“ＭＥＧＡＭＯＬ”
　
94年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：エディー・ロドリゲス
主演：シャーロン・コネータ
　　　 アンドルー・Ｅ
　　　 チャリト・ソリス
　　　 グロリア・セヴィーリア
　　　 アンディー・ポー
　　　 エフレン・レイエス
　　　 スモーキー・マナロト
　　　 ボン・アルヴァレス
　　　 マージョリー・バレート
　　　 ケート・ゴメス
　　　 メリッサ・ギブス
　　　 ジャニン・バレド
　シャーロン・コネータがアンドルー・Ｅと共演で、ドタバタ・コメディーを繰り広げる。
　郊外でシャーロンたちの乗ったバスが事故を起こし、偶然に通りかかったスモーキー・マナロト演じる地元の男がこれ幸いとカネめのものを物色。アンドルー演じる従兄弟がそれを怒り、財布などを返しにくると、木の枝につかまったシャーロンをみつけて逆に助けようとした自分が丘を転落。シャーロンが礼をいって去るのが冒頭。一方でチャリト・ソリス演じる弁護士が遺書を読みあげ、グロリア・セヴィーリア演じる故人の妹、マージョリー・バレート演じるその娘、ボン・アルヴァレス、マイケル・ヴェラ・ペレス演じるその息子たちに現金が譲られ、会社の権利など大半は隠し子だったシャーロンが相続するとわかる。ボンやマイケルは不満で、とくにアンディー・ポー演じるグロリアの夫は納得できない。また誰もシャーロンの居どころを知らない。家具屋の店員のシャーロンは、寮の仲間があきれるほど、いつか運命の女神が舞いこむのを信じる夢みる性格。ジョン・アチャヴァル演じる探偵の事務所で下働きのアンドルーは、ジョシー・ガルヴェス演じる依頼人にオーナーのフリをして浮気調査をうけ、フィリップ・ガンボア演じる夫のあとをつけてみれば、愛人と家具を買いにいった先でシャーロンと再会し、いつかのと嫌われる。チャリトがジョンにシャーロン探しを頼み、写真をみたアンドルーがスモーキーのとった財布の身分証明書にある住所を訪ねると、シャーロンに追い返される。そんなとき、エフレン・レイエスがボスを演じる誘拐グループがヒル・バルタザール演じるターゲットをさらって、シャーロンが巻きぞえをくう。尾行中だったアンドルーが助けだし、なりゆきでヒーローになる。アンドルーと一緒にＴＶニュースのインタヴューにでたシャーロンを、こちらも居どころを探していたアンディーがみる。やっと打ちとけたシャーロンとアンドルーだが、今度はボンやマイケルの一味がシャーロンの拉致にきて、ドタバタ逃避行が始まる
　ほぼ全編の半分近くをこのチェイスが占め、自転車でズッコけ、トラックの荷台でコブラに遭遇し、スモーキーの家へくれば襲撃に合う。スピード感あふれる展開のようでいて、腹がへったとジョリビーで休憩をとったり、悲壮感の少ないのがコメディーゆえん。とくに見せ場は地方のフィエスタの余興会場にまぎれこみ、マニラからきたプロのタレントと間違われるシーン。とまどいながらもステージに立って、シャーロンがバラードを歌うと、アンドルーがラップをかなで、素早く交互に繰り返し、シャーロンがラップ、アンドルーがバラードに変わる。かなりのファン・サーヴィス的な要素といえる。映画館へ隠れるシーンでは上映中なのがシンシア・ラスターの主演作で、もっと楽屋落ちのある作品にしてほしかったと感じる。
　結局、ジョンの案内でシャーロンとアンドルーがチャリトの家へきてみると、アンディーによってチャリトがつかまっている。銃撃戦の開始でシャーロンの訳もわからずに撃った弾が当たるのはよいものの、アンドルーのスラプスティックぶりはあまり笑えず、エディー・ロドリゲスがセンスの限界を示したように思える。フミルデ・“ミーク”・ロハスと共同の脚本は、いい加減な人間構成がかえってまあまあだが…　テリー・ババサ演じる悪漢との格闘でアンドルーの拳が当たってないの丸わかりなのも、さすがに工夫不足。最後はあきれたグロリアの通報で警察がきてアンディーたちがつかまり、シャーロンがカネもちになったのをみてアンドルーがこっそり身をひく。シャーロンがアンドルーを迎えにやってくるハッピー・エンドで、まあこんなもの。
　確かにそこそこ楽しめる。
　シャーロンはジーンズで丘をはいあがってアンドルーにお尻を押されたり、転がったり、まわし蹴りをいれたり、シーンズ姿の魅力を披露しているが、太めになった印象は否めない。楽しみだったジャニン・バレドのお色気はカジノでボンの横に座っているチョイ役のみで、まったく炸裂せず、マージョリーも活躍の場が皆無だから、シャーロン以外の女優はお飾りなのが残念。フィリップの愛人役のボディコンがやや視線を奪ったくらいが、じゃっかんときめいたかな。