ＭＡＳＡＲＡＰ　ＮＡ　ＰＵＧＡＤ
（おいしい巣）
　
02年：アンゴラ・フィルムズ
監督：フランシス・“ジュン”・ポサダス
主演：アレック・ボヴィック
　　　 ガーリー・エストラダ
　　　 ジョコ・ディアス
　　　 エリザベト・オロペサ
　　　 マリア・イザベル・ロペス
　　　 リタ・マグダレナ
　　　 アルマ・ソリアノ
　　　 アイミー・トレス
　　　 アルベルト・デ・エステバン
　　　 マリカル・フェルナンデス
　ブスアンガ島でロケしていて、まずツバメの巣をとる冒頭が興味深い。俗に中華三大珍味といわれる食材だが、こんなふうに集めているのね、という好奇心が刺激される。あとで雛のいる巣まで乱獲するアルベルト・デ・エステバンやノノン・デ・アンドレス演じる悪徳採取人が登場したり、天秤で重さを量って買いあげてもらう描写もでてきて、自然破壊と人間の欲望との共存を考えさせられる。ブスアンガ島のとなりにある野性動物の放し飼いで有名なカラウイト島も舞台になり、モン・コンフィアドやベンジー・フェリペが演じる密猟人が描かれるも、こちらのほうはとってつけたような印象。
　『ＴＡＭＰＩＳＡＷ』に続く、フランシス・“ジュン”・ポサダス監督が『ＫＡＵＬＡＹＡＷ』で脇役出演させたセクシー女優のアレック・ボヴィックを主役に起用の第二段。アレックの魅力を前面に押しだした企画である。バンカーで無人島までこいできて、ツバメの巣を籠に入れたアレックは、岩の上でスルスルッと服を脱ぎ捨てる。オッと、いきなりの全裸に、ウヒャヒャヒャヒャッと興奮。プニュッとつついたらポヨンとはね返りそうな張りのよいオッパイをしているじゃないか。しかも透明度バツグンの、まさしく紺碧の海へ素っ裸でダイヴして泳ぐ。
　早くもイキそうになった次第。
　物語はアレックの幼なじみで、ガーリー・エストラダ演じる島の有力者の息子が、アメリカから帰ってきて動きだす。ガーリーにはマリカル・フェルナンデス演じるフィアンセがいるのだが、アレックと再会するや、ときめきが蘇ってくるという展開。これにジョコ・ディアス演じるアレックにホレている男がいて、すぐに暴力を振るうかなり危ない性格。アルマ・ソリアノ演じる近所の女がジョコを慕っているも、まったく相手にしない。マリア・イザベル・ロペス演じるアレックの母親に、エリザベト・オロペサ演じるガーリーの母親がかつての愛人の写真を持ちだし、ガーリーとアレックが兄妹だと告げると、ガーリーはマリカルと結婚。病気がちだったマリアが亡くなって、エリザベトがアレックを引きとるが、傲慢でお高いマリカルがアレックを家政婦扱いするわけである。
　これらドラマの間にも、映画は村で飾りものなどを手づくりしている作業風景をさり気なく挿入したり、フィエスタとなってパレードが繰り広げられたり、パビリオンを開いたりと伝統習慣の紹介を盛りこんでいるから、風俗的面白さの持続がみられる点が、なかなかよろしい。病床のマリアの横に、呪い師が煙をたく治療をしたりも…
　実はエリザベトがレズだった、というのは変化球的な表現だが、アレックに迫ったためにガーリーの妹でないとバレるあたりは、いささか安易。ガーリーがマリカルからアレックへと心が揺れる内面描写もおざなりで、人間劇としては、残念ながら失格である。ジョコが殺人へと走るにいたっては、単純を超えて陳腐。
　ストーリー自体よりも、脇のエピソードで楽しむ作品といえそうだ。
　もっとも、アレックの魅力が一番のセールス・ポイントなのは、とくに指摘するまでもないだろう。純白の砂浜を歩くときなど、白いシャツからノーブラの乳首のポッチが浮かんでいるのがそそるうえ、最初のオール・ヌードのあとも、ツバメの巣のある島の洞窟でガーリーと水面につかりながら抱き合う全裸が、うっとりするような映像美をつくりだし、ほとんど人魚のよう。もちろん人間だから下半身にはちゃんと脚がついていて、キュートなお尻をポコッと露出が、人魚よりもはるかに魅力的。ただ場面が転換する際に、ムードある音楽がブチッと切れる編集の雑さは、フィリピン映画らしい手抜きだが… クライマックスでガーリーとジョコが格闘になるときは場所が海岸で、アレックは波打ち際に投げられ、転び、またも濡れた白い衣装から乳首がスケ、パンティーがヒップに貼りつくからたまらない。
　確かに美人とはいいかねるアレックなものの、こりゃあ、悩殺されるのみ。
　マリカルもけっこう頑張っていて、胸の谷間と背中の大きくあいた衣装や、ヒップラインを強調した赤いピタパンがフェロモンを振りまき、レズのエリザベトからサン・オイルを塗ってもらうシーンがやってくれる。柄ビキニで海からあがってきて、お尻を突きだして座ると、うつ伏せになって寝転び、エリザベトが背中にオイルをつけて手のひらでさする。このとき偶然をよそおって乳房をもむのだが、ブラに手を入れると、あっ、マリカルの乳首が…　乳首が…　乳首が…　ポロッとでそう。ガーリーとのベッド・シーンで、ボディーにシーツを巻いているは残念だった。
　エリザベトは黒いワンピース水着で豊満なバストから熟女の色気をかもすも、いつ頃からか脚と背中に刺青を入れていて、イマイチ好みに合わない。
　少し前の人気セクシー・スターであるリタ・マグダレナがエリザベトのレズの恋人役で、最近は太ってオバサンっぽくなったせいか、女同士のセックスの際も上半身裸ながら、オッパイを隠したままになっている。
　同じくアルマはジョコに迫るシーンでシャツから乳首を浮かばせるが、丸みえになる寸前にカットとなって、アレレ。
　ほかにアレックの親友役のアイミー・トレスはブスっぽいものの、近所の友人を演じるイナー・パンガンがちょっとかわいいし、マリカルの友人役であるジャネット・セノとロウェナ・カンハの二人がパーティー・シーンでヘソだし衣装を披露していて、これらメンバーの水着姿もおがんでみたかったところ。
　まあ、アレックの全裸だけでも、十分すぎるほど満足だった。