ＭＡＰＵＰＵＬＡＮＧ　ＲＯＳＡＳ
（赤いバラたち）
　
02年：トーラス・フィルムズ
監督：アンヘリート・Ｊ・デ・グスマン
主演：アリオーナ・アモール
　　　 カトリナ・パウラ
　　　 アマリア・ジョーンズ
　　　 パメラ・オルティス
　　　 ローナ・レイエス
　　　 イーアン・ヴァルデス
　　 　ジェフリー・ゴンザレス
　　　 ガブリエル・サルヴァドル
　　　 ジミー・コンセプション
　タイトル・バックからいきなりやってくれる。アリオーナ・アモールがボディーにバス・タオルを巻いて登場すると、恋人に抱きかかえられてベッドまで行き、恋人の上でバス・タオルをパラリと落としてパンティー一枚に。しかもすぐにパンティーを脱ぐと全裸になって、騎乗位でお尻を突きだすポーズをとるから、もし照明が明るかったらオマンコがみえていた状態。
　ななな、なんと嬉しい出だしじゃないか。
　アリオーナは軍隊の特殊任務の将校との役で、このベッド・シーンの最中に踏みこんできたテロリストたちにガブリエル・サルヴァドル演じる恋人のコンピューター・プログラマーを誘拐されてしまう。ガブリエルはオデッサ・ザンブラノ演じる妹を殺すと脅迫され、仕方なく爆破プログラムを作成。テロリストのリーダーがイーアン・ヴァルデス演じるオカマなのが面白い。ガブリエルの救出と爆破阻止のため、特殊部隊を編成という内容で、部隊のメンバーをアリオーナのほか、カトリナ・パウラ、アマリア・ジョーンズ、パメラ・オルティス、ローナ・レイエスというセクシー・スターが演じるのだから、これは相当においしい作品に違いない。
　否が応でも期待してしまう。
　で、はたして満足のできるできだったかどうかというと…
　ナイフ投げのアマリアをはじめ、女性の犯罪者たちを逮捕しながらスカウトの前半は『七人の侍』を連想させる。おそらくフィリピンだから、アメリカ映画の『荒野の七人』や、その亜流作品を参考に敷いたのだろう。
　ジュン・アレナス演じる指揮官のもと、一緒に作戦を遂行のジェフリー・ゴンザレス、ジミー・コンセプション、ロールス・アキサ演じる男性隊員とともに訓練の描写は、タイヤやロープを使ったダサいもので、転がったり、ほふく前進したり、射撃したり、ホントにこんなんで鍛えられているわけ、といった感じでパッとしない。
　五人の女性隊員の短パン姿もイマイチ、セクシーさを欠いている。
　途中、ジェフリーがアリオーナに恋心を抱くも、アリオーナはガブリエルのことが忘れられないという人間関係が想定され、ジェフリーがアリオーナに迫ったとき、脱がすのをとめられるのが残念。アリオーナはガブリエルとの回想シーンの中で水着になっているも、プロポーションの浮かびあがるような撮りかたじゃないから、冒頭のようなビンビンもののサーヴィスをみせてよと不満タラタラ。でもカトリナがジェフリーにあこがれを抱くとの設定で、カトリナがセックスするイメージを想像し、オッパイもお尻もバッチリに露出はドキドキの興奮。
　いよいよ作戦遂行の旅に出発後は、川で水浴び休憩のシーンがあり、そこでアリオーナがボディーに巻いた黒いタオルをとって黒いパンティー一枚でオッパイを全開にしながら水に入ってきて、トップレスでオッパイをプラプラのカトリナとケンカになるのが全編最大ハイライトをつくる。止めようとしたローナのパンティーが濡れてお尻スケスケになるうえ、パメラの白い紐パンティーも挑発的。しかもみんなオッパイを手で隠していたり、みせっぱなしだから、キャー、どうしよう。アマンダだけヌードの披露がないのは意外だし、不満だが、スカウトされるときの走る格好からうかがうに、ちょっと太ったかなあといった印象。カトリナはケンカをとめられたあとにＴバッグのパンティーを食いこませながら水からあがってシャツを着るも、やはりこんなにお肉がだぶついていたっけ、といった感じでお尻がたるんでいるのにびっくり。
　まあカトリナにはテントの中でジェフリーに迫ってオッパイを丸みえショットもあって、そこそこ美人だし、後半はカトリナがもっともセクシーだといえよう。
　でも大ファンであるアリオーナは予想したほど脱いでいないし、パメラとローナも全裸にまではなっていないし、じゃっかん期待はずれだったなというのが正直な感想。
　企画のせっかくのシチュエーションを生かしきれなかったようだ。
　ストーリー的には敵のアジトに潜入のときにカトリナが得意の空き巣のテクを使ったり、爆破プログラムを解除のときに『ジャガーノート』もどきの配線にある何色のケーブルを切れのサスペンスとなって、パメラの自動車泥棒のテクを生かすように構成されているものの、隊員それぞれが持つ能力をうまく活用の場面を十分に用意しきれていなくて、もう少しアイディアを錬ってほしかったところ。
　爆破まであと五秒の手に汗握るクライマックスも時間のとりかたが合っていないから、ややシラケが生じる。
　思ったほどのできではなかったと指摘せざるをえない。
　それにしてもカトリナとアマンダが亡くなるなど、隊員からも犠牲者がでるあたりは、やはり『七人の侍』（または『若き勇者たち』といったその模倣作品）の影響かなあ、といった印象で、アンヘリート・Ｊ・デ・グスマン監督などスタッフに聞いてみたくなる。