネスでビッグになろうとする、定番のストーリー。最後は自分のことをもっとも愛してくれた幼なじみと結ばれ、田舎へ帰って平凡な幸福をつかむのだから、あまりにもパターン通りといえる。
　でも軽妙なコメディー仕立てになっていて、けっこう楽しめる。
　まず舞台となるクラブが『ジュールス』だから興味深い。行ったことのある人も多いのではないかと想像するが、ちゃんと日本人の客が登場し、ロサンナ・ローセスやアラン・Ｋ．が演じるショーのタレントが「いらっしゃいませ」「どーも、ありがと」などといったりする。
　チャンダ・ロメロ扮する子持ちの女性が暗っぽく現われ、楽屋で子どもが遊ぶ光景など哀愁がただよったり、ジャニス・アキノ扮するドラッグで倒れるＧ．Ｒ．Ｏ．がでてきたりするものの、ほとんど付録的な要素。ロサンナ扮する主人公のプライヴェートにしても、レーモンド・バガチング扮するタクシー・ドライヴァーの同棲相手は暴力的だし、稼ぎを抜きとるヒモのくせに、ちゃっかり自分は浮気するし、ロクなヤツじゃないのだが、そのあたりの悩みには深く踏みこまない。とにかくライトな感覚を貫くあたりがよい。
　ロサンナとアランのステージ・トークや、ロサンナの歌、ダンサーたちのパンツのみえるミニのセクシーなものを含む衣装や振りつけの違う踊りが三回といった『ジュールス』のショー・タイムを適度に盛りこみながら、コメディエンヌのアイアイ・デラス・アラス扮するうるさいウェイトレスや、カルロス・モラレス扮するアイアイの恋人をグルにしたユージン・ドミンゴ扮するインチキ占い師など、そこそこ笑いをとってくれる。ギャグ的にも店内でロサンナに膝の上へ乗られて勃起し、トイレへ駆けこんでオナニーするエリック・キゾン扮する中流のお坊ちゃんや、精液のついた手でロサンナと握手で、ロサンナがローションと勘違いするネタなど、フィリピン人にはいかにも受けそう。
　ロサンナの心理がふきだしマンガとなって画面に現われるのも、けっこう効果をあげている。
　客観的に考えば、ロサンナなどガーリー・リシング扮する議員が相手となると、５千ペソ要求してやろうとひらめきながらも、口では６千ペソ要求し、パパになると１万ペソだから、かなり狡猾な女のはず。ガーリーとデートしたレストランでエリックがデイジー・レイエス扮する妻のいる席で商談しているのにでくわすと、ちゃっかり遠くから誘惑するし、セックスの途中であきて本は読むし、ひどい性格には違いない。たまたま街で売春した老人に腹上死されて留置場に入れられ、心配で訪ねてきたアルベルト・マルティネス扮する幼なじみへの冷たい態度や、ガーリーへの泣きつき電話など、同情の余地がないといえるかもしれない。でも感情移入できる主人公として成立するのは、一人で祝う誕生日など、たまに寂しい部分を描くからで、エンリコ・Ｓ・キゾン監督のバランス感覚は一応評価したい。
　香港映画と同様のエンド・タイトルのバックに流れるＮＧ集まで、とくにどうってことないが、とにかく平均点には達したコメディーだといえよう。
　ロサンナはシャワーからでてくる最初の登場シーンからしてオッパイがポロンで、セクシーな面では文句なし。網タイツをはくときのＴバックのお尻もキュートだが、とにかくオッパイは１００％の満足をくれる。ガーリーとのセックス、腹上死のシーンなど、いつもながらの形のよさにうっとり。いわゆる美乳というのは、こういうのを指すのだろう。しかもエリックとの入浴で、顔を胸の谷間に埋めさせるから、気持ちよさがビンビンに伝わってくる。アルベルトとのセックスでは白いスリップで登場し、脱がされるというシチュエーションがエロティックだけに、さらに興奮もの。弾力性のありそうなオッパイの質感まで想像できて、プニュップニュッとつっつきたい欲望にかられ、超最高。これで腕に刺青さえしていなければ、美人だし、大ファンになるのだが…
　特別出演のデイジーに色っぽいシーンはないだろうと予想していたものの、登場人物がその後がどうなったかを紹介するラストで、ＳＭの女王さまに変貌し、夫のエリックにムチをふるうではないか。黒のボンデージ・ファッションで、ウワー、まいりました状態の誘惑。
　デイジー、素敵よーん！！