ＭＡＴＡＬＩＮＯ　ＭＡＮ　ＡＮＧ　ＭＡＴＳＩＮＧ，ＮＡ−ＩＩＳＡＨＡＮ　ＤＩＮ！
（猿のように賢いヤツ、もっと賢いヤツ！）
　
00年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ジュン・アリストレナス
主演：エディー・ガルシア
　　　 ウィリー・レヴィリアーメ
　　　 パトリシア・ハヴィエール
　　　 ジョアンヌ・キンタス
　　　 レス・コルテス
　　　 リコ・Ｊ・プーノ
　　　 ジュン・アリストレナス
　　　 リチャード・メルク
　　　 ジュン・アリストレナス・ジュニア
　アクション・コメディーはフィリピン映画の得意とするところではないか。ハラハラ・ドキドキと笑いというエンターテインメントの二大要素を一度に楽しもうとの意図だろうが、いまいちレヴェルが低いことも事実。ハズれる可能性も高い。
　エディー・ガルシアの刑事とウィリー・レヴィリアーメの詐欺師の騙し合いで、エディーには年齢的なせいもあって、さっそうとしたカッコよさがなく、ウィリーにはずるがしこさのような雰囲気が乏しいから、残念なできになっている。ピンキー・ローズ演じる誘拐された少女を救出する冒頭のエピソードはエディーの射撃ぶりが好調なのに、麻薬取り引きのシンジケートをあげようというメインのストーリーがさえず、どちらかというとコメディー部分を引き受けるはずのウィリーのほうが失敗だったのではないか。詐欺師の子分たちにもマヌケづらがそろっているのに、そのおかしさを生かした使いかたがなされていないのは、監督のジュン・アリストレナスの責任だろう。でもジョアンヌ・キンタス演じる娘にほれているエディーが何とかベッドに持ちこもうとするものの、いつも彼女の伯父にもう一つのところでジャマされるあたりの展開は、屁をこいただの、酔わせただのといった程度のギャグで、ちょっと寂しくなる。どっちもどっち。
　結局、エディーのほうが一枚上で、ウィリーを利用してレス・コルテス演じるシンジケートのボスを追いつめる作戦に成功するのだが、対決シーンではズボンをずりおろしてパンツで逃げるという笑いをとろうとする要素が勝ってしまい、まったく銃撃戦に迫力が感じられない。そのくせボスがピストル自殺するという残酷さが用意されていて、後味も悪い。
　非常に困った作品。
　ウィリーの恋人役でごひいきのパトリシア・ハヴィエールが出演していて、ミニスカで誘惑してスリをほう助する登場シーンからドキドキの興奮を感じさせてくれるものの、こちらも最後まで魅力不発。ウィリーがディスコ・パブで騒いでいるのに嫉妬し、そんなに女性の裸をみたいなら私で楽しみなさいとばかりに自らステージにあがって脱ぐシチュエーションがあるとはいえ、青いビキニの水着にはなるまでで、いつものパトリシアと比べて露出が極端に少なく、かえって欲求不満を招いてくれた。