“ＭＡＮＩＫＡＮＧ　ＰＡＰＥＬ”
（紙の人形）
　
(08)年：ダイヤモンド・ジェード・フィルムズ・インターナショナル
監督：デオ・Ｊ・ファハルド・ジュニア
主演：イネス・ヴェネラション
　　　 ウィリアム・レッドモンド
　　　 マイケル・リヴェロ
　　　 リチャード・クアン
　　　 ジョルダン・カスティーリオ
　　　 クロイド・ロビンソン
　　　 マリッサ・ガルシア
　地方の偏狭性をエロの題材に使うセクシー作で、イネス・ヴェネラションが主演。
　街で一番の美人と評判の高いアンヘラ（イネス）は周囲の住民たちの妬みによるからかいをうけつつ、副市長（マイケル・リヴェロ）の愛人なうえ、たまたま相談を依頼した弁護士（リチャード・クアン）にセクハラで強引に迫られる。学生のアントニオ（ウィリアム・レッドモンド）がアンヘラにあこがれ、ストーカーのようにつけまわし、学校の授業でハゲの教師（クロイド・ロビンソン）までがアンヘラに映り、オナニー用に下着を盗むも、気持ちは純粋。副市長の妻（マリッサ・ガルシア）が嫉妬で住民たちの面前でアンヘラに暴行をくわえ、はずかしめを与えたのでアンヘラが街をでていく。アントニオがアンヘラを追って家出する。
　全体はアントニオの煩悩を中心に語られ、葉っぱではたかれてハダカに水をかける性欲を断ちきる儀式のイメージがでてくる。アントニオののぞきや幻想でアンヘラのヌードが何度も登場に、イネスの美しい裸体が満載。まず副市長宅へいくのにブラをつけ、カップを乳房に合わせるのにはじまり、副市長に抱かれるのは太腿までの露出だが、アントニオなどが木の上からのぞく外での水浴びでスリップを濡らして乳首をスケさせ、手を入れて乳首のポロリをみせる。アントニオがオナニーのイマジネーションで部屋へくると、ワンピースを脱いで乳首をだす。アントニオがのぞく自宅の部屋ではレコードをかけるや、スリップで踊りつつもブラをはずし、乳首がバッチリのオッパイを水で洗う。ライムをしぼって果汁をたらせば乳首のアップにしたたり、アントニオが想像でオッパイをなめる。弁護士がさわりまくってのレイプ未遂はヘソだし衣装を乱すのみだし、副市長の妻には髪の毛を切られ、殴られ、ブラがあらわになり、病院へ運ぶのにアントニオが抱きあげて黒いパンティーがチラつき、さすがにエキストラに囲まれる中で肌を全開にはしないながら、街を去って三年後の設定でバス・タオルを巻いてベッドに座り、パンティーの股間に全裸じゃないとはいえ、バス・タオルをはずすとオッパイを丸だし。おそらくアントニオがマッサージとの暗示で形のよい乳房とキュートな乳首をおがませる。
　イネスの美乳を再確認する。
　アンヘラの下着を枕に着せてアントニオがオナニーにふけり、父（ジョルダン・カスティーリオ）にみつかるときに男のお尻がモロは、女性ファンへのサーヴィスか。
　アンヘラがボディコンで歩くのをながめて陰口にきょうじ、皮肉な拍手をおくる一般のエキストラがヘタすぎるうえ、水鳥の交尾を挿入の表現方法が稚拙。アントニオのオナニーにハレルヤ・コーラスをかけるセンスは笑えるにして、既製のクラシックや映画音楽の使用はシラける面が多く、共同編集をおこなうアントニオ役のウィリアム・ジョン・レッドモンドが音楽担当で、監督のデオ・Ｊ・ファハルド・ジュニアとどちらの選曲だろうか。
　副市長が財産のために妻と結婚しているっぽいのや、妻が暴行を頼むのが美容院のオカマたちのあたりがフィリピンを思わせ、アントニオが父と二人暮しはフィリピンの一般性をはずれる。弁護士がアンヘラを「アンジェラ」と呼んでいて、フィリピンの名前をカタカナ表記するむつかしさを知る。
　フィルム撮影をディジタル用の１６：９のフレームに変えたようで、少し前に撮影の終わったオクラ作が日の目をみたとも感じる。