ＭＡＳＡＭＡＮＧ　ＤＡＭＯ
（悪のグラス）
　
96年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ホセ・“カカ”・バラグタス
主演：ジョコ・ディアス
　　　 イナ・レームンド
　　 　エフレン・レイエス
　　 　グロリア・セヴィーリア
　　 　ジェッサ・サラゴサ
　　 　ウィリー・レヴィリアーメ
　　 　ディンド・アロヨ
　　 　マルコ・サルヴァドル
　　 　エリー・ローズ・アップル
　犯罪映画において主人公が正義のヒーローである必要はなく、サム・ペキンパーの『ゲッタウェイ』のように女々しい性格の銀行強盗であってもかまわない。ようは描きかた次第で、これがまったく共感の持てない、どうしょうもない人物だと、死のうが生きようが関係ないではないか。
　ジョコ・ディアス演じる主人公は、ＴＶをみていてイナ・レームンド演じるニュース・キャスターにほれるや、無理やりＴＶ局まで押しかけて口説くトンでもないヤツ。しょっちゅうケンカはするし、その暴力性にうんざり。エリー・ローズ・アップル演じる幼なじみのダンサーが顧客とホテルへ行くのをみてカッとなると、追跡のためにたまたま通りかかった車を奪うのだから、ただのクズ。エフレン・レイエス演じる警察の少佐がアヤしく登場し、すぐにワルだなとわかるも、ジョコを取りこんでの銀行強盗や、裏切った仲間を処刑させる過程で、ジョコはしっかり強盗に加担だし、撃ち殺すのに、あんたがさっさと死ねよ、と思わせてしまう。グロリア・セヴィーリア演じる母が倒れて家事を手伝うシーンがあるものの、そんなことでやさしさが伝わるとでも本当に考えているのだろうか。
　エフレンの実像に気がついたイナを誘拐の展開となり、ジョコが寝返って助けるのは型通り。それでジョコの母が殺され、おなじみの廃墟でジョコとエフレンの対決へと発展だが、イナが射撃がうまくて、一緒になってバンバン殺人を行うのには、もはやあいた口がふさがらない。
　エリーも暴行のすえに殺され、まあ、こんな暴力にいっさい疑問を抱かないような作品が平気でまかり通るのだから、アメリカ合衆国とも変わらない、フィリピンのダメさ加減を指摘されてもしょうがないんじゃないか、と思えるばかり。
　駄作。
　それはともかく、イナの魅力はまずまずでている。ＴＶをみながらジョコが妄想のシーンでは、黒いビキニの下着にウワーッ。ＴＶ局からでてくるところで、ミニのタイト・スカートで歩く姿がスロー・モーションになり、ホセ・“カカ”・バラグタス監督はサム・ペキンパーかとあきれるが、そのあとしばらくセクシーなシーンがなく残念。誘拐騒動に発展後、あんなに嫌っていたのにジョコを愛するように変貌は安易な表現だなあ、とバカにするも、ジョコとのラヴ・シーンで再び黒いビキニ下着になると、オッパイがポロンとでないのはサーヴィス不足とはいえ、ワンワンのポーズでお尻のアップがあるのにドバーッ。
　イナもだが、ジェッサ・サラゴサが特別出演にイナより好みだし、予想以上の露出に歓喜が起きる。上流のお嬢さま役で、ジョコが母に代わって洗濯ものを届けにくると、白いパンティーにホット・パンツをはくサーヴィス・カットのあと、理由なくほれるのが、これまたアンチョク。でもジョコのところへ押しかけて貧民街を案内させたあと、滝のある沼へ行くや、ジーンズのホット・パンツを脱いでハイレグのパンティーを披露ではないか。オッと目を奪われるにとどまらず、Ｔシャツの下のブラをとり、水の中へ。あああ、これじゃスケちゃうよ、と鼻息が荒くなってくると、濡れてピッタリ貼りつき、乳首くっきり。やってくれるなあ、と呆然状態もおさまらないまま、Ｔシャツを脱がされて乳房を丸だし。たたたた、たまらんぞとほぼ満足なのに、部屋の中へシチュエーションを変え、ベッドの上でジョコに乳首をチュッチュッチュッと吸われる。うーん、おいしそう、とよだれダラダラ。セックスが終わったあとの黒いハイレグ・ビキニの下着姿がナイスなプロポーションだし、ヒップラインもキュートで、ジェッサ万歳。
　それと新人のエリー・ローズ・アップルもそこそこかわいく、生活からディスコ・パブのダンサーになるのだが、ステージで光沢のワンピースに、ウッ、好みの水着だと誘惑をくれる。乳房の谷間の形がよい。これに泣く泣く踊っていてウブさのあった一回目と違い、二度目のステージ・シーンでは、いかにもスレた感じでセクシーなダンスを披露。またも光沢ビキニで好みの水着なのが拍手ものだけでなく、真下からとらえたカットを含むし、お尻をつきだしてクネクネ動かせるポーズはあるし、これまたホテルで下着にされるシーンを含め、乳首はみえないものの、ほぼ満足。
　イナ、ジェッサ、エリーの存在が、駄作に輝きを与えたといえるだろう。