ＫＵＬＡＮＧ　ＫＡ　ＬＡＮＧ　ＳＡ　ＬＡＭＢＩＮＧ
（ただ一つあなたに足りないのはやさしさ）
　
97年：カラ・フィルムズ・インターナショナル
監督：ルーベン・Ｓ・アバロス
主演：サブリナ・Ｍ
　　　 ロイ・ロドリゴ
　　　 イザベル・レイエス
　　　 アルマ・ソリアノ
　　　 アイラ・マリー
　　　 リト・レガスピ
　　　 ミゲル・モレノ
　　　 ヘーゼル・エスピノサ
　　　 ポチョロ・モンテス
　　　 ダニー・ラブラ
　　　 ボビー・ベニテス
　　　 ジョー・ジャルディ
　女性捜査官による潜入捜査ものとくれば、セクシー・サスペンスをイメージする。実際にこの作品は、ちゃんと期待に応えてくれるのだが、プレイ・メイトなどの出演によるハリウッド製のものと比べると、どうひいきめにみてもやぼったい。ハリウッド製のものが水着シーンやヌード・シーンなど、ビートのきいた音楽をバックにＭＴＶのごとき洗練されたイメージの映像をみせてくれるのに対し、この作品では冒頭のセクシー・ダンス・シーンからして、音楽がぶつ切れになった編集が平気なようで、ルーベン・Ｓ・アバロス監督にセンスを求めるほうが無理なのだろう。それにサブリナ・Ｍ、イザベル・レイエス、アルマ・ソリアノ、エリカ・ダヴァンテス（ヘーゼル・エスピノサの改名前）の女優陣に場末感がただよい、はっきりいってダサい。
　もっともこのダサさがフィリピンぽいわけで、好みの問題もあって、なかなかいいじゃないかと思う。ようは洗練さなど初めからないと割りきることだ。
　それにしてもサブリナ、イザベル、アルマ、エリカの四人は、これでもかのヌード競演をくり広げる。中でも主演のサブリナ・Ｍは、決してムードのある女優とはいえないが、ちょっと情けない顔つきにそそる要素がある。シャワー・シーンで太めの全身を洗うときなど、ポッと下っ腹がでているのがバレるも、ボディーのヴォリュームある肉づきが迫力もの。Ｔバック下着や白いビキニになるシーンでは、オッパイやお尻がはじけそうに包まれていて、全裸よりも刺激的だと思わせる。
　物語はアルマ・ソリアノ演じるＧ．Ｒ．Ｏ．がディスコ・パブのステージで、スケスケ・パンティーのお尻をみせながら挑発的に踊るところから始まり、シーンが変わって川から死体があがると、彼女が全裸でオッパイをだしながら死んでいる。アルマは回想シーンの中でみせる黒いビキニ姿もけっこうキュート。
　このあとサブリナが警察の取り締まり現場にいて、彼女がニュースのレポーターであるとわかる。実はアルマは妹で、自らがＧ．Ｒ．Ｏ．となって犯人を探る流れにつながる。
　サブリナはロイ・ロドリゴが演じる警官にときめきを感じているのだが、彼はイザベル・レイエス演じる夜の女とできている。何度かロイの捜査現場へ同行すると、その現場での様子がユーモラスに描かれる。とくに立てこもり犯のところへ乗りこんでサブリナが人質にとられるエピソードでは、全裸にむかれて椅子にロープで縛られ、アッと驚かせてくれる。ロープがオッパイの谷間や周囲に食いこみ、下では陰毛が丸みえのかっこう。強行突破のロイに犯人が殴られるや、彼女の股間に顔を埋めるように倒れこむ。サブリナのちょっと下品なセクシー・アピールが全開といえる。ロイが彼女のスカートをまくりあげ、黒いパンティーのお尻をせっかんするシーンも妙な色気があり、やってくれる。
　当然、二人は結ばれ、あとにはビリヤード台の上に乗って全裸でセックスのシーンが用意されているのだが…
　イザベラはロイとのセックス・シーンにおいて、お互い全裸でピッタリと腰をくっつかせながらもだえ、本当に挿入しているのではと想像させるごとき動きをみせる。イクときの表情もよく、それほど美人ではないが、意地悪っぽい感じの魅力があって、かなりの悩殺をくれる。彼女はチンピラにからまれているところをミゲル・モレノ演じるロイの同僚に救われ、そのあと二人が海岸へ行くと全裸でたわむれるシーンを展開し、ここもなかなか楽しめる。ただイザベラはスリムなものの、プロポーションがバツグンとまでいかないのが残念。
　ところでセックス・シーンでは、いずれもロイとミゲルの裸がサブリナやイザベラと同じくらい露出され、やめてくれという感じだが、女性ファンへのサーヴィスだろう。
　エリカ・ダヴァンテスはサブリナのルームメイトのＧ．Ｒ．Ｏ．を演じていて、やはりシャワー・シーンで全身をたっぷりとみせる。欲をいえば、もっとなめるような感覚で撮ってほしかったが…　オッパイはまずまずなものの、お尻の形はイマイチ。エリカは濃いめのまずまずな美人なだけに、みんな一長一短という感じ。ただサブリナがうっかりとのぞいてまうセックス・シーンでは、エリカがベッドであお向けに寝転び、陰毛を大胆に全開で、けっこうよろしい。
　Ｇ．Ｒ．Ｏ．となったサブリナと、店のひな壇でのエリカとのやりとりが面白い。店にロイとミゲルが客としてやってくるところへ遭遇し、ドリンクをいっぱいたかるエピソードも笑わせる。いやらしい客のドリンクに睡眠薬を入れ、眠らせるエピソードも…
　結局、あやしい人物があらわれるながら、事件はあっさりと解決をむかえる。一応、サブリナが犯人をホテルへ誘いだすシーンで、睡眠薬を入れたグラスをすりかえられて自らが眠ってしまい、パンティ一枚にむかれてベッドに縛られるサスペンスはあるものの、もう一つ盛りあげに乏しい。オトリとなっているサブリナがプールで犯人から水着のお尻にキスされるところをみて、陰で見張っているロイがイライラのコメディー描写のほうが楽しいのでは困ってしまう。
　まあ、ストーリーで引っ張ってくれないものの、場末のセクシーさを満喫できれば、それでよいということか。
　なお犠牲者の妹で孤児となった少女を演じる新人のアイラ・マリーが、まだ子どもでもけっこうかわいく、今後の成長が楽しみになる。