ＥＬＷＯＯＤ　ＰＥＲＥＺ’Ｓ　ＬＵＰＥ　　Ａ　ＳＥＡＭＡＮ’Ｓ　ＷＩＦＥ
　
03年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：エルウッド・ペレス
主演：アンドレア・デル・ロサリオ
　　 　レアンドロ・ムーニョス
　　 　ジョルダン・ヘレラ
　　　 シェリー
　　　 マリッサ・デルガド
　　　 ララ・ファブレガス
　　　 リチャード・クアン
　　　 ジョアンヌ・キンタス
　　　 ダニー・ラモス
　　　 チョロ・エスカーニョ
　　　 ロイ・ロドリゴ
　　　 エディー・アレナス
　フィリピン人には船員が多い。よく船舶事故が起こったとき、ニュースが伝える内容には必ずといっていいほど「パナマ船籍で、フィリピン人船員の…」といったフレーズが聞こえてくる。実際、友人宅の近所にもいて、奥さんに「また来週からしばらく帰ってこなくなる」と紹介されたものだ。
　なんてことはさておき、船員の妻を主人公にする作品である。航海へでた夫の不在から性的な不満に陥る物語で、現実問題としてフィリピンで頻発しているのかどうかは定かでないが、エロティックな要素がウリだから、嬉しいではないか。
　おそらくアンドレア・デル・ロサリオの初主演作と推測するも、正直なところ、それほどアンドレアは美人と思わないし、好みのタイプでもない。ただ「エルウッド・ペレス監督だから、すべてをゆだねてヌードを承諾した」みたいなことをインタビューで語っていて、エルウッドも「鏡に映った正面からの裸を撮るときに、パンティーまで脱いでくれた」とアンドレアの度胸のよさを絶賛するコメントを雑誌に提供しているから、期待できそうとワクワクしたもの。エルウッドの過去の実績がアンドレアに女優のターニング・ポイントを決意させるだけのものかについては異論があるが、水準以上の実力を持っていることは間違いない。
　さて、どんなできになっているかというと…
　始まってすぐに、さっそく波の打ち寄せる海岸で、レアンドロ・ムーニョス演じる夫から全裸で立ってアンドレアが抱かれるシーンがあり、ほどよい大きさのオッパイに、やや水着の日焼け跡がついていて、妙にそそる。お尻は肉感的で、割れかたがよく、早くもカッカ燃えてきそう。
　レアンドロが航海へ出発して、メインのドラマへと入る。以後、アンドレアとレアンドロは手紙のやりとりを続け、その文を朗読するナレーションがずいしょに二人の心理を説明するも、こうした言葉による表現はあまり好きじゃない。
　マリッサ・デルガド演じるレアンドロの母親と田舎町で同居していて、マリッサにはシェリー演じる娘がいる。海岸の高台にはアンドレアとレアンドロの新居を建設中で、ここへアンドレアたちはしょっちゅう差し入れを運んでくるのだが、その中のダニー・ラモス演じるハンサムな労働者をマリッサとシェリーが狙っている。太ったオバサンのマリッサが色ボケの中年後家を好演し、レアンドロからおカネが郵送されてくるとダニーにこづかいを与えるも、ダニーがシェリーと駆け落ちしてしまうサブ・ストーリーが面白い。
　マリッサがダニーとイチャつきたいから、一時的にアンドレアとシェリーをマニラで開かれるセミナーへ追い払おうとすると、シェリーが居残り、アンドレアが一人出席するエイズ予防の集会が次なるステップへのきっかけであり、重要な伏線にもなっている。オカマが口で装着するときのジェスチャーをまじえるなど、ユーモラスにコンドームを使う大切さを語るのだが、チョコレート、オレンジ、ストロベリーなどの味のものを紹介したあと「ほかに欲しい味は？」と質問して、ジョアンヌ・キンタス演じる聞き手の一人が「ドリアン」と答えて笑いをとっている。ウチには以前、タイで買ったドリアン・コンドームが本当にあるぞ、と思うも、それは関係のない話。アンドレアとジョアンヌは、レアンドロの友人であるジョルダン・ヘレラ演じるやはり講演に参加していた男に送ってもらい、このジョルダンがアンドレアにホレて、田舎まで追ってくる展開になる。
　アンドレアが欲求不満な状態なのは、教会の中で祈っているときにふける幻想によって示される。氷を胸にたらし、籐のハンモックの上に素っ裸で寝てレアンドロに抱かれるイメージでアンドレアは、ツヤツヤした肌のオッパイを丸みえにし、濃いめのピンクの乳首がアップになるときに、ピンと立っているのがわかる。乳輪の大きさは、ほぼ理想的。
　レアンドロが録音したテープの声をバックにセックスを思い浮かべるシーンでは、正常位の全裸がビンビンに挑発してくる。
　ララ・ファブレガス演じるアメリカへ行っていたという女性がマリッサの家へ化粧品を持ってきたり、携帯電話をシェリーにうらやましがらせたりしていたのだが、レアンドロの前の恋人だったとの設定。アンドレアにレアンドロはインポだという衝撃の事実を知らせて、新たな展開へと進む。ララはまあまあ美人だし、セミ・ヌード写真も発表しているというのに、ここではまったく肌をあらわにする場面が登場しないままなのが残念。
　最初は建設中の家の近くでジョルダンの姿をみるや、あわてて隠れたアンドレアだが、立ちションするジョルダンのチンポを目の当たりにし、全裸で海へ入って体を洗っているときに、スッポンポンでチンポを両手で隠したジョルダンが迫ってきてつかまるシーンへとつながる。さあというタイミングでジョルダンの携帯にレアンドロから電話が入るも、アンドレアが投げ捨てて、不倫へと突入。海岸で全裸のまま立位でセックスする二人をカメラは濃淡の強い映像でとらえ、ちょっとはっきりみえないぞと不満を感じるながら、片脚をあげたポーズのアンドレアは、普通に撮影していたらオマンコが映っちゃってただろうから、しょうがないかなと納得。テカテカと光ったナマっぽい肌のボディーは、オッパイがポロッとでている大胆さもあって、相当に刺激してくることは確か。
　教会の塔の最上階でねんごろとなるシーンがきて、階段を登ってくるマリッサとララに発見されるぞとのサスペンスを含む中、アンドレアはシャツから乳首をだし、ジョルダンに舌先でペロペロッとなめられる。手で乳房をもまれたあとの、乳首のアップにもドキドキ。
　そのあとが先にふれたエルウッドを感激させた部屋で服を脱いでいくシーンで、鏡の前に立ったアンドレアはシャツをとってブラ兼用のキャミになり、スカートを落としてパンティーをみせたあと、キャミもパラパラッとほどくとオッパイを全開。オッと、これだけでも十分にウハウハなのに、ひょっとしてパンティーもかなと鼻息が荒くなっていると、スルスルッと脚から抜き捨てるや、陰毛がバッチリ。この一糸まとわぬ姿になった瞬間に画面がマルチに処理され、エルウッドの「どうだ」といわんばかりの興奮が伝わってくるよう。
　レアンドロとジョルダンに左右からキスされる妄想を振りきってシャワーを浴びるシーンへと進み、もう、オッパイ、オッパイ、オッパイ、オッパイ、とオッパイのテンコ盛りで、乳房を手でモミモミと洗うしぐさのときにはプラプラと揺れていて、キャーッ、すごすぎちゃうよお。
　いくらタイプじゃないといっても、これほどの過激なボディーをみせられたら、我慢できるわけがない。
　ジョルダンはシェリーにもちょっかいを入れてきて、幻滅したシェリーはダニーとのセックスへ走る。ここは夜に屋外の庭でシェリーが脱がされていく過程をカメラがとらえ、オッパイがベロッと露出するのには、ウヒャーッ、スゲーッ。偶然、目撃したアンドレアの視線である斜めうしろからのアングルで、やや暗いものの、お尻もキュートなカーヴを描いているではないか。はっきりいってシェリーはアンドレアよりもかわいく、個人的にも恋人にしたいくらいなので、全身をペロペロッとなめたいよお。
　シェリーとの一件を怒ったアンドレアに対して、ジョルダンが「愛している」といい訳し、ジープの上で座位のセックスになったのをララにみつかるシーンがはさまれると、またもワンピースからノー・ブラでオッパイがつかみだされ、バストの谷間へキスされるときにアンドレアの乳首がアップで、思わず「まいりましたー」。
　ジョルダンが消え、マリッサと大ゲンカになったアンドレアがマニラへと家出し、ジョアンヌと同居すると、ラストの厳しいオチへと向かうドラマの最終章に入る。マリッサがリチャード・クアン演じる神父を誘惑したり、自分を噛んだアンドレアの愛犬を料理のうえ食べてしまったり、ワキにユニークなエピソードが挿入される点が、なかなかよろしい。
　妊娠したアンドレアはジョアンヌから「コンドームを使わなかったのか」と問われるも、とにかくジョンダンを探しまわり、やっとみつけても子どもを認知してもらえない。しかもジョルダンがエイズと判明して、アンドレアは自殺未遂を起こす。浴槽の中に沈んだ全裸のアンドレアは、これでもかとオッパイをくっきり全開にしていて、どこまでイカせてくれるの。帰国したレアンドロがマリッサにアンドレアの居場所を問いつめ、駆けつけて人工呼吸で助ける。キスしてもエイズは感染しないよ、という暗示か…　でも自暴自棄のアンドレアは酔ってチョロ・エスカーニョ演じる男とちちくり合い、レアンドロを悲しませる。ついに田舎へ戻ってマリッサの前で結婚指輪を投げ捨てて走り去ると、レアンドロがあとを追う。自分たちの家をつくっている絶壁まできて、レアンドロが抱くときワンピースが脱がされ、イヤー、ダメ押し的にオッパイが…　なんというか、予想をはるかに越えて、ここまでオッパイ三昧を堪能させてくれるとは。
　海からギルリー・アルカンタラ演じる自殺したアンドレアの母親の呼ぶ声がファースト・シーンとラスト・シーンで意味深に響くものの、心理描写にグサリと陰を落とすほどの効果をあげていないし、ジョルダンの隔離病棟はリアルだが、エイズへの切りこみかたも中途半端なうえ、船員の妻である必然性も生かしきれていないから、決してホメられた構成とはいいがたいでき。ねっとり感のある撮影も、やや狙ったほどの内容との調和を欠いているので、ひいき目にみても水準に達したか、達しなかったかレヴェルじゃないか。
　ただしアンドレアのオッパイだけは、マジで特筆もの。エロス劇としては、十分に評価できるといえよう。
　イケるなあ。
　なお、ファンであるジョアンヌがロイ・ロドリゴ演じる愛人とセックスするシーンがあり、みたくもないお尻をロイがだしているのに、ジョアンヌはシーツでオッパイをずっと隠したままなので、さすがにサーヴィス不足を指摘せざるをえない。病院へ移ったあとのジョルダンの家に住む娼婦役でジェム・ナヴァロが出演していて、雑誌ではオール・ヌードを披露している女優だけに、脱ぐシチュエーションが欲しかったところ。