（幸福… いのちと同じ価値のもの）
03年：ヴィクトリー・プロダクション／マブハイ・シネマ・プロダクション
監督：バルド・マーロ
主演：ブランド・レガスピ
ディヴィーナ・グラシャ（ディヴィーナ・デル・リオ）
ジョン・アルシーリア
マイク・マガット
ＪＣ・カストロ
レイ・ダン
メリッサ・メンデス
レーイ・ロルダン
アンジェラ・コルテサ
ラヴ・グチェレス
レスリー・バウティスタ
イヴェット・イソン
ボベット・フィエル
ジーン・ポメロ
ブランド・レガスピが主演というだけでＣ級との印象だし、ディヴィーナ・グラシャ（ディヴィーナ・デル・リオが改名）がヒロインとなれば場末の三流作と感じるながら、おもしけろれば文句はない。
ミステリー仕立てのアクションで、ブランド演じるのは幼いころ、母に捨てられた思い出がトラウマになっている男。ジョン・アルシーリア演じる父が懇願するのを聞かず、メリッサ・メンデス演じる母が浮気相手とでていく。それ以来、酒に走った父は体をこわし、歩けなくなって車椅子生活に陥ったのを、ずっとブランドが看病している設定。たまたまディヴィーナ演じる娼婦が足を洗いたがっていて、レーイ・ロルダン演じるボスから弁護士の客を押しつけられたとき、弁護士がベッドで心臓麻痺を起こして亡くなったのでカネを盗んで逃げ、通りかかったブランドに助けを求める。ブランドはアンジェラ・コルテサ演じるディヴィーナの妹をレーイのもとから連れだし、一緒にいる現場をマイク・マガット演じる警官が目撃。アンジェラとキスしようとしたら、突然に母の顔にダブって首を絞め、翌日にアンジェラが死体となって発見される。バーで知り合ったイヴット・イソン演じるホステスの顔も母にうつって首を絞めると、レイ・ダン演じる警官のパトカーにイヴェットが駆けこみ、レイたちがブランドを追っている間に殺される。ここから娼婦の連続殺人が始まる。
とにかく人間関係が無茶苦茶に近く、ブランドの幼なじみのガール・フレンドはレイの妹。「母へ憎しみがある」とブランドがガール・フレンドに告げ、アンジェラ殺しの捜査で「兄が疑っている」とブランドにガール・フレンドが教える。レイが交際の禁止を頼み、あっさり二人が別れるのがヘンなら、マイクがブランドを拘束し、実はホモでブランドに欲望を抱いていたので、取り調べにかこつけて肉体を愛撫が本筋にまったく生きてこない。イヴェットの殺害ではずっとバーからマイクがあとをつけていたにもかからわらず、阻止できなかったのはなぜとの疑問がもたげてくる。
ブランドが犯人じゃないのは最初から明らかだし、幼い子どもをかかえて伯母の家に身をよせていたディヴーナが「妹を殺した」とブランドのもとへ現われ、実はレーイとつるんでいたマイクが二人を襲ってロケット弾を炸裂の銃撃戦に発展。レーイとマイクをファイティングでブランドがやっつけ、駆けつけたレイにすべてを告白の真相が明らかになる回想で、アンジェラが事故だったとは、ならばブランドは先に無実を訴えていればよかったじゃないかとのいい加減さにあきれが走る。イヴェットの死亡時は気絶していたので犯行におよべるはずがなく、あとの事件は知らないとなったあと、別の解決が示される。ＪＣ・カストロ演じる愛人に裏切られてメリッサがジョンのところへ戻ってくるや、突然にジョンが自白を始める。はっきりいってメリッサは原因の発端でこそあれ、一連の殺しには関与がないわけで、なんと必然性を欠くツメと唖然。
もはや犯人当てを楽しむレヴェルではなく、稚拙なストーリーを嘆くのみ。バルド・マーロに知的な構成を期待したほうがバカだった。
もっとも女優が魅力をくれれば作劇の短所をカヴァーできるものだが… ディヴィーナが弁護士とのセックスでオッパイをみせるも、容貌がイマイチだからそそらない。アンジェラ、イヴェットはオッパイをださず、酔ってブランドに「オカマか」とからむブスの娼婦、簡単に殺される娼婦二人、ＪＣがイチャつく新しい女、最後の余談で刺される娼婦、いずれも露出なしでアレレ。ブランドのガール・フレンドは女優名が不明で、セックスの最中に兄が帰宅であわてるベッドでの大胆なオッパイ丸だしのプラプラがすごいが、やはり太めのボディーにパッとしない容貌が減点。でも黒い光沢ミニスカをはく登場シーンが視線を奪い、ビーチで今にもオッパイがこぼれそうな黒い極小ビキニになってガバッと水からあがり、陰毛がはみでる寸前のハイレグ・パンティーで歩いてくる姿に下半身が元気になる。乳首までおがんだあとに水着もないだろうに、好みなので… もっとも一番ハダカになってほしかったのは中年のメリッサといえ、ＪＣとのセックスで服を着たままが残念。初老の立ちんぼに身を落とし、客に「ショートで五百」「お願い、一晩いるから千五百」とせがんで客に去られるときのバストの谷間を思いっきり強調した衣装にカッカ燃えてくる。
結局、お色気要素も満足をくれないＣ級三流作の典型ながら、自分のマイクロ・ビキニ・フェチと熟女好みを再確認した次第。
あーあ。
