94年：セイコ・フィルムズ
監督：マウロ・ジア・サモンテ
主演：ガルド・ヴェルソザ
スヌーキー・セルナ
アビー・ヴィドゥヤ（プリシーリア・アルメダ）
ドン・ウマリ
ハーヴィー・ゴメス
トニー・カレオン
ジョボイ・ゴメス
ロサンナ・ローセス
ジェーソン・シンブラノ
ロサンナ・ローセスの本格的デビュー作で、アビー・ヴィドゥヤと名のっていた時代のプリシーリア・アルメダが少し顔をだしている。
ガルド・ヴェルソザとスヌーキー・セルナが夫婦を演じ、新居に引っ越して喜びもつかの間、設計士のガルドが仕事をクビになり、残りガネを闘鶏ではたき、生活に困るようになる。店員のスヌーキーはアルマ・レルマ演じるオーナーに借金を頼むも断わられ、ミスター・フィリピンのコンテストの賞金が五万ペソと知るや、ガルドがジムで鍛えて出場を決める。結果は四位で落胆に終わると、審査員の一人だったオサン（ロサンナ）演じる高名な彫刻家がガルドを気に入って、モデルにと申しでる。全裸だというのでスヌーキーが嫌がるも、出来ごころでアルマのカネを盗もうとしたスヌーキーをガルドがとめ、ハダカをみられるだけだからとガルドがモデルの承諾を説得する。オール・ヌードのスケッチのあとオサンが迫ると、ガルドがはねのける。スヌーキーが嫉妬で荒れたりをへて、ガルドの像が完成。七万五千ペソの報酬をもらった帰り、知り合いの仲間がアルマの店へ強盗に入ったのに居合わせ、恥の結晶のカネを奪われる。しかもとり返そうと追ったため、射殺されてしまう。悲しみのうちにスヌーキーは家を明けわたし、プリシーリア演じる娘のもとへ身をよせる。一方、オサンは像をマスコミに披露で注目を集める。ガルドそっくりの像にスヌーキーが願いをかけて接吻すると、奇跡が起こって人間に変わる。夜の間だけ人間で、昼間は像に戻るガルドをスヌーキーが盗みだし、プリシーリアと家に隠す。たまたま夜のディスコでガルドが強盗一味をみつけ、今度は刺される。手術のあと病院で像に戻り、警察に盗難依頼をだしたオサンが持ち帰る。オデット・カーン演じる有能な弁護士を雇ったオサンは裁判に訴えて勝利し、像の所有権を認められる。オサンはガルドをベッドにクサリでつないでもてあそび、ガルドが抵抗しまくる。結局、捜査してくれたジェーソン・シンブラノ演じる若い警官とオサンはくっつき、ガルドをスヌーキーに返す。
おそらくガルドの像はミケランジェロのダヴィデ像をイメージしていて、デーヴィッドというガルドの役名からもそれがわかる。チンポがリアルに彫られ、オサンやスヌーキーがなでたり、さわったりするが、包茎のダビデ像と違い、ちゃんと皮がむけている。フィリピン人は割礼することを考えると当然か。
マウロ・ジア・サモンテは女性ファンと男性ファンの両方をターゲットにイメージしたようで、やたらガルドとオサンのヌードがでてくるのがポイントをなす。ガルドはモデルでの全裸のほか、像が裸体だから、人間に戻るときはいつも真っ裸。オサンの前でスヌーキーがチンポをみえないように隠しながら歩き去ったり、ベッドのクサリを解かれてお尻丸だしでスヌーキーを抱きかかえたりが、確かにイイ男だし、女性にアピールするかもしれない。ちょっと気持ちが悪いものの…
やはり注目はオサンのボディーといえ、まずモデル承諾の電話をうけるときにスリップで寝ていて、乳首とパンティーがスケている。スケッチには太腿のでたスリット・スカートで現われ、ノミで彫刻を制作時にはジーンズのホット・パンツとシャツになり、汗が流れてきてシャツから乳首が浮きあがる。ジェーソンが訪ねてくるシーンはベッドで横になって到着の電話をとる際に極小Ｔバック一枚で、乳首がチラつき、お尻は丸みえ同然。ジェーソンが部屋に入ったあとは『氷の微笑』をマネたのだろうが、着がえるオサンのＴバック一枚のうしろ姿をジェーソンが目にし、ミニスカ・ワンピースのオサンが椅子に座ると、ジェーソンの前で脚を開いたり閉じたりでパンティーをうかがわせる。ガルドの像をベッドに置いてオナニーしたり、もだえるところはハイライトと呼んでよく、ワンワンのポーズをとってお尻を突きだし、くいこみパンティーの股間にはオマンコがのぞきそう。しかも黒いスリップとパンティーでガルドに抱きつき、はね返された際のお尻のアップは、またも突きだしたかっこうでオマンコがみえる寸前を招く。
あとスヌーキーは三度、スリップになるのみで、プリシーリアはナンパの男に逃げられるホテルでのバス・タオルを巻いたボディー、全裸で駆けるガルドに気づく廊下でのスリップ、ガルドの像にこっそりキスする密室でのホット・パンツにとどまる。ほかに闘鶏場で恋人と騒ぐおばさん役にベヴァリー・サルヴィエホ、ジムでガルドに男娼を頼む年増にフローラ・ガセル、ルスティー・サントスの中年コメディー・リリーフが顔をだす。
とにかく腕に刺青があって好みのタイプをはずれるながら、オサンに悩殺の一篇だった。
