ＭＡＰＵＳＯＫ
（攻撃的）
　
97/98年：オクトアーツ・フィルムズ／シネマックス
監督：メル・チョングロ
主演：ロサンナ・ローセス
　　　 フリオ・ディアス
　　　 エミリオ・ガルシア
　　　 ミシェル・オルテガ
　いわゆる悪女もの。ロサンナ・ローセスにどれだけ怪しい雰囲気がだせるか？
　なんて期待したのだが、さすがに魔性とまではいかなかったようだ。でもセクシー女優だし、お色気のほうで満足させてくれそう。
　まずフリオ・ディアス演じる夫が敷物などの制作会社のオーナーで、職人たちがデザインしていく過程の描写が好奇心をそそる。ダンス・クラブの女だったロサンナは、このフリオと結婚してうまく家庭におさまったものの、あまりにもフリオが暴力男だったので、アテがはずれる。ビンタをくらわせたうえにレイプのようにセックスして、あとで「愛してるよ」と甘える情けなさがいかにも。
　いつしかエミリオ・ガルシア演じるフリオの友人と不倫を重ねるようになり、フリオの殺害へ。ロサンナがビールへこっそり睡眠薬を入れているのをのぞきみたフリオが、寝たフリをしたあとに浮気現場へ踏みこみ、思わずロサンナがハサミで刺す、といった突発事故が端緒になっている。でもエミリオが死体を捨てに行ったとき、生き返ったフリオと格闘を演じるのは、いくらなんでもフリオが元気すぎ。このあたり、メル・チョングロ監督はもっと説得力をつけてほしかったところ。
　フリオの遺品の靴があがって殺人が暗示され、イーマン・エストゥルコ演じる商売でもめていた男に疑いがかかるも、その後どうなったかわからずじまいとの構成も弱い。
　最初は悲劇の妻を演じて、エヴァ・ダレン演じるフリオの母と連帯のあったロサンナだが、エミリオとの密会の証言がでて、突然、エヴァが冷たくなる人間描写はまずまず。ミシェル・オルテガ演じるかつてのダンサー仲間で、親友だと思っていた女性がエミリオとできていたとバレる展開も常套手段ながら、納得の展開。エミリオが脅迫まがいに接し始め、ロサンナに売春を強要するエピソードもクライマックスへの盛りあげにつなげる。
　ところが実はフリオが死んでないことはミエミエだから、ロサンナの前に現われると、ロサンナがフリオとエミリオを対決させようと仕組むツメが弱い。いかにうまく二人が合い打ちしたかにみせかけるアイディアが、偶然主体なのでハラハラを欠いてイマイチ。ラストのロサンナの微笑みからもゾクッとさせるだけの怖さがなく、相当に残念なできだといえよう。メルの力量不足もだが、ロサンナの魅力の欠如を指摘せざるをえない。
　ホント、ダラダラ締まりがゆるいというか、緊張感の乏しいサスペンス劇だ。
　ただしロサンナのボディーの素晴らしさは特筆もの。フリオとのセックスでは、強引にスラックスを脱がされると、パンティーも一緒にとれてお尻が丸だし。エミリオとはシャツのボタンをほどいて、オッパイがポロッ。ベッドでパンティー一枚になったプロポーションがゾクゾクなうえ、終わって寝ているときの乳首モロだしポーズがウハウハ。赤いドレスに着がえたあとのセックスでは、真上からのショットのオッパイが刺激的。ベッドに座って話すときもオッパイをだしっぱなしで、もーう、なんて大胆なの。生きていたフリオに抱かれるところでは、騎乗位のセックスになって斜め上から、斜め正面から、ともにオッパイの形が絶品であることを確認させてくれる。
　ロサンナ、さすがじゃないか。
　ミシェルはロサンナにみつかるエミリオとのセックス・シーンで、ボディーにスーツを巻いていて、乳首を隠したままなのが残念だった。