ＭＡＤＡＭＥ　Ｘ
　
00年：ＦＬＴフィルムズ・インターナショナル
監督：ホセ・Ｎ・カレオン
主演：イナ・レームンド
　　　 ガーリー・エストラダ
　　　 ロベルト・アレヴァロ
　　　 アルヴィン・アンソン
　　　 ピンキー・アマドール
　　　 イッサ・イグナシオ
　　　 ジ ェームズ・ハーパー
　 まずはブラウンのハイレグ・ビキニで撮影されるイナ・レームンドが登場。彼女が“マダム・Ｘ”との芸名をもつ有名モデルであることがわかる。Ｔバックのヒップが魅力的だが、前がかみになったブラからのぞく胸の谷間にも悩殺されてしまう。それほど巨乳でないだけに、かえってほどよい大きさからくる形のよさが際立っている。これは『ＢＵＲＬＥＳＫ　ＱＵＥＥＮ　ＮＧＡＹＯＮ』で大ヒットを飛ばしたホセ・Ｎ・カレオン監督とイナとのコンビ作であり、個人的な印象でいえば前作がイナのお尻を楽しむ作品であったのに対し、今回はオッパイをみる作品だと思えてしまう。
　またガーリー・エストラダを出演させるなど、女性ファンへのアプローチも感じさせている。
　イナがモデルとして撮影されるシーンは全編に五回ちりばめられていて、ブラインのハイレグに続き、薄いブルーの下着、紫のパンティーの横が紐になった水着、豹柄のワンピース水着、白のＴバックと黒のＴバックのランジェリーを披露してくれる。いずれも中身をイメージさせる誘惑的な胸元や、キュッと引き締まったウェスト、ほとんど全部みえているも同然のお尻で魅了してくれる。
　もっともイナのヴィーナスぶりがおがめるのは、これら撮影シーンだけでないことはいうまでもないが…
　ガーリーはイナの恋人役で、情けない性格の金持ちのボンボン役を、いつもながらに可もなく不可もなく演じている。前半、ガーリーがイナを連れていく有閑階級の連中の遊びぶりが興味深く、バーのビール早飲み競争でロザンナ・マグダレナ演じる女性が服を脱いでＴバック一枚になってしまうところなど、オッパイ丸みえのサーヴィスもあって、本当にこんなことしてるのと好奇心を刺激されてしまう。カップルでセックスのライヴ・ショーをみるところも、ライカ・トレンティノ演じる女性役が紐Ｔバックを脱がされるときのお尻のアップが妖艶で、これはナマでみてみたいと感じさせて、一体どこでやってるのと聞きたい欲求にかられてしまう。エンリコ・コントレラス演じる男性役のお尻までアップになるのは余計だが…
　ガーリーが実家にイナを招くところから、ドラマは動きだすことになる。アメリカ映画によくでてくる南部の大農園主が所有しているような豪邸に驚かされると、ロベルト・アレヴァロ演じるガーリーの父と、アルヴィン・アンソン演じる上の弟がイナにいやらしい目を向けている事実が暗示される。このとき観客には、以前イナの父を殺したのがロベルトである過去を知らされる。ジェームズ・ハーパー演じる下の弟が誤ってイナの着がえをみてしまうシーンが続くが、ジェームズにはイッサ・イグナシオ演じる恋人がいる人間関係が紹介される。
　この着がえのシーンでは、なにも隠さないイナの乳房が大胆に露出され、乳首のかわいさも手伝って、手をのばしてモミモミしたい欲求にかられてしまう。
　さらに屋敷のすみでガーリーとセックスするシーンでもイナは乳首をポロリとさせるが、またものぞき見してしまったジェームズが欲情し、かわりにイッサを抱くシーンとなって、ここではイッサのお椀型の乳房に圧倒される。
　ベランダに立つイナをみて、ロベルトが彼女の全裸をイメージするシーンも秀逸である。手すりで陰毛は半分隠れているものの、堂々と乳房を全開にしたイナのボディーが迫力さえ生んでいる。
　アルヴィンもイナを裸にする幻想を抱くのだが、このシーンでは黒のスリップをおろすと彫刻から抜けでたようなイナの乳房があらわれ、ああ指をのばして乳首をつまみたい、思いっきり吸いつきたい、とこちらまで想像力をかきたたされる誘惑ぶり。
　プールでイナが泳ぐシーンでは、水からあがるときに背後からアップで撮影された、ほんの細い紐一本が食いこんだだけのお尻が挑発してくるが、写真の暗室にいるガーリーのところへくると、小さな布で乳首の周囲をおおっていただけのブラをベロッとはずして、赤外線ランプのアヤシイ光の下でまたも乳房を目に前につきつけてくれる。できれば谷間に顔をうずめたい。
　映画はイナによこしまな欲望を抑えられなくなったロベルトが陰謀をめぐらせてガーリーと別れさせようとするところから、違った展開になってくる。イナを信じられなくなったガーリーは先のセックスのライヴ・ショーで自らが女性モデルを抱き、それをイナにみつかってしまい、決定的な破局を迎える。イナはロベルトに囲われる決意をし、ひそかにイナを愛していたジェームズは、イッサとのセックスでやるせない気持ちのはけ口をぶつける。
　イッサはセックスが終わったあとのシーンでオッパイもお尻も惜しげなくみせてくれて、イナ三昧の映画にワン・ポイント的な他のヌードの刺激を吹きこんでくれるが、ここでジェームズのお尻まで置かれているのは、女性ファンへのサーヴィスを忘れないようにした現われだろう。
　ロベルトが一方的に結婚を決めた強引さに怒ったイナは、さすがに豪邸をでようとする。無理やり連れ戻されて、ロベルトが「その服だって私が買ってあげたものだ」というと、上に着ていたシャツと、キュートなヒップラインを描いて下半身にピッタリとフィットしていた白いパンツを脱ぎ捨て、シルクのランジェリー姿になる。さらにブラをはずして、ダメ押し的にまたオッパイが…　うー揺れてる、揺れてる、もはやレヴェルを越えすぎたセクシーさに、頭の中がパニックを起こしそう。ただ下のパンティーまで脱がないのは不満だが…
　とはいえイナの見せ場は、どっこいまだ終わっていなかった。 その夜、イナはレイプされてしまう悪夢に。シャツのボタンをはずされると乳房が丸だしになり、ズルズルとパンティーもおろされていく。外は雷雨になり、レイプが終わって犯人が去ったあと、稲妻がピカピカ光る中で陰毛もあらわに全裸の身体が横たわる。ロベルトはアルヴィンを犯人だと思って責め、自分の情けなさに絶望したガーリーは自殺。ではいったい犯人は誰だったのか…
　真相が明らかになるシーンでは、イナの上半身と下半身が稲妻の光るたびに、オッパイ、陰毛、オッパイ、陰毛と交互にアップになり、みているこちらはもう画面に向かって舌をペロペロとさせるしかない。
　もっともホセ監督は『ＢＵＲＬＥＳＫ　ＱＵＥＥＮ　ＮＧＡＹＯＮ』でも意外なラスト・シーンを用意していたが、今回は前作ほど成功しなかったようだ。よく考えてみていれば、犯人は容易にわかってしまうのだから…
　結果的にイナは父を殺したロベルトに復讐をしたことになるのだが、背後にある大農園制度や、地主と小作の問題にまで映画は深く踏みこんでいない。単にそうした社会問題を題材に利用しただけで、重厚なドラマにしようなんて意図はないのだから、当然の展開だろう。
　イナを満喫する映画としては、前作にちょっと及ばなかったものの、セクシー・カウンター・パンチの連続でかなり成功している。女神イナ様である。
　一つだけ欲をいえば、イナの姉を演じたピンキー・アマドールのヌードもみたかった。