ＭＡＭＡＳＡＮ
　
02年：ＦＬＴフィルムズ・インターナショナル
監督：ジョーイ・ロメロ
主演：エリザベト・オロペサ
　　　 ジェニン・デシデリオ
　　　 バルバラ・ミラノ
　　　 ラヴェン・ヴィリアヌエヴァ
　　　 イダ・マンザノ
　　　 マーク・ヒル
　　　 アレン・ディゾン
　　　 リチャード・クアン
　　　 リタ・マグダレナ
　　　 ニーノ・アレハンドロ
　　　 マルゴー・モンタノ
　　　 クリスタル・モレノ
　エリザベト・オロペサがママさんとは、あまりにもハマり役。ちょっと期待が盛りあがる。
　いわゆるＧ．Ｒ．Ｏ．がいる下層のディスコ・パブではなく、金持ち相手の高級娼婦を扱うので、リアリズムは弱まるものの、顧客に日本人や政治家が登場し、実際にありそうなシチュエーションをコメディー・タッチで描くのが興味深い。ジョーイ・ロメロ監督のスマッシュ・ヒットといっていいのではないか。
　まずはアキラ・ネモト演じる日本人の実業家がクスクスもの。エリザベトが会社を訪問に受付の女性が日本語で「あなたも、おかねもちになれます」と挨拶するし、社長室にはアキラの肖像画や一万円札の絵が飾ってある。ジェニン・デシデリオ演じる売れっ子娼婦がアキラに気に入られ、接待の帰り、車に乗っていると夜の街にアキラの看板がみえてきて、中の大きな写真のアキラがウィンクというエピソードからは、あのフィリピンを舞台にとった詐欺師の大神源太を連想させる。巨大な大神の顔の看板がマニラ市内に掛けられていたことはニュースで紹介されたし、フィリピンで自ら主演の映画をつくった事実は有名。アキラが「私はいい俳優だ」と公言で、エリザベトに共演の女の子を紹介させるシーンがでてくるのに、どう考えてもモデルにおいたとしか思えない。この作品は２００２年６月公開だから日本で大神源太が逮捕の前だが、こんなふうにカリカチュアの内容から想像すれば、フィリピンじゃとっくにお笑い野郎だったんじゃないか。
　まあ、許せない悪徳詐欺師に違いないものの、大神のような男にダマされる被害者のほうも脳みそが少ないぞと感じるながら、それは関係のない話。
　アキラが逮捕のときにエリザベトが巻き添えをくうと大騒ぎし、警察の取り調べ中にマーク・ヒル演じる顧客の国会議員から連絡が入って即時釈放のあたり、相変わらず権力に弱い国だなあとあきれるも、日本だって交通事故のもみ消しとかけっこう国会議員が引き受けているようだから、それほど変わらない。
　マークにジェニンを紹介で一緒に香港へ行くや、マークをとりこにしたジェニンが独立のところからドラマが動きだす。
　主人公たちにはみんな悩みがあり、エリザベトは息子と娘の将来を心配のあまり、その私生活に口をはさみすぎで、かえって反抗をうける日々。ロッキー・マルティネス演じる息子がバルバラ・ミラノ演じる身内の娼婦を好きになって、バルバラが手ほどきをしてあげたことに激怒でビンタすると、バルバラはキレてジェニンの元へと走る。キム・メンドーサ演じる娼婦は妊娠で、ヘレン・アシナン演じるインチキ堕胎医の手術失敗で死亡。
　ジェニンは本気で好きな人がいるが、静かな暮らしを望む妻子持ちなため、相手が心を許してくれなくてポロポロと泣く。
　エリザベトのところへラヴェン・ヴィリアヌエヴァ演じる新人が加わって、ドラマは次のステップへ。ラヴェンをマークに紹介だけでなく、リタ・マグダレナ演じるレズの女の相手もさせ、ラヴェンにはニーノ・アレハンドロ演じる恋人がいて、ショー・ビジネスへの進出を狙うニーノはホモだって受け入れる。
　ラヴェンに夢中のマークはジェニンを捨て、ジェニンはラヴェンを引き抜く。それでエリザベトとジェニンの関係は一触即発状態に陥り、教会でばったり会ったジェニン、バルバラ、ラヴェンの三人組とイダ・マンザノ演じる娼婦を含むエリザベトの一党が大ゲンカに。
　ラヴェンのブレスレットをつけた死体が発見され、ちょうど直後にラヴェンが失踪したために殺人事件に進展のあたりから第三のステップへと入る。エリザベトが容疑者で逮捕となり、取り調べでマークの名前をだしたので、タブロイド紙をにぎわすスキャンダルに突入。
　ジェニンたちのほうはオトリ捜査に引っかかって売春容疑でつかまるも、また別の国会議員からの横槍で釈放となるので、警察のやってられないというバカバカしさがよく理解できる。
　結局、殺人騒動がエリザベトと子どもたちの絆を取り戻し、実はラヴェンがニーノと香港旅行していただけで、ちゃんと生きていたことが判明するや、すべてが一件落着。エリザベトとジェニンが和解で終わりだから、最後はありがちな元のさやへ物語かよ、とかなりもの足りなさが残るのは正直な印象。
　本格的なドラマじゃなく、軽いコメディーなんだから、よしとしようではないか。
　女優陣のセクシーさはほとんど期待通りで、ウハウハの嬉しさ爆発。とにかく雨の中で取っ組み合いのケンカになるシーンにおけるエリザベトとイダの黒いピタパンとジェニンの赤いピタパンなど、みんなプロポーションがバツグンでうっとり。ジェニンの上に乗って殴るエリザベスのパンツが濡れてお尻の形を浮かびあがらせるショットなど、裸よりも色っぽい。ほかのシーンでもジェニンのレースのパンツや白いピタパンの誘惑が強烈だし、ラヴェンの黒いピタパンや、ジュン・ラシン演じるオカマがジェニンに紹介する女の中の一人とエリザベトがマークに押しつけようとする娼婦の白いピタパンも含め、全員のナイス・ボディーのラインに圧倒される。
　プールで行われるアキラの顧客接待に出席の際の水着はとくに興奮のシーンで、光沢素材のハイレグ・ビキニのジェニンにガーーーンと打ちのめされるのみ。シルヴァーのビキニのバルバラや、パープルのビキニのイダのほうがずっと美人だし、総勢八名の水着にクラクラなのだが、ジェニンのフェロモンは格別の威力。わりと最初のほうにあるこのシーンで、早くもイキそう。
　もちろんヌードもバッチリで、年増のエリザベトからしてアレン・ディゾン演じる若いツバメとのセックスでパンティー一枚になったり、ブラからオッパイをポロンとこぼすが、ジェニンのちょっと暗い中でのマークとの愛撫でのＴバック一枚がそそる。愛人とのセックスでは、キュッと紐Ｔバックが食いこんだお尻の突きだしポーズによだれダラーン。
　バルバラは黒い下着姿の紹介ショットから魅力的だが、エリザベトの息子にいい寄られるとき、お尻丸みえで浴室からでてくる姿にオオーッと驚愕。
　ラヴェンはシャーロン・コンデス演じる美容整形科医にボディーをチェックしてもらうシーンでパカンとオッパイもろだしのパンティー一枚なうえ、映画のプロデューサーに売りこむシーンでオッパイをバサッと全開のうえ、クルッとまわってみせるから、吸いつきたい欲望をかきたてる。
　プロデューサーの事務所に『ＢＵＲＬＥＳＫ　ＱＵＥＥＮ　ＮＧＡＹＯＮ』のポスターが貼ってあるのは、視線を引く。
　イダはシャーロンにみせるためにエリザベトからいきなりオッパイを丸だしにされるショットがあり、乳房の大きさや形、乳首がキュートだし、なによりも容貌が出演者の中で一番だから、思わずチュッチュしたい。
　さらにエリザベトの息子に迫られる二人目の娼婦役のマルゴー・モンタノや、おとり捜査で逮捕のシーンでのバルバラと一緒に３Ｐの相手を準備の娼婦役もオッパイをプラプラで、気どらないサーヴィス精神がなかなかよろしい。
　レズを演じるリタは男性風の下着姿までの露出だが、太ったオバサンになっているのにはマジかよーっとびっくり。歩きかたまでオバンくさかったりで。
　なおサニー・イラカドが音楽を担当のエンド・クレジットにかぶさるジャズの調べが心地よい魅了をくれた。