ＫＲＩＳＥＬＤＡ　　ＳＡＢＩＫ　ＳＡ’ＹＯ
（クリセルダ　あなたへの激しい思い）
　
97年：カナリー・フィルムズ
監督：アボ・デラ・クルース
主演：ララ・モレナ
　　　 トントン・グチェレス
　　　 エミリオ・ガルシア
　　　 アントニー・コルテス
　　　 セリーナ・コルテス
　　　 アイリーン・アンヘレス
　　　 デンショ・パディーリア
　女性をめぐる嫉妬劇だが、男を惑わせる魅力的な主人公を演じるのがララ・モレナだから、かなり説得力を欠く。もっと美人をつかわなきゃ、なんてあきれるわけで、これじゃ前提からして総崩れ。
　でも好みじゃないまでもララはたっぷりとヌードを披露し、とりあえずは嬉しい作品だ。
　まずオレンジ農園が舞台になっていて、収穫風景など、けっこう好奇心をそそる描写。ポチョロ・モンテスがここのオーナーで、トントン・グチェレスとエミリオ・ガルシア演じる二人の息子がいる。ルズ・ヴァルデス演じる雇い人の姪がララで、エミリオに夢中。でもエミリオはセリーナ・コルテス演じる恋人とラヴラヴ、との人間関係。ディディン・アンドレス演じるルズの友人の紹介でマニラへでたララは、エヴァンジェリン・パスクアル演じるオーナーのソーセージ工場へ就職し、アントニー・コルテス演じるエヴァンジェリンの弟がララをみそめる。エヴァンジェリンはレストランも経営し、ララをウェイトレスに抜擢。そのためのテーブル講習のシーンがまた好奇心をそそる。アントニーとララをエヴェンジェリンも応援でララをパーティーへ連れて行くのだが、その会場へエミリオがきていて…
　とはたしてララはアントニーとエミリオのどちらと結ばれるのか、がラストへの盛りあげにつながるわけだ。
　ポチョロが倒れて意識不明になり、トントンが経営に乗りだしてくるあたりからちょっと『麗しのサブリナ』を連想したが、全然違っていた。エミリオが「オレンジ農場は自分がやる」といって農作業するなど、ただのプレイボーイではなく、けっこうイイ奴なのが好感を抱かせる点。フラれるセリーナが意地悪のようでいて、涙で引きさがるなど、基本的に悪人を一人も登場させない構成は、アボ・Ｑ・デラ・クルース監督など、スタッフの眼差しに対して素直に共感。
　デンショ・パディーリア演じる使用人がポチョロを見舞ったときにポチョロが一時的に目ざめ、ギルリー・アルカンタラ演じる看護婦がデンショにララも自分の娘だとポチョロがいったと伝えたから大騒ぎに。トントンはスキャンダルだとあわて、エミリオとは兄弟ゲンカへと発展し、自分がいるとまずいと判断したララは…
　でくだらないながらも、ストーリーはよく引っぱったと評価できるだろう。水準とまではいかないが、最低線はクリアした感じか。
　物語よりも、見せ場はセクシー・シーンなのはいうまでもない。とにかく全編にこれでもかとララがボディーを披露してくれて、実に嬉しい限り。オレンジの収穫の際のオッパイがこぼれでそうな白いシャツや、トントンと食事するときに、トントンがドキッとする胸元のあいたドレス、アントニーと一緒にマニラから帰ってきたときの下半身にピタッとフィットしたオレンジ色のビニール素材のピタパンなど、着たままでも挑発的なララだが、脱ぐとさすがに圧巻。マニラの寮で着がえるシーンでのパンティー一枚の姿や、エヴァンジェリンにパーティーのドレスをもらって試着していると、偶然アントニーがのぞいてしまう際のオッパイ・ポロリなどかわいい露出から、寮の浴室でオッパイにオレンジをすりつけるシーンでの乳首のドアップなど、思わずスゲーッ、と声がでそう。エリミオが隠れて目撃する滝での水浴びでは、白いボディ・スーツの下着からオッパイが完全スケスケ状態なだけでなく、陰毛も浮きあがっているではないか。ララはちょっとモリマンなのもうかがえて、キャーッ、イカされちゃうよう。小屋でエミリオとセックスになると、またもやモロだしの乳首がドアップに。
　はっきりいって、素晴らしすぎる。
　もっともララは先に述べたようにタイプじゃないのが減点で、それを補ってあまりあるのがセリーナ。けっこう美人なうえ、やはりビンビンに挑発してくれるじゃないか。最初にエミリオと川で戯れるシーンでは、ほとんどスケそうな白いビキニからヒップラインがくっきりに。ララがパンティーをちらつかせて木に登り、二階でエミリオとセックスをのぞく場面になって、白いレースの下着からセリーナはブラがズレ、あっ、乳首が…　女性上位の位置でブラをはずすと、パンティーが食いこみ、なんとおいしそうなプロポーションなの。二回目のセックス終わりで、パンティーをはいたお尻のアップから服を着る動きもそそる。
　セリーナにチュッ、チュッ、チュッ。
　あとララの友人役でアイリーン・アンヘレスが出演し、ララと一緒にオレンジでオッパイをもんで果汁マッサージするシーンがあり、上半身全部脱いでるのに、半分に切ったオレンジを手でブラのように乳房に当てているため、乳首のみえないのが残念だった。
　これら女優陣の頑張りで、一応は水準の完成度だと底あげ採点したい。