ＬＵＭＡＹＯ　ＫＡ　ＭＡＮ　ＳＡ　ＡＫＩＮ
（たとえ私であっても避けていなさい）
　
92年：セイコ・フィルムズ
監督：ローリス・ギリエン
主演：リチャード・ゴメス
　　　 グレッチェン・バレート
　　　 ジョニー・デルガド
　　　 ジェス・ラピッド・ジュニア
　愛し合う恋人たちの運命劇。
　田舎に暮らすリチャード・ゴメスとグレッチェン・バレート演じる男女は将来を誓うのだが、グレッチェンの美貌を貧困脱出の手段と考えるダリア・ラミレス演じる母が交際に反対する。たまたまフィエスタのとき、ジョニー・デルガド演じる有力者がグレッチェンをみそめる。リチャードはロルダン・アキノ演じる地元の顔役ともめて事故からロルダンを殺して逃亡。グレッチェンに何度か手紙を送るも、すべてダリアが焼き捨てる。ベルティン・ラブラ演じる従兄弟の紹介でリチャードがジョニーの部下になり、窮地を救って信頼を得る。ジョニーがリチャードを屋敷へ連れてくると、グレッチェンが妻におさまっている。グレッチェンはジョニーとケンカがちで、しばらく保養地で別居することに決め、なにも知らないジョニーがリチャードをボディー・ガードにつける。
　となれば、あとの展開はおのずと予想がつくもの。オリヴィア・Ｍ・ラマサンの脚本はとくに意表をつく流れもなく、型どおりに進んでいく。冒頭でリチャードがプレゼントしていたネックレスはグレッチェンとの愛のシンボル的な小道具としていかされ、ジョニーが心臓病で興奮の際に注射をうっているのは、しっかりクライマックスに繰り返される。手堅いながらも、おもしろみを欠く構成。グレッチェンがシャーリー・フエンテス演じる友人を訪ね、シャーリーがパーティーでムチャ・クリソストモ演じる従姉妹を連れてきて、ムチャがリチャードに好意を抱いたため、グレッチェンが嫉妬するサブ要素はさして広がらず、ダリアが咳きがちで病気の暗示に続きがないのはイマイチ。それでもバンカーにミスが乗るフィエスタのようすが興味深く、ジョニーが札束を投げ入れてグレッチェンが礼をいうあたりの描写が好奇心をそそり、風俗的な関心を含む。エルニー・サラテ演じる議員を配下におくジョニーが命令を押しつけてエルニーがシクシク泣き、切れたエルニーがジョニーへ殺し屋を差し向けるのは裏社会の暗示としてまずまずかもしれない。ローリス・ギリエンがきっちりとみせるので、とりあえずは退屈を呼ばずにすんでいる。ジョニーに撃たれたグレッチェンが助かったかどうかわからない終わりかたもよい。
　もっとも注目の焦点はグレッチェンのセクシーさだが…　こちらはけっこうイケる。最初のビーチでのデートは服のままで、ミスのドレスはエレガントなタイプになり、ジョニー宅ではガウンをはおるか、スリップ以上に脱がず、リチャードとおしのびのベッドでは露出足らずと挑発が感じられずじまい。ジェス・ラピッド・ジュニア演じるジョニーの腹心がリチャードを殺すことに気がつくプール・サイドでもワンピースの衣装ながら…　湖畔でモーター・ボートに乗るときの赤いビキニの水着がハイレグ・タイプで、オッパイは小さいものの、股間の誘惑がビンビンのパワーを放ってくる。別荘のプールでは青いビキニで水からあがるショットが素晴らしく、揺れる大きなお尻に濡れたパンティーがピタッと貼りつき、割れかたの形がくっきりに浮かびあがる。まさに肉感的なグレッチェンの下半身が映画の魅力を数段高めている。
　あとシャーリーにそそるシチュエーションがなく、ジョニーのディナー客を演じたマヤ・デラ・クエスタとミルナ、シャーリーとムチャの友人を演じたプレシャス・ヒポリトとカレン・ティンボルといった女優陣はいるだけが残念ながら、グレッチェンの色気のみで十分といえる。
　なお男女が腰にボールつけて向かい合い、お互いに前後へ振るゲームがでてくるが、これは一度、やらされた経験があり、ホントにエッチな遊びが好きね。