ＭＡＤ　ＤＯＣＴＯＲ　ＯＦ　ＢＬＯＯＤ　ＩＳＬＡＮＤ
　
69年：ヘミスフィアー・ピクチャーズ
監督：ゲリー・デ・レオン（ジェラルド・デ・レオン）、エディー・ロメロ
主演：ジョン・アシュリー
　　　 アンジェリーク・ペティージョン
　　　 ロナルド・レミー
　　　 アリシア・アロンソ
　　　 ロナルド・ヴァルデス
　アメリカ合衆国向けのフィリピン映画になり、ジェラルド・デ・レオンとエディー・ロメロ監督によるＣ級ホラー“ブラッド・アイランド”シリーズで『ＢＲＩＤＥＳ　ＯＦ　ＢＬＯＯＤ』に続く作品。おそらくドライヴ・イン・シアターでの上映用だろう。公開当時、鑑賞前に飲みなさいと観客に緑の液体が配られ、その説明のマジメな（？）ジョーク・フィルムが本編の冒頭についている。前作ではオモチャの結婚指輪が全員に贈られたそうで、制作のエディー・ロメロのアイディアなのか、まったくようやるよっと感心。
　個人的にはアリシア・アロンソの出演に注目する。
　内容的は続編じゃなく、独立したもの。
　南海の小島に異常な現象が起きているため、調査に派遣されたアメリカ人科学者のビル（ジョン・アシュリー）と、島に暮らすアメリカ人の父を探す女性のシーラ（アンジェリーク・ペティージョン）と、その島の出身で、帰省目的の青年のカルロス（ロナルド・ヴァルデス）が船に乗り合わせている。カルロスは船長（エドワード・マーフィー）から、島で緑の血の死体がでたとのウワサを聞く。ビーチについてみれば、村の酋長のラム（アルフォンソ・カルヴァハル）がムスリム帽をかぶっているも、ただの雰囲気あつかいにすぎず、宗教上の意図はなかった。
　現地の住民たちは女性がブラとパレオを巻いたかっこうで、カルロスの旧知の女性のマーラが現われ、演じるアリシア・アロンソのバストの谷間と、パレオの割れ目からのぞく太腿にときめく。またカルロスが母に会うや、演じるティタ・ムーニョスのメスティーサふうの美貌に驚く。老人役の多い現在を先にみているため、こんなに魅力的だったのって感じ。あとで緑色のモンスターに虐殺されるとき、乳首の露出に視線を奪われるが、血みどろにつくられた人形なのが残念。
　ストーリーは単純で、村が緑色のモンスターの出現におびえている。そのわりに平気で夜中に青姦のカップルが存在するが、当たり前のごとく殺される。シーラがモンスターに襲われるのを助けた原住民がやられ、はらわたが散乱や、カップルの腕がもげ、首が落ちる残酷表現は、グロの要素の盛りこみ。原住民の男女が腰をふって踊るダンスがエロく、ブタやヤギを殺す儀式を、いかにも白人がウケるように野蛮っぽくみせつつ、シーラの父のウィラード（トニー・エドムンズ）がマーラの全裸の水浴びを隠れてながめ、欲望を抱くあやしさや、カルロスのベッドでマーラがセックスにくるなどの図式を示し、村に住むアメリカ人のロルカ博士（ロナルド・レミー）が登場。召使いのラサフ（ブルーノ・プンサラン）が緑の皮膚になった人間の首を切るといった状況で、等しく嫌疑の可能性をかぶせる。亡くなった父の墓をカルロスがビルと掘り、ヘビがでてくるこけおどしのあと、棺の中がカラと気がつく。実は父が生きていて、カルロス博士に改造された緑色のモンスターだったと判明は、さしてミステリーと評価できない。
　もっともグロテスクなモンスターが少年時代のカルロスの写真に反応はありきたりでも、なぜかマーラの命令だけはきくあたりがおかしく、カルロスがつかまったのをビルが助ける洞窟の中にあるロルカの実験室で、盆栽ほどの木の枝が腕のように動く特撮に、低予算ホラーなりのお手製のよさを感じる。
　とにかく全裸の女性が乳首や陰毛をみせてジャングルを走り、緑色のモンスターの犠牲になるオープニングにエログロの期待が高まり、もしやアリシア・アロンソのヌードがおがめるかもとの予想でドキドキとときめいたが、本当にアリシアが脱いでいるのに拍手を惜しまない。滝のある池でブラをはずし、パレオをとって真っ裸。髪の毛が乳首をおおうも、お尻丸だしで岩場を歩く。ひょっとしてうしろ姿なので、ふきかえの別人かもとの心配は、池を泳ぐところで解消される。お尻をバッチリに水の中へ入り、泳ぐショットには顔がうつり、まっさしく本人のヴィーナス。水面にチョコんとキュートなお尻の割れ目が浮かびあがる。カルロスのベッドへくるシーンはブラを正面ではずすも、カルロスの寝る蚊帳の布ごしなのでぼやけ、蚊帳の中までくると明かりの暗さで乳房がぼんやりで、はたして乳首がバッチリのトップレスなのか、ニプレスを貼っているのか微妙ながら、お尻全開のボディーだけで十分に満足。映画も途中のアリシアの水浴でイキそうになったしだい。
　アンジェリーク・ペティージョンは寝室でのネグリジェに乳首がスケていて、白人客向けのハダカ要員に違いなく、ちゃんとビルと焚き火の横でかわすセックスで全裸になり、乳首もお尻もみせるが、さして好みのタイプじゃないので興奮しない。
　いや、もう、若いころのアリシア・アロンソは、ウルトラ絶賛級に素晴らしい。前作でエヴァ・ダレンがギリギリでヌードにならなかっただけに、本作のアリシアに歓喜のお宝をいただいた。
　なお、ヒゲのないロナルド・ヴァルデスははじめてだが、彼はまだデビュー三年目で、二枚目の代表だったのだろう。68年の『ＫＡＭＩＮＧ　ＴＡＧＡ−ＩＬＯＧ』『ＧＩＹＥＲＡ　ＰＡＴＡＮＩ』、69年の『ＢＲＯＷＮＯＵＴ』などでアリシア・アロンソと共演している。