ＬＩＳＥＮＳＩＹＡＤＯ
（達人）
　
98年：リーガル・エンターテインメント
監督：ホセ・Ｎ・カレオン
主演：リト・ラピッド
　　　 ゾーレン・レガスピ
　　　 デイジー・レイエス
　　　 チャック・ペレス
　　　 ミシェル・オルテガ
　　　 メリッサ・メンデス
　ハデな銃撃戦のあとに敵をせん滅し、燃えあがる炎をバックに特別警察のメンバーが横一列になって歩く。いかにもハード・アクションのオープニングである。
　実は彼らがやっつけた中にシンジケートのボスの息子がいたため、ボスが私怨からメンバーたちを殺そうとするストーリーは、とくに新しくない。ようはみせかたの作品だなとわかる。
　まずはメリッサ・メンデス演じる妻や、子どもたちの前で一人目が射殺され、続いて二人目もやられ、ボスのアジトをメンバーが逆襲する。このアジトが廃墟なのは、いかにもつぶしますよという狙いがミエミエでイマイチだが、チャック・ペレス演じるメンバーのひとりが吹っ飛ぶ描写はけっこう迫力がある。続くカー・チェイスのすえに、リト・ラピッド演じるメンバーのリーダーがボスを追いつめる部分もなかなかだといえる。
　ゾーレン・レガスピ演じるボスのもう一人の息子が復讐を開始して、いよいよヒート・アップの展開に。いかにもアブなそうな雰囲気をもっているゾーレンは、ちょっとしたハマリ役。リトとの二大スター競演なわけだ。
　とはいえ個人的にみたいのはデイジー・レイエス演じる紅一点の女性警官で、余談のディスコでお尻をさわられてケンカのシーンから「今回も期待してますよ」とかけ声をだしたくなる。あとにある薪を割るうしろ姿のショットでのお尻のアップもだが、ジーンズが意外と似合ってないのがご愛嬌なものの、ゴーグルをつけて射撃練習をするときの銃をかまえた姿など、カッコよさにホレボレ。ゾーレンが雇ったマイク・ガヨソなどが演じる殺し屋たちに、ちょうどリトが訪ねてきたときに自宅を襲撃され、腹を撃たれるも、太腿がギリギリまであらわになっているミニなので、セクシーさに呆然。
　病院からリトが連れだし、藁葺き屋根の地方の民家で養生するようになってからは、ホット・パンツ姿のデイジーの、お腹の傷あとにリトが包帯を貼りかえるシーンがあり、いつ二人の愛撫が挿入されるんだろうな、と気になってしょうがない。しばらくはトビー・アレハル演じるメンバーの一人を、ゾーレンが家族を殺すと脅迫し、彼の裏切りで他のメンバーがやられていく話が繰り広げられるながら、とにかくデイジーのベッド・シーンばかりを心待ちにする。
　ミシェル・オルテガ演じるリトの妹がやってきて、恋人と勘違いしたデイジーが嫉妬する部分のあと、死んだと思ったチャックが生きていて、最初はデイジーとできているごとく紹介されていたチャックが、ミシェルと仲よくなる。着がえシーンでの、ミシェルの下着のうしろ姿がキュート。
　トビーに場所をバラされたため、ここにもマイクたちが襲ってくるのだが、ミシェルをまもってチャックが撃たれるあたりは、ドラマティックにしようとの意図がわかりやすすぎて、イマイチ盛りあがらない。
　殺し屋たちのリストを手に入れたリトが彼らをやっつけ、トビーとも対峙すると、そこへゾーレンがゾロゾロ手下を引き連れてきて、いよいよクライマックスになる。えっ、だとベッド・シーンはないわけ、とも感じるものの、リトのランド・クルーザーとゾーレンたちの複数のジープによるチェイスのアクションは、けっこうやってくれる。道をはずれて草むら、畑と撃ち合いながら走行し、ついには川の中へ入り、流れる水をかきわけ、ゴツゴツとでる石にゆすられ、ぶつかりそうになりながら進む。リトが降りて迫撃砲で三台のジープを吹っ飛ばし、炎をあげて天高く舞いあがるジープなど、よくもまあ、というくらいハデ。
　このあとジャングルの中を徘徊するシーンへつながり、デイジーがタンク・トップのミニだから、もしや、との期待が蘇る。池の中へ入ると、オッ、いよいよかな、とときめきが起こり、ゾーレンが池に飛びこんでデイジーをつかまえ、なな、なんと服をビリビリッと引き裂いたではないか。
　ショットがかわって、リトのアクションが展開すると、それよりもデイジーをみせて、デイジーをみせて…
　ブラもあらわにゾーレンに水の中に顔をつけられ、デイジーは死んでしまう。
　またリトのシーンになって、ミシェルを乗せたまま滝へ落ちていくランド・クルーザーから、ターザンのようにかけつけたリトがミシェルを救うところは『荒武者キートン』を彷彿とさせ、ホントに頑張っている。さらに滝の絶壁から縄につかまって撃ち合うアクロバット技や、肉弾戦でゾーレンをやっつける対決など、それなりに迫力がある。
　ホセ・Ｎ・カレオン監督の技量は、まずまずと評価したい。
　なのだが、どうせデイジーは死んでないんでしょ、早くデイジーをみせてよ、と個人的に頭はそっちのほうばかり。
　水からあがってくるデイジーは、なんでこんなに色っぽいのというくらい魅力的。ブラから乳首がスケていないから、おそらくパットが入っているのだろうが、前かがみのポーズでの胸の谷間にうっとり。
　新味はないものの、いろんな意味で水準に達したＢ級アクション映画である。