ＭＡＬＩＫＯＴ　ＮＡ　ＭＵＮＤＯ
（いたずら好きな世界）
　
97年：オクトアーツ・フィルムズ
監督：メル・チョングロ
主演：ララ・モレナ
　　 　ジェッサ・サラゴサ
　　 　パトリック・グスマン
　 　　レーモンド・バガチング
　 　　ロイ・ロドリゴ
　　 　ラヴリー・リヴェロ
　 　　アイリーン・アンヘレス
　始まると同時にララ・モレナがロイ・ロドリゴとオッパイをあらわにベッドで戯れ合っている。さっそく嬉しい描写じゃないかと興奮するも、二人はパンツとパンティーをはいたまま。そんな現実に抱き合うときは、下まで全部脱いでるんじゃないかと思うわけで、どこかシラけた要素が残る。
　この印象は、そのまま最後まで持続していく。
　しゃれたピアノ音楽が流れて、軽妙なコメディーを展開だが、まずは人間関係が計算されたままに、意外性もなく動くのみがさみしい。ララ演じるのはやり手の不動産のセールス・レディーで、ロイと不倫状態にある。ジェッサ・サラゴサ演じる親友がいて、ジェッサは妊娠とウソをついてレーモンド・バガチング演じる夫と結婚したので、夫からの愛がすっかり冷めきっている。ララが化粧で出勤する様子と、ジェッサが家事の日常がカット・バックされ、好対照に描こうとしていくあたりはよい。ジェッサが浮気に勘づき、ララと一緒にレーモンドの車を尾行し、ホテルへ入る現場をつきとめるのだが、ラヴリー・リヴェロ演じるロイの妻が、パトリック・グスマン演じる弟にララの誘惑を頼み、さらにパトリックがあとをつけているという二重尾行なのも面白い。
　でもララのアドヴァイスでジェッサが色気を強調することに決め、黒のランジェリーでレーモンドに迫るあたりで、ジェッサのセクシーさはよだれダラダラものだが、これで二人の仲が戻るんだと予想がついてしまう。
　パトリックの誘いに乗ったララは、タガイタイでデートし、本気になっていくわけだが、パトリックのほうもきっかけは作戦だったものの、マジになっちゃうんだなあ、と簡単に先が読める。
　ホント、よくあるストーリーじゃないか。
　パトリックがジェッサにキスを強要のシーンがあって、三角関係に発展かなと期待させるも、まったく何もなく、あっさり解決。メル・チョングロ監督、しっかりしてくれよ、とハッパをかけたくなる。
　クライマックスは当然ながら、パトリックがラヴリーのさしがねとわかってララが絶望するのだが、今度はジェッサがなぐさめ役に変わり、立場が交代のドラマへの持っていきかたに、いかにも作為を感じる。
　最後はハッピー・エンドに決まっているし、ララとパトリックの結婚式に、してやったりだったラヴリーまで祝福で、三組のカップルが丸く収まってメデタシ、メデタシ。
　マジで物足りないんだよなあ。
　とはいえ目的はビンビンをくれるかどうかだから、ララがパトリックとの逢いびきでプールへ行き、白いビキニがまずます。一緒に風呂へ入るところになって、惜しげもなく乳首までおがませてくれるのにチュッ、チュッ、チュッという感じなうえ、ベッドでパトリックに全裸で抱きあげられる姿にドヒャー！
　こちらは実に感激ものなのだが、ララははっきりいってブスで、個人的な好みからはほど遠い。本来はジェッサのヌードが目的だったのに、レーモンドとのセックス・シーンは暗くて大切な部分がまったくみえない。そりゃあ、ないでしょ、と涙ポロポロ。
　やっぱり不満が残る。
　あとジェッサほどでないものの、ラヴリーも、レーモンドの浮気の相手を演じたアイリーン・アンヘレスもララよりずっとかわいく、とくにラヴリーは脱いでほしかったなあ。