“ＫＯＮＴＲＯＢＥＲＳＹＡＬ”
（問題発言者）
　
81年：ピーター・Ｌ・ガン／フォー・シースンズ・フィルムズ
監督：リノ・ブロッカ
主演：フィリップ・サルヴァドル
　　　 チャロ・サントス
　　　 ジーナ・アラハル
　　　 エディー・ガルシア
　　　 レス・コルテス
　　　 ジョー・ファブレガス（ハイメ・ファブレガス）
　　　 アリストロ・レイエス・ジュニア
　　　 ソクシー・トパショ
　　　 アーミー・オーストリア
　映画界の内幕を描く作品で、とにかくジーナ・アラハルとチャロ・サントスの魅力でみせる。
　女流映画監督のマース（チャロ・サントス）は恋人であるプロダクション・マネージャーのアライン（フィリップ・サルヴァドル）とボールド作、つまりセクシーな内容の映画制作を手がけ、カルラ（アーミー・オーストリア）というスターを生むが、ＴＶ番組での嫌味な発言でみきる。それで貧民街でテレサ（ジーナ・アラハル）をスカウトし、ヌードが主体の内容なのにテレサの婚約者が心配するも、カネにひかれてテレサが引きうけ、中堅俳優のマウロ（エディー・ガルシア）の共演でデビューを企画。なかなかカメラに向かって脱げないのをマースが怒り、マウロの誘導で大胆になり、カリーナと芸名をえたテレサが一気にスターへのぼる。マウロがカリーナにホレて出番のないシーンまでも心配で撮影現場へ顔をだし、家族と新しい家に住むカリーナのところへ訪ねてきた婚約者をアラインが追いはらう。薬を服用で荒れたカリーナに困ったマースは、アラインにカリーナを犯させる。カリーナが妊娠で闇の医者（メンゲー・コバルビアス）によって堕胎を強いると、アラインがカリーナへ本気になったうえ、いよいよカリーナがワガママなのにいらだち、俳優のエディー（レス・コルテス）を使ってカリーナの本番セックス・ヴィデオを撮るや、アラインにみせて嫉妬をあおる。ついに自殺未遂の騒動が起きて…
　と、トニー・ペレスの脚本は、同種のパターンをおさえた標準レヴェルながら、よくリノ・ブロッカの演出がみせかたを心得る。
　さっそく編集中のフィルムの中やラッシュの試写によるフィルムの中で特別出演のアーミー・オーストリアがベリー・ダンスをくり広げ、大胆な衣装で視線をひきつける。アラインとセックスでマースがベッドから素っ裸で立ちあがり、チャロ・サントスのお尻が丸みえなのに仰天。あとでテレサののぞくアラインとのセックスでもチャロはお尻がモロの全裸だから、ビンビン必至の興奮なれど、ふきかえ疑惑が起きて、本当にチャロのお尻かに疑問符が残る。でもアラインとうまくいかないセックスでのシーツを胸にあてたボディーにお尻の割れ目がのぞく寸前が誘惑的なうえ、演出中の白パン姿が色っぽく、チャロの魅力がムンムンと伝わってくる。
　もうジーナ・アラハルはビンビン程度でおさまらず、思わずピューッと発射が我慢できないまでの快感をくれる。オカマのカメラマンによる宣材用のスティル撮影で素っ裸になり、肝心の部分を小さな布や小道具で隠している。マウロとの撮影はイマイチの露出だが、ラッシュの試写によるフィルムの中で背中を全開にだし、ガウンをはおる室内でパンティー一枚のうしろ姿をみせる。パンツ一丁の男とスリップ下着で風呂に入っていると、マウロがきて男を殴る撮影において、風呂からひっぱりあげられるや、濡れたスリップをマウロにビリッとはがれ、真横からとらえた素っ裸でオッパイに腕をおくも、お尻が完全にあらわ。さらにパンツの男との愛撫の撮影でスリップ姿がそそる。女性の使用人（イヴリン・ヴァルガス）にマッサージをうけるかっこうは、うつ伏せに寝た背中までだし、アラインのレイプにセックス描写がなく、ボディーにバスタオルを巻いてベッドで泣くのみでも、エディーと撮影のレイプのシーンのラッシュ上映に続き、フィルムの中で白いスリップが濡れていくのに全視神経を奪われる。マースが仕組んだ本番ヴィデオ撮影では三人の男になぶりもののあと、エディーと二人にかわってシャワーで全裸にむかれ、立位のセックスでお尻をバッチリのすっぽんぽん。アラインがながめるモニターの中ではレス・コルテスのお尻のほうがアヌスのみえそうなのにゲーッながら、ジーナの魅惑のボディーについつい右手が動く。また婚約者へ指輪を投げつける自宅のプールサイドで紫のワンピース水着がキュートのみならず、ビキニの女性がプールへ投げこまれる撮影でもワンピース水着であらわれ、男優とポーズをとる二度目のスティル撮影で白いワンピースと赤いワンピースの二タイプの水着がムズムズと挑発など、水着姿も絶賛にあたいする。ＴＶ番組に主演で問題発言のときの、黒い光沢のタイツのような下半身に貼りつくパンツもマジで好み。確かにチャロ同様、ジーナもお尻がはっきりのショットはふきかえの可能性を含むとはいえ、最初のスティル撮影ではお尻の割れ目のチョロりがすばらしく、この半ケツが実においしいおかずになる。
　カリーナのセミ・ヌードのパネルの横に鏡がかかり、そこにマースの顔がうつる構図の画面づくりは、さすがにあざやかなリノ・ブリッカの映像センス。
　演技的にはタバコを吸ったりや、メイクのしぐさでスレたのをあらわすジーナに拍手を惜しまず、チャロのごう慢なキャラぶりも納得で、演技とヌードの両方を踏まえ、ジーナ・アラハルとチャロ・サントスの代表作にあげる。
　なおカリーナの初主演作の完成披露試写会場へあらわれるスターとして、ノラ・オーノル、ベンボル・ロコ、スヌーキー・セルナ、ラウル・アラゴン、パキト・ディアス、トントン・グチェレス、デーヴ・ブロデットがゲストで顔をだし、司会役でヘルマン・モレノが特別主演。ほかにデニス・ロルダン、インダイ・バディダイがゲストになる。劇中で何度か“シー・トゥルー”との題名の芸能情報ショーが登場するが、実際にあったＴＶ番組かは不明。