ＭＩＣＨＡＥＬ　＆　ＭＡＤＯＮＮＡ　２
　
93年：リーガル・フィルムズ
監督：トニー・クルース
主演：レネ・レキエスタス
　　　 マニリン・レーネス
　　　 アルジョン・ヒメネス
　　　 ジャッキー・フォースター
　　　 イザベル・グラナダ
　　　 ルーベン・マナハン
　　　 パキト・ディアス
　レネ・レキエスタスとマニリン・レーネスのコンビによる学園コメディーだが、実にサムーい内容。
　ジョン・ウィリアムズの『ジョーズ』にあった鮫のテーマではない曲を何度も流すあたりからイヤーな予感がしたのだが…
　レネが学生にみえないあたりはよいものの、ノノン・タルボ演じるハゲ頭の教授のカツラをとってしまったり、扇風機で感電したり、カンニングしたりといったギャグの貧困さがまず致命的。
　始まってすぐはレネの一人舞台で、クリス・ダルス演じる父がヴィデオ屋を経営していて、海賊版テープのことで訴えに行った先のポチョロ・モンテス演じる弁護士の娘がマニリンで、恋仲の二人が再会。そのあとからマニリンは授業にでているのだから、かなり構成的にもヘン。
　レネはダンスの名人との設定で、ベリア・フロレス演じるおばさんがそのステップをみてほれてしまい、ベリアの夫であるパキト・ディアス演じる市長から浮気相手として狙われたり、ベリアとのことを誤解したマニリンがレネを誕生日のパーティーに呼ばなかったり、といったエピソードも盛りあがらない。
　とにかくテンポがタルい。
　食い逃げなどで『監獄ロック』をバックに三度留置されるのは犯罪でも笑いをとる要素だが、裁判劇に発展するあたりはとくに感心しない部分。試験の答案を盗もうとレネたちと、アルジョン・ヒメネス演じるケンカ相手のグループが同時に忍びこみ、侵入に気がついたノノンをアルジョンが殺したために、罪をレネになすりつける。
　ナンセンスでノーテンキな中に、どうして血生臭い材料を持ちこむわけ。
　あきれを通り越して、バカじゃないのと匙を投げるのみ。
　ラストのナショナル・ダンス・コンテストまで、映画はマニリンとのペアーのみならず、何度もレネのダンス・シーンを挿入するも、とくいうまいわけじゃなし、これもイライラさせるだけ。
　もう、ひどすぎて声がでない。
　まあ太めのコメディエンヌ・マニリンのファンというわけではなく、ジャッキー・フォースターとイザベラ・グラナダが出演しているからみたのだが、色っぽいシーンが皆無なのも期待はずれだった。それでもジャッキーはダンスを張り合うときのジーンズがキュート。イザベラはボーイッシュな役なのでキャップをかぶっていて、ジャッキーにレズっぽく迫ったりもするが、最後にドレッシーに変わるあたりがエレガンス。
　なのだが、やはりセクシーさを欠いたのは減点だ。