Ａ　ＬＯＶＥ　ＳＴＯＲＹ
　
07年：ＡＢＳ−ＣＢＮフィルム・プロダクションズ
監督：マリオ・Ｊ・デロス・レイエス
主演：マリセル・ソリアノ
　　　 アガ・ムーラック
　　　 アンジェリカ・パンガニバン
　　　 ダンテ・リヴェロ
　　　 チンチン・グチェレス
　　　 マーク・ヒル
　　　 ボビー・アンドルーズ
　　　 ＴＪ・トリニダッド
　　　 チャリー・ピネダ
　　　 ダイアン・メディナ
　ベタな題名ながらも、純愛ものじゃなく、三角関係のドラマ。
　父のセルジオ（ダンテ・リヴェロ）が妻と不仲で母がいなかったため、不動産会社役員のイアン（アガ・ムーラック）が幸福な結婚生活にあこがれている。水上スキーでケガしたのをきっかけに、女医のジョアンナ（マリセル・ソリアノ）と出会って恋に落ちる。前夫のピーター（マーク・ヒル）との失敗を引きずり、意見のくい違いもあって、なかなかジョアンナが結婚に踏みきれない。それでケンカしたとき、イアンが若い女性とイチャつくのをみかける。フライト・アテンダントのカリン（アンジェリカ・パンガニバン）で、ふたりはイアンが出張した先のマカオで出会い、その場でセックス。でもイアンとカリンにも生活感の相違に気まずい状況が生まれる。やがてカリンが妊娠…、との物語。とくにうどうってことないヴァネッサ・Ｒ・ヴァルデスの脚本を、マリオ・Ｊ・デロス・レイエスが冒険もなく、教科書的に描く。
　イアンとジョアンナの双方の家庭環境がでてきて、交際へ心理的な影響を与える。夫のスティーヴ（ジョン・アルシーリア）が同居するイアンの姉のコンチャ（チン・チン・グチェレス）や、弟のリック（ＴＪトリニダッド）の存在。ジョアンナの弟のマッキー（バロン・ガイズラー）やジェーク（ジェラルド・マドリッド）がプラスに動かず、ジョアンナの兄のヘクトル（バート・ギンゴナ）が親族の結婚式の会場でジョアンナを叱責し、母（アニータ・リンダ）を困らせる。カリンにもイアンとの仲を心配する姉（ジレット・サンディコ）がいる。なんて人物構図を配し、すきがない。イアンに相談相手の友人のロイ（ボビー・アンドルーズ）をおけば、ジョアンナの話し相手の医師（ＲＳ・フランセスコ）がオカマなのがフィリピンっぽい。
　まあ貧困とは無縁な層のロマンスであり、映画は夢を与えるものとの狙いにもとづくのだろう。イアンがビーチに別荘を建てる夢をもっていて、ジョアンナが乗る気じゃなく、完成した別荘にイアンとカリンがすごし、息子が生まれているハッピー・エンド。ロケ先のマカオの観光要素を盛りこんで、娯楽作の役割りをはたしたといえる。
　ジョアンナとピーターが会うのが日本食レストラン（オルティガスの『和（なごみ）』のよう）なのに中流のライフ・スタイルをうかがわせ、ピーターの娘がカナダへいったのがフィリピンの事情をさして興味深い。
　とにかく拍手をおくるのは、女優の魅力開花につきる。まずはジョアンナとカリンがイアンにナイショで会う冒頭で、マリセル・ソリアノが黒パン、アンジェリカ・パンガニバンが紫のドレスなのに視線を奪われ、もしやの期待をいだく。マリセルはいつになく色っぽさを意識し、椅子に座るイアンにまたがって乗るときの短パン、ビーチでバンカーから降りる際にイアンにもちあげられてお尻へくいこむ白パン、二度目の黒パン、水上スキーでケガしたイアンの横でしゃがむかっこうの白短パンのいずれもがそそる。セックス・シーンはオッパイがみえなくても、カリンのことを知ってベッドの上で泣くポーズが最高。パジャマの下をはいていないので太腿があらわに迫り、今にもパンティーがみえそう。まさに熟女のパワー全開といえる。アンジェリカ・パンガニバンは大胆なビキニのグラビアでセクシー路線を打ちだしたあとでは、もっとも素晴らしい内容。イアンとの情事を終えての黒いドレスのジッパーをあげる背中や、空港でのバストの谷間を強調したシャツとジーンズのミニスカがよだれを誘い、ベッドでイアンにまたいで乗るジーンズのミニスカはパンティーがチラつく寸前。妊娠しても豊乳なのでバストの谷間が目だつワンピースを着ている。なかでもウハウハは噴水のプールでイアンとハシャぐ挑発シーンになり、真上からバストをとらえたアングルでブラをはずし、乳首がポロリかと鼻息を荒くさせるばかりか、手ブラであがると別のプールまで走って飛びこみ、ストライプのパンティーがお尻に貼りつき、割れかたの形がくっきりに浮かんでいる。イアンと抱き合いながら泳ぐ真上からのショットもトップレスで、背中向きだからオッパイは隠れるも、お尻の突きだしが絶品。ラストのビーチでもワンピースの胸元をはだけ、アンジェリカに完全悩殺をうける。好みをはずれる容貌が、ここではまったく気にならない。
　ほかにチンチン・グチェレスがガウンででてきたり、コンチャの娘役のチャリー・ピネダやカリンの誕生日パーティーにいる友人役のカルラ・フンフリーズをはじめ、イアンの親族、ジョアンナの親族、ジョアンナの友人、マカオでのカリンの同僚ふたり、プライヴェートのカリンの仲間たち、赤い服のボタンをとめているジョアンナの患者役、アイスクリームを食べる少女（ハイシー・アボロク）の母親役といった脇の女性たちが総じてかわいい。雑誌に大胆なグラビアを発表しているジェイミー・ホアキンのほか、彼女たちを演じるのがダイアン・メディナ、ボニータ・ドナト、リザ・ディーノ、ローズセル・アギラー、ジャンナ・ダンカラン、リリーアン・ニコルス、シェーラ・マリー・ロドリゲス、サイラ・デラ・ペーニャ、アラベリア・ハネシュ、カトリナ・ジョイ・レイエス、マユミ・ルゴッドの誰がどの役か特定できないが、このレヴェルの高さが満足度をあげる。
　やっぱりキュートな女の子をながめるのは、ウキウキ・ドキドキできていいなあ。