ＭＡＳＡＲＡＰ　ＢＡ　ＡＮＧ　ＢＡＷＡＬ？
（禁じられた行為はなぜおいしいの？）
　
02年：アライアンゼ・フィルムズ／レドシネマ・プロダクション
監督：ローランド・レデスマ
主演：ピアール・ミラソル
　　　 マイク・マガット
　　　 カミール・ロハス
　　　 ＪＣ・カストロ
　　　 ボブ・ソレル
　ブラック・リストに入れているローランド・レデスマの監督作品だから、きっと駄作だろうなあ、なんて決めつけてみるも、最初からイヤーな予感。ヤム・レデスマが歌う、ちょっと『Ｋｉｌｌｉｎｇ　Ｍｅ　Ｓｏｆｔｌｙ』に似た主題歌が流れ、ＪＣ（フアン・カルロス）・カストロ演じるライターがロンブロン島へとやってくるフェリーの船上の光景が延々と描かれる。上陸するや、ボブ・ソレル演じる叔父が迎えにきていて、車に乗るとボブの農場へと向かう道中が、これまたいつまで続くんだとあきれるほどに長い。ローク市を抜けて、田園地帯を走る風景など興味深いものの、観光映画だってもっと工夫しているぞ、といいたくなる。あとで町のショッピング・センターへ買い物に行くシーンにしても、タイアップだからわざと強調したんだろうが、レジまでダラダラ描くなっちゅうの。
　うーん、やっぱり駄作か。
　ＪＣはネタ探しに田舎へとやってきたのだが、ボブの家にはマイク・マガット演じる使用人がいて、カミール・ロハス演じるその妻がハンサムだとハシャぐ。ボブにはピアール・ミラソル演じる若い妻がいて、欲求不満気味のピアールはＪＣに欲望を抱き、全裸で水浴びしているところをのぞいたりする。ＪＣはカミールとピアールの前かがみなったときの胸元にドキドキしていたのだが、たまたま二人きりのシチュエーションでピアールからセックスを求められ、一気に官能におぼれていくという展開。
　回転させて鶏の羽根をむしる機械とか、農園の描写に面白い要素があるものの、物語は不倫がバレそうになるといったサスペンスに乏しく、ただただ退屈感のみを誘いながら進行する。酒場でのケンカなど、どうでもよいエピソードを入れるから、まったく困ったもの。
　結局、セックスしている現場をカミールに目撃され、ボブが怒り狂って二人を殺そうとするも、心臓発作で亡くなり、マイクがピアールを犯して、とっさにナイフで刺される。ピアールがＪＣに銃を向けるのは、いくら関係を清算しようした反動とはいえ理解できないし、まだ生きていたマイクが今度はピアールを刺し、あとは生き残ったＪＣとカミールがどうなったかをナレーションで説明して終わり。
　バーカバカし。
　ラストにはこれまで登場したシーンの断片編集をバックに、再びヤムの歌がチンタラ流れるのだから、ときどき「フィリピン映画は単純でつまらないから、みない」というフィリピン人と出会うが、こんな作品をつくっているんじゃ、それも納得。
　期待のピアールは、最初のセックス・シーンで黒いＴバック一枚になってＪＣに乗るときのお尻のアップと、正常位になったときの乳首ポロンがさすがにこたえられない誘惑なものの、カミールに発見されるときのセックスが暗くてよくみえないうえ、目をこらせばピアールじゃなく、ＪＣのお尻が浮かんでくるのにゲーッ。魅力が半分しか爆発していないから、セクシーさも減点。
　駄作につき合う、あんたもヒマね。