ＭＡＤＥＲＡＺＯ　　ＢＡＹＡＤ　ＮＡ　ＰＡＴＩ　ＫＡＬＵＬＵＷＡ　ＭＯ
（マデラソ　払ったぶんと同じだけ吐きだすのか）
　
00年：リーガル・エンターテインメント
監督：フランシス・“ジュン”・ポサダス
主演：イアン・ヴェネラション
　　　 エミリオ・ガルシア
　　 　ＬＪ・モレノ
　　　 モン・コンフィアド
　　　 エルニー・サラテ
　　　 ノノン・デ・アンドレス
　　　 ジェセッテ・プロスペロ
　　　 マル・ガルチトレナ
　　　 ウィリアム・ロメロ
　　　 カラ・クリステル
　サイコ・サスペンスに分類されるだろうか。
　海岸でエミール（モーガン・モンテシーリオ）とシーラ（メラニー・メンドーサ）のカップルが殺され、刑事のロデル（イアン・ヴェネラション）がエミールの友人のアーミー（ヴァネッサ・バリノ）に事情をたずねる。ダンサーのカルラ（カラ・クリステル）へリッキー（モン・コンフィアド）が店でからみ、刑事のアルネル（エミール・ガルシア）が追いだすと、翌朝にカルラが殺されている。麻薬取り引きに関係するリッキーをロデルとアルネルが射殺。入浴中にベルナ（マイカ・ソリアノ）が恋人のアレックス（ジョージ・カミノ）と惨殺のあと、目撃者（ジジット・パリノ）の証言でアレックスの妻（ハイラ・ゴメス）が浮気現場で「スキャンダルよ」ともめていたのがわかる。
　寄付を募るインチキ宗教家のセルソ（ノノン・デ・アンドレス）や教会で説教する神父のサトゥル（ウィリアム・ロメロ）のあやしい人物をうろつかせ、各事件現場には血で描いた同じ絵文字の紙が落ちているとの伏線を張る。
　もっともミステリーの狙いはなく、アルネルがドクロのペンダントをつけていたり、幼年時代に義母（ジェセッテ・プロスペロ）から折檻をうけたトラウマをもっていたりを示して、犯人を途中でバラす。警察バッジをつけた黒焦げの死体があがると、婦警のニダ（ＬＪ・モレノ）とロデルが捜査にあたってアルネルの家で異教徒の呪いの品々をみつけ、すでに死んだものには×印のついたターゲットのリストがでてくる。アルネルが黒魔術の儀式をおこなうのをセルソがのぞき、いけにえのメルディー（アーリン・トゥマラッド）が胸を刺される。リストにあった名前からロデルがプレシャス（ロサンナ・マグダレナ＝ロッサナと表記されている）のもとへ駆けつけるや、一歩遅くて連れ去られたあとで、サトゥルもいる儀式でやはり胸にナイフの刺殺をうける。ついにはニダが拉致に、セルソから場所を聞いたロデルが危ういところでサトゥルを射殺によって助ける。銃撃戦になってセルソがやられ、アルネルがニダを楯にとる。
　ジェリー・Ｏ・ティラソナの脚本はロデルとアルネルを戦争中に命を救い合った親友としながらも、さして心理の葛藤に応用せず、上司のドミンゴ中尉（エルニー・サラテ）をからめるわけでなく、いささか底の浅さが目立つ。少年時代のアルネルが折檻を横目に父（マル・ガルチトレナ）が祈ってばかりでとめてくれないばかりか、別の女性（ハニーリン・デ・グスマン）とセックス中に目の前で義母に撃ち殺された記憶を動機におくが、これも単細胞すぎるかもしれない。またフランシス・“ジュン”・ポサダスの演出がオカルトっぽい雰囲気をつくりきれないままで、不気味さ不足ともいえる。
　もっとも予想よりもハダカがでてきて、エッチな興味ではけっこう楽しませてくれる。カルラ役のカラ・クリステルはＴバックで踊り、首からさげたレイがオッパイを隠すも、乳首がチラチラ。吊るされた死体では髪の毛でバストがみえなくて残念。ベルナ役のマイカ・ソリアノはお尻丸だしで風呂に入り、かなり美人なのにときめくが、いささか乳首が黒い。死体の写真撮影のときのフラッシュで陰毛が浮かび、アルネルの殺人の回想でも陰毛がみえる寸前。シーラ役のメラニー・メンドーサはパープルのワンピースの光沢水着がヒップに貼りつくのに視線を奪い、オッパイをモロだしに吊るされる。プレシャス役のロサンナ・マグダレナとメルディー役のアーリン・トゥマラッドはオッパイを完全露出で儀式の台に寝かされる。
　もっともニダ役のＬＪ・モレノのヌードをおがみたかったのだが、さすがになしで、オッパイをポロリとさせずに台にいて、それじゃ儀式にならないでしょと思わせる。ロデルとのベッドでもシーツをボディーに巻いているし、もう少しギリギリの興奮があってもいいんじゃないかといいたくなる。スラッと伸びる脚がそそるだけに。
　なお、黒魔術の信者の老女にリリア・クンタパイが扮していて、いるだけで適役とうなずかせる。