ＫＵＬＡＮＧ　ＳＡ　ＩＮＩＴ　ＫＵＬＡＮＧ　ＳＡ　ＬＡＭＩＧ
（熱さが足らない　冷たさが足らない）
　
　年：アラムノス・フィルムズ
監督：ダニー・Ｌ・シアルシタ
主演：リザ・ロレナ
　　　 ピンキー・デ・レオン
　　　 ロサンナ・オルティス
　　　 タニャ・ゴメス
　　　 エディー・ガルシア
　　　 ジョージ・エストレガン
　リザ・ロレナとピンキー・デ・レオンの若かりし頃のセクシーさを確認できる作品。
　エディー・ガルシア演じる貧乏な男が、ジョージ・エストレガンなどが演じる野郎どもからボコボコにされる。娘との交際に反対するアニータ・リンダ演じる母のさしがね。数年がたち、カネのない不運を呪うエディーが銀行につとめ、オーナーの娘と結婚すればマネージャーになれると恋人のリザに話す。ピンキー・デ・レオン演じるオーナーの姪はロサンナ・オルティス演じる女性とレズ関係で、その事実を知ったロサンナの夫のジョージが驚く。ある日、ピンキーがならずものたちに襲われて妊娠。世間体を気にする伯父がエディーを呼び、契約結婚を持ちかける。セックスレスの条件を飲んだエディーが承知して、念願のマネージャーの地位につく。リザは事情を聞くも、ショックで自殺未遂をはかり、ジョニー・ヴィカール演じるタクシー運転手に救われる。交通事故を起こしたピンキーが流産し、役目が終わったとエディーがリザのもとへ帰ると、リザが反発する。いつしかエディーを愛していたピンキーは、ロサンナの嫉妬をはねのける。探偵を雇って証拠をつかんだジョージが迫るのを拒むロサンナだが、強引なセックスをうけて、満足感にやさしく変わる。ピンキーとエディーが復活に、伯父の知人のアニータがエディーの過去をピンキーに話す。ピンキーがリザを訪ね、リザはジョニーとの愛をとり、ルシタ・ソリアノ演じるジョニーの妻が怒鳴りこんでくる危機一髪で、かえって二人の仲が深まる。タニャ・ゴメス演じるアニータの娘が母に反抗してエディーをホテルへ招き、アニータがエディーを銃で撃つ。ロサンナの未練を振りきったピンキーがタニャに会い、タニャがアメリカ行きを決めて、車椅子生活になったエディーをピンキーが介護する。
　安手のドラマはゲスト出演で顔もだす俳優のクロイド・ロビンソンのストーリーにもとづく監督のダニー・シアルシタによる脚本で、凡庸な語り口ともども、とくに注目点はみられない。リザがはっぴをはおっているところに日本趣味がうかがえるとはいえ、音楽に大野雄二の『犬神家の一族』を使って、さすがにもとを知るものにはシラける。
　やはりみどころはリザとピンキーに尽きて、リザはベッドでストッキングを脱ぐポーズ、寝転んでエディーにお尻をなでられるかっこう、ジョニーに助けられたあと、シーツをかけて横になるパンティー一枚に浮かぶヒップライン、シャツを着る際のノー・ブラの胸元のあやうさ、ジョギングにおけるランニング・パンツから伸びる脚、部屋でのネグリジェ姿とそそり、大胆さにはほど遠いながら、プールで水からあがって、濡れたワンピース水着に太めのヒップをくねらせるのが色っぽい。入水自殺で服がスケないあたりに不満を残す。ピンキーはロサンナに脚をなでられるところに始まり、スケベどもがのぞくプールでワンピース水着が濡れる。ロサンナにお尻をさわられてゾクゾクッとくる興奮を呼び、屋外シャワーを浴びて、さらに水着をピタピタにフィットさせる。レイプは川の中になり、ワンピースのスカートがまくれて濡れた貼りつきパンティーがみえるのにカッカ燃える。部屋での下着はブラの谷間が挑発的。エディーと再会のビーチはビキニでうつ伏せに、仰向けに寝て、ビキニ水着のパンティーにヒップラインが浮かび、ブラの紐をいったんほどく。妊娠を告げる乗馬場で、乗馬服じゃない点が惜しい。あとロサンナは女性たちにマッサージをうける着衣や、ジョージといる室内におけるネグリジェがまずまずよく、プール・サイドへくるとき水着にならないも、タイトにしまった黒パンがかっこいい。タニャはバス・タオルを巻いたボディーのバストが乳首のこぼれる寸前なのに視線を奪う。
　なおリザ、ピンキー、ロサンナ、タニャの名前がクレジットから欠落しているのは、現存プリントが不完全なせいだろうか。