ＭＡＬＡＧＫＩＴ
（筒づめご飯）
　
03年：エル・ニーニョ・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：シドニー・セゴヴィア
　　　 メエ・トンコ
　　　 モン・コンフィアド
　　　 アルベルト・デ・エステバン
　　　 マーク・ディオニショ
　　　 アウラ・ルナ
　　　 ライアン・ムーニョス
　シドニー・セゴヴィアとメエ・トンコが演じる姉妹の波乱万丈な半生を描くドラマだが、荒唐無稽に近いハチャメチャな展開といえる。でも、かえってそこが面白いかな。
　冒頭に二人がマラグキットという炒めたご飯をスティック状にする食べものをつくっていて、貧しいからこれを売っているとの設定。あとで包装に使うバナナの葉っぱをふいているシーンもでてきて興味深いが、題名になったわりには、マラグキットをストーリーの小道具に使っていないのがご愛嬌。
　シドニーはモン・コンフィアド演じる夫とメリーハン・フェイス・トレンティノ演じる幼い娘がいるも、アルベルト・デ・エステバン演じる男と不倫中。川で洗濯のあと、アルベルトがめくばせして、岩陰でセックス。シドニーはさして美人といえないが、全裸にむかれたボディーからは張りがよく、形や大きさが理想的で、キュートな乳首を持つオッパイのみならず、薄めの陰毛ものぞくから許す。
　確かにシドニーが主役とは二線級だし、荷が重そうと感じるも、モンとのセックスでは二重写しの画面から水浴びする素っ裸のシドニーがダブり、オッパイのパワーがすごいうえ、パイパンっぽい股間が正面からバッチリで、こんなに堂々とみせちゃっていいわけ、と燃えさせてくれるから許す。
　アルベルトとレストランの上にあるラヴ・ホテルみたいな部屋へしけこむシーンになって、メリーハンを「食事しててね」と一人にするのは、ほとんどどこかの国のパチンコがしたいからと車の中に子どもを放っておくバカ母と同じじゃないかとあきれるも、女性上位でワンワンのポーズをとりながら下向きオッパイをゆすったり、黒いＴバック・パンティー一枚のお尻を突きだすから許す。
　浮気を知ったモンがアルベルトを殺そうとして、相打ちを招く結果。お互いの葬式がぶつかって遺族がののしり合ったあと、実はエルニー・サラテとテス・オリアス演じるシドニーの両親がモンから借金していた。それでアルベルトが好きだったけど、シドニーがモンと結婚した事実が明らかになる。ほとんど安手のロマンス劇みたいなバックグラウンドだなあ、と苦笑いが起きるも、初夜でシドニーがパンティー一枚になって、横向き、上向きのオッパイを堪能させてくれるから許す。
　アウラ・ルナ演じる従姉妹を頼ってマニラへでたシドニーは、アウラと一緒に水商売へ。アウラが驚くほどの美人で、個人的にタイプだからウハウハ。こりゃ、ハダカになってくれたらイッちゃうかもなあ、なんて期待していたら、客とのセックスで全裸のボディーを披露。オッパイはバッチリだし、お尻は鮮やかな割れかたのカーヴだし、お尻のお肉を左右からギュッギュッと愛撫されてキャーッ。家へ戻って着がえるショットでは服を脱いでパンティー一枚になってバス・タオルを巻くとき、なんと迫力のオッパイ丸だし。肌の艶といい、もみがいのありそうな質感といい、ツンと立った乳首といい、巨乳の部類なのにまったく垂れてない形といい、ほぼパーフェクト。アウラの留守中にジグス・ポサダス演じるアウラの恋人とシドニーがセックスするエピソードは、あとのストーリーにからんでこないし、アウラとシドニーがケンカするわけでもなく、ただ単なるつけたし程度。しかもバス・タオルをむかれたシドニーが黒いパンティーだったのに、ベッドでは白っぽい柄ものなのはヘンじゃないか。細部に注意してほしなあ、と突っこみを入れたくなるも、シドニーのツルンと肌の滑りがよさそうなオッパイがアップでフェロモンを放ち、バックでのセックスがリアルなうえ、アウラの帰宅であわてて隠れる際の前にタオルをあてただけの全裸が視線を奪う。また何といってもアウラのヌードにヘロヘロだから許す。
　それにしても気になってしょうがないのは、撮影の手抜き。ワン・ショットの中で色調が変わったり、明るくなったり暗くなったり、ライティングが適当だったり、ラストにいたるまで何度もイラつかせるが、メエにもライアン・ムーニョス演じる恋人が紹介され、二人のセックスから上向き、下向きオッパイをたっぷりとおがませてくれるだけでなく、やや色が薄めの乳首がアップでドバーッ、だから許す。
　トニー・マナロ演じる客とシドニーが結婚。トニーが中流の金持ちとの後半に入ると、あまりにも現実離れした、しょせんフィクションね、シンデレラ物語じゃないんだからとの進めかたに、くだらねー、と声がでそうになるも、シドニーの娘を演じるのがメリーハンから年ごろのアイェン・“ジョログス”・アレグレに変わって時の流れを示す。アイェンにはラウル・ゴンザレス演じる恋人ができて、学校帰りに屋外で立位の愛撫を繰り広げ、前開きのシャツをはだけて、オットットット、オッパイが…　とのチラリズムに許す。
　シドニーが両親を訪ねて一家で帰省し、プールのあるロッジを近くに借りるも、水着のシドニーやメエが登場しないのは著しく不満な点だが、白いピタパンから浮きあがるアイェンのプロポーションがバツグンだから許す。
　シドニーが偶然にもマーク・ディオニショ演じるアルベルトの息子と出会うのは、強引すぎて工夫がほしいところ。ジュリー・ジョンソン演じる母が亡くなっていて、スシン・サイソン演じる祖母に育てられたマークが一方的にシドニーを恨んでいるのも説得力を欠く。ノノン・デ・アンドレスとジェーク・ベレザ演じる仲間を従えたマークが凶暴で、狂人一歩寸前のキャラなのは、極端さ＝殺気ある表現と勘違いしないでほしいなあ。いきなりエリック・デラ・クルース演じるトニーの運転手を撲殺したあと、ロッジへ押し入ってトニーへ銃を放ち、アイェンを強姦とのヴァイオレンス・シーンで、アイェンがビリビリッと服を破られて、オッパイ・ポロリがないのはなぜ？　メエのほうはオッパイをモロにむかれるも、紐パンティーをはいたままなのが不自然。普通、レイプだったら全裸にするぞ、と指摘したくなるも、メエのアップになった上向きオッパイから、乳首にチューッと吸いつきたいまでのオーラが漂っているようで許す。
　シドニーが駆けつけてメエは一命をとりとめ、アイェンは亡くなってしまう。メエのボディーが横たわるベッドにはマークのペンダントがワザとらしく落ちていて、そんなわかりやすい証拠品を残すか、と常識では皆無といえる稚拙な小道具の活用にもほどがある。まったくいつものことながら、セザール・ＳＢ・アベーリアの作品は自主制作の高校生映画なみのレヴェルにすら達していないんじゃないかと嫌になるも、復讐を決意したシドニーがシャワーを浴びるショットで、斜め上のアングルから石鹸でオッパイをもむように洗ったり、お尻の割れ目に水がしたたっていくのが刺激的。マークたちを引きつけるためにエナメルのボディコン超ミニとブーツというファッションに身をかためると、もはやお色気爆弾と化した誘惑光線を発してくるから許す。
　強くないとダメだと悟ったシドニーが空手の練習を始め、初心者がごく短期間で一気に力がつくわけないだろう、安易な構成もえー加減にせー、と言葉を失うも、シドニーのトレーニング・ウェアが下半身にピタッとフィットしていて、ラインくっきりだから許す。
　マークたちを成敗して警察に引き渡し、裁判で重罪になるのがシメ。まあ、バカバカしい内容にあ然。完成度の低さに、むしろ楽しさをおぼえた、と皮肉をいいたいくらいだが、エピローグにメエとライアンの結婚を用意していて、初夜の前に水浴びするメエのオッパイがダメ押しで全開のうえ、陰毛もチラリだから許す。
　ライアンがメエの着るガウンの紐をほどくと、中からオッパイが惜しげもなくドバーッ。画面が二重写しになって、パンティーをズルズルッと脱がされていくメエのほうへ注目すると、陰毛がバッチリとみえてるから、許す、許す、全部許す。
　考えてみれば、十年に以上におよぶ話なのに、シドニーとメエが最初とまったく変わっていないのは、老化しない美肌なのか。