87年：ＩＦＣ／ウォルナー・グループ／カリ−フィル・ピクチャーズ
監督：アンソニー・マハラジ
主演：リチャード・ノートン
ディック・ウェイ（秋威）
フランコ・ゲレロ
レックス・カッター
ルシャオ・ルン（ブルース・リ）
フィリピン・ロケによるヴェトナム戦争の後日談のアクションもので、IMDbによればアメリカ映画ながら、実質はアメリカ合衆国と香港とフィリピンの合作に思える。
１９７０年の北ヴェトナムにはじまり、アメリカ軍が小さな村の焼きはらいと空爆で村民を虐殺も、ヴェトナム軍の金ののべ棒を強奪が狙いとの出だし。１９８６年の東南アジアにかわり、タンニイ事件と呼ぶ冒頭の殺りくに加担した隊員のアニマル（ニック・ニコルスン）が殺され、司令官だったライアン大佐（レックス・カッター）が犯人の捜査をカンボジア戦線で活躍の実績をもつ特殊部隊のブラッド・クーパー少佐（リチャード・ノートン）に頼む。当初からライアンの副官のポラック（ウィリー・ウィリアムズ）が金の存在をさとられるとブラッドの起用に反対も、ライアンが心配を否定の設定ながら、当時の通訳のクアン（ブルース・リ）に接触でブラッドが真相の調査を開始にライアンが阻止へ動く流れが本末転倒で笑える。
アメリカ人は信用できないと最初は協力を断ったクアンだが、背景に兄（ディック・ウェイ）の関与を知って承諾。
アメリカ軍基地のヘリコプターの破壊やアニマルを惨殺の兄はテロリスト養成機関に属し、リーダーのモダレス（ポール・ホームズ）が「金など忘れろ」といい、金を横どったアメリカ兵への復讐が目的と示す。兄とクアンの師匠にあたるセンセイ（エルニー・オルテガ）が道を踏みはずした兄を責めて殺され、クアンに日本刀をわたして兄を切れと指示を残す。ブラッドとクアンが村を虐殺にかかわった隊員のジェンキンズ（ヘンリー・ストーザルコフスキー＝ヘンリー・スティチョスキーと表記）をしめあげて事実をはかせ、テロリスト養成所へ侵入で情報をえる。ブラッドの親友であるアナン大尉（フランコ・ゲレロ）が指揮官のタイの攻撃部隊に加勢を依頼。ゲリラ戦でテロリスト養成所を全滅においこむ。
結局、撃たれたアナンが生きているし、ブラッドがモダレスのみならず兄も殺すため、クアンはセンセイの遺言どおりに日本刀で兄を倒していないばかりか、金ののべ棒もそのままの適当なお話。脚本のジョー・アヴァロンはフィリピン映画でおなじみのジョー・マリ・アヴェリアーナのことで、ホセ・マリ・アヴェリアーナの名前で美術も担当する。
アンソニー・マハラジの演出はテロリスト養成所を爆破に出撃のヘリコプターが張りぼて程度を壊す規模の小ささは予算の都合だろうが、ジャングルの銃撃戦にアイデアが乏しく、やや退屈な印象を与える。縛られたクアンが縄をほどく安易な表現や、タイの部隊の名称が“クィーンズ・コブラ”なのにこじつけか、タイ兵がコブラをつかむ描写がとう突。アメリカ軍基地でライアンを殺害の兄がテロリスト養成所に帰っている時間と位置関係のあいまいさも気になる。お互いに銃を捨てて格闘の技で兄とクアンが対決のクライマックスが中途半端に終わり、見せ場を分裂の構成は、いったいどんなものか。
ニンジャのつもりらしいが、さっぱりニンジャっぽくない覆面をテロリストの養成兵たちがかぶるため、それで顔が隠れるのを利用でブラッドとクアンが潜入は、おマヌケさに苦笑いがおきる。
ブラッドにポラックが手を引けと迫って、自らあやしさバレバレにケンカのゴー・ゴー・バーはマニラの夜の歓楽街にある店になり、水着で踊るダンサーたちがフィリピン女性と明らかだが、タイと思わせたいようで、バンコクと書かれるネオンをトップにすえる。
伊賀忍者の末裔と説明のセンセイは、演じるエルニー・オルテガがどうみてもフィリピン人だし、ヴェトナム人役のブルース・リとディック・ウェイは、まったくヴェトナム人の容貌の特徴をもたない。同じくフランコ・ゲレロはタイ人の容姿と異なり、上座部仏教の僧たちはフィリピン人そのものと配役のデタラメさは、しょせんアメリカの観客にアジア人の区別など意味なしとの安直さだろう。
町のセットで射撃の実践訓練やアスレティックで鍛えるテロリスト養成所を視察のゲストにアラブ人がまじるあたりは、さもありなん。
多くのロウソクが明かりをてらし、上座部仏教の寺院ふうのイメージの洞窟でセンセイと兄が切りあうシーンのみ、そこそこにムードが伝わる。
フィリピンでロケーションは少年時代の兄とクアンがセンセイのもとで格闘技をならう回想がフィリピン映画で定番の滝が落ちる池のほとりでや、アメリカ軍の基地がマニラのアメリカ大使館の近くで、今もある戦車や戦闘機の展示がみえたり、闘鶏場の形や基地内の部屋のインテリアでわかる。
サディスティックな性癖をうかがわせるライアンが愛撫の娼婦はフィリピン女性ながら、お尻をモロの全裸をさらすも、ちょっとブスっぽい。ブラッドとアナンが対戦のカラテ・コンテストのあと、お尻を丸だしの男たちがシャワーを浴びる控え室にブラッドの恋人のナンシー（ジュディー・グリーン）が入るが、ブラッドとのベッドで肝心の露出なし。北ヴェトナムの村でライアンの部隊につかまるヴェトナムの女性（アイリーン・ゴー）はアオザイを着るも、やはりヴェトナム人に遠い。また犯されそうでいて、脱がずじまいが残念。
※ この作品は『ミッション・ターミネート』の題名でヴィデオ発売されたことがある。
