ＬＩＢＥＲＡＴＥＤ　２
　
04年：セイコ・フィルムズ
監督：マック・Ｃ・アレハンドレ
主演：ダイアナ・スビリ
　　　 フランシン・プリエト
　　　 クリスチャン・ヴァスケス
　　　 ロデル・ヴェラヨ
　　　 チューズデー・ヴァルガス
　　　 ウィンストン・エリザルデ
　ダイアナ・スビリとフランシン・プリエト主演によるエロティック・ドラマの第二段。今回はずいぶんと軽い内容になっている。
　ダイアナとフランシン演じる年ごろのレディーは親友同士で、セックス大好き。ディスコでナンパしたウィンストン・エリザルデ演じるマッチョとお互いが別々に情事を繰り広げ、ウィンストンがイマイチ勃起しない。今度はクリスチャン・ヴァスケス演じるスポーツマンと出会い、ともに心を奪われる。それぞれ同じ男にホレていると知って、ライヴァル関係に。クリスチャンは一体どっちに気があるのか。
　とのメイン・ストーリーに、ロデル・ヴェラヨ演じる子どもを欲しがるオカマと、チューズデー・ヴァルガス演じる海外就労をめざず女性のサブ・エピソードがからむ。
　不動産販売でかせぐフランシンにはアーチー・ヴェントサとチャンダ・ロメロ演じる両親がいて、フランシンが五歳のときに離婚。タニャ・ゴメス演じる後妻をもらったアーチーが息子の入院などで援助を求めるなら、若い男ができたチャンダがカネをたかる。ダイアナはアニータ・リンダ演じるバーベキュー屋台を営む祖母をもち、アニータがファースト・キスをかわした男性がおじいちゃんになっているのを偶然にみかけ、センティメンタルなムードをつくる。ロデルは公園で野郎をナンパしたら強盗で、とっさに大暴れで撃退。ジーノ・アントニオ演じる警官の手入れをうけると、ジーノがホモだったため、こっそりチンポをしゃぶらされる。アメリカ渡航の許可がおりないチューズデーが、オーストラリア、オランダ、チェコスロヴァキア（既にチェコとスロヴァキアは分離独立しているから、監督のマック・Ｃ・アレハンドレ、脚本のリッキー・リーには現代史や地理の知識がないのか）と行き先を変えていく。フランシンがチューズデーの家を訪ねてみれば、両親、兄弟姉妹、甥姪など二十人以上の大家族が住んでいて、ウルトラ騒がしい。ロデルにゲイの恋人ができると、相手がウィンストンとの皮肉のあと、公園で赤ん坊にオッパイをあげる母親をみて母性本能というか、オカマ本能が刺激され、代理出産で子どもを得ようと決意。メル・キムラ演じる受胎契約の女性を貧民街に訪ねたものの、同性愛者だと追い返される、といった興味深い要素をけっこう含む。
　まだ小学校高学年くらいのフランシンの腹違いの弟は、学校で異性トラブルを起こして教師に呼びだしをくらう。フランシンが車を盗まれる、などの社会問題もでてくる。
　デクスター・ドリア演じるクリスチャンの叔母がＰＣショップを開くクリスチャンの店にきた客の手相をみたり、イネス・ヴェネラション演じる代理母とロデルがセックスすることになってタロット・カードで当たり日を占ってもらったり、ダイアナやフランシンが騒ぐ喫茶店のとなりのテーブルで数人のグループが降霊儀式を実施中で「シーッ」と怒るのがちょっとした風刺。フランシンがプレゼントに贈られたバッグを腹違いの妹に「あげる」とあっさりわたすのが、いかにもモテる女のイメージを与える。各種スポーツで賞をとったクリスチャンにはハイメ・ファブレガス演じる父がいて、すごく厳しかったのだが、交通事故で亡くなったあともクリスチャンに影響をおよぼし、ダイアナやフランシンとの激しいセックスでチンポをマッサージしたり、ソフィア・ヴァルデス演じる恋人とのセックスでインポになったのを悩むとき、背後霊のように現れるのがコメディー要素を加える。イネスが漢方の精力剤（マニラの屋台でよく売られているもの）を飲ませようとすると、ロデルが「ヴァイアグラがいいんじゃないか」とつぶやくのがクスクスできるし、いざベッドで「キャー、キャー」逃げるロデルにイネスが逆レイプのように襲いかかるあたり、けっこう笑いがこみあげる。
　結局、ダイアナとフランシンが同時にクリスチャンの子を妊娠のうえに出産。ダイアナが別の男と結婚で、フランシンがシングルのままクリスチャンのジュニア一号、二号を育てていくオチも、そこそこにウィットが効いている。
　まあ、ダイアナとフランシンが男の視線を読みとり「レズのフリしよう」と抱き合う遊び感覚や、フランシンがクリスチャンの写真を便器にベタベタ貼る愛情表現は、はたしてどこまで乙女心を反映しているのだろうか、これは女じゃないのでよくわからない。ハイメが事故を起こすのが運転中に携帯電話で通話したのが原因なのは、そんなの自業自得だから、まったく同情のかけらも誘わない。チューズデーが「イラクへ行った」との説明は、さすがにわざとらしい意図が目立ってシラけるだけとのマイナス点を含むながら、低レヴェルな嘲笑劇としては、まあまあかもしれない。
　理屈なんて無用だからね。
　とにかく期待の焦点はダイアナとフランシンのヌード対決に尽きる。
　いきなりダイアナが全裸でナンパした男とセックス。ダイアナとフランシンが花びらを浮かべたフロに入る。フランシンが全裸でナンパした男とセックス。ウィンストンとのセックスでフランシンがお尻に手を触らせたあと、チンポをチェックする。ドアを開けた冷蔵庫の前で素っ裸になってもだえ合い、ダイアナも冷蔵庫の前で素っ裸の行為におよんで、二分割した画面が二人のウィンストンとの愛撫を並行でみせる。ダイアナがワインを胸にたらせて誘惑のあと、パンティー一枚でクリスチャンのチンポをチェック。挑発の表情を浮かべ、オーガニズムを求めてセックスを始める。フランシンがパープルのパンティーをお尻に食いこませ、丸みえよりもそそったうえ、クリスチャンに注文の多いセックスを迫る。ダイアナがクリスチャンと全裸で二度目のセックス。フランシンがクリスチャンと全裸で二度目のセックス。とそれぞれ五回にわたる見せ場をとおし、何をおいても毎回モロだしのダイアナのオッパイが圧倒的なパワーで炸裂しまくる。後半は乳首のドアップもいっぱいにでてきて、全体のバランスと乳房の形、肌の質感と張りぐあい、乳首の色と乳輪の大きさなど、まさしく美乳との絶賛を連呼して間違いないもの。ダイアナの理想的なオッパイに比べれば、フランシンのはやや不自然な巨乳だし、乳首のつく位置が高めなうえ、じゃっかんタレてきた印象もあって、さすがに評価が落ちる。弟の学校へ行くときの谷間を強調した衣装で乳房を少し包んでいたほうが堂々の全開よりも魅力的なくらい。でもフランシンのほうが美人だけに、一長一短。
　いや、ダイアナだってカワイコちゃんに入ることを考えると、千人に一人クラスの美乳により、やっぱりダイアナの勝ちか。
　主役二人のほかでは、ゲスト出演のイネスがパンティー一枚でロデルを追いまわし、全裸じゃないのが惜しいながら、相変わらずの崩れないオッパイをたっぷりと披露してくれる。こちらも個人的に好みの美乳。同じくソフィアは小さめのオッパイをバッチリ堪能が嬉しいものの、ダイアナやイネスがいると、どうしても形がイマイチに感じる。
　クリスチャンが混浴する二人の女性は名前が不明で、乳首の露出にいたっていない。フランシンの妹を演じる女優は、あと二、三年後が楽しみな感じ。フランシンの弟ともめる被害者の生徒と母役は、親子丼にちょうどいいかなと思わせる。ちょっと待った、娘のほうはまだ幼すぎるかな（あんたは変態か！＝姉妹丼はあるけど、親子丼はまだ経験がないもので…）。クリスチャンの新しい恋人役にハスミン・コリンズがチラリと顔をだしていて、もう、まったく、実にチャーミングなのに、もっと活躍の場がほしかった。
　クリスチャンやウィントンの全裸がやたら登場し、ロデルとウィンストンの花びら風呂でのイチャつきまで撮るのは、ホモ・ファンや女性ファンへのサーヴィスだろう。気持ち悪いけど…
　百点満点のダイアナのオッパイもあって、エロス面では第一級のできといえそうだ。