ＫＩＬＩＴＩ
（くすくす笑いの起きる気持ち）
　
97年：セイコ・フィルムズ
監督：マウロ・ジア・サモンテ
主演：レアンドロ・バルデモール
　　　 ナターシャ・レデスマ
　　　 アントン・ベルナルド
　　　 イザベル・レイエス
　　　 ロイ・ロドリゴ
　　　 ジーナ・パレニョ
　　　 デンショ・パディーリア
　どうでもいいような映画だなあ、と最初にいってしまえば、身も蓋もないか。
　レアンドロ・バルデモール演じる知恵遅れの青年が主人公で、図体は一人前なのに、頭は小学生以下。ジーナ・パレニョ演じる母親が大金持ち、との設定からしていかにもフィクション。しかもレアンドロは心から笑ったことがないのだが、たまたま漁村へ行ったとき、ナターシャ・レデスマ演じる海女のお尻にあるホクロをみてお腹をかかえる。ジーナが百万ペソという礼金をだすから、レアンドロが笑う習慣を覚えるまで一緒に住んでほしいと頼む、との物語。ちゃんとチンポは勃起するから、ナターシャが妊娠におよべば自分の子どもじゃないとわかり、アントン・ベルナルド演じるナターシャの夫が堕胎を強要して…
　なんて展開で、愛情とは相手を所有する行為ではなく、純粋にお互いをいたわり合う気持ちである的なテーマは、一応、盛りこんでいる。
　とにかく最初に知的障害者の施設が登場し、本物の知恵遅れたちがでてくるため、その子たちの表情に比べてレアンドロがいくら頑張っても演技の範ちゅうをでず、完全になりきれない難しさのバレバレなのが厳しい点。山田典吾の『裸の大将放浪記　−山下清物語−』のように、障害のある子どもたちの表情をイキイキととらえ、さあどうです、すごく無垢な美しさを持ってるじゃないですか、といった主張をつきつけてくるわけでなく、興味本位なのもイマイチ。
　また、いったんナターシャがさすがにレアンドロのバカさ加減への怒りから帰ってしまい、レアンドロが家出でナターシャの村へ行こうする冒険過程のエピソードがタルい。ジーナが賞金をかけたので、つかまえようとする連中との追いかけ合いをプラスも、いつまでやってるんだよ、とのイライラ感がつのってくる。マウロ・ジア・サモンテ監督は、著しい演出力不足じゃないか。
　ホント、どうでもいいぞ、と感じるのみ。
　それでもアントンがナターシャのオマンコに錐のようなものを刺しこむという非人間的な方法で流産させようするとき、はたして駆けつけたレアンドロが阻止に間に合うかのクライマックスは、とりあえずハラハラ・ドキドキを伴うので、まあまあ手腕を発揮したようだ。
　もっとも興味の焦点はセクシーな要素につき、そこはナターシャ、ちゃんとみせてくれるのが嬉しい。アントンとのセックス・シーンではオッパイが隠れているものの、陰毛がチラッ。赤ん坊へお乳をあげるラストでは、乳首に口を押しつけているではないか。ヌード以外もけっこうそそり、スケスケ・ワンピースからのぞく白いパンティーや、突然の雨に濡れてスカートに白いパンティーが貼りつくスタイル、海岸でアントンに抱きあげられるとき、ミニスカのワンピースからめくれでる赤いパンティーなど、いずれもゾクゾク感をあおる。
　ただしナターシャは好みのタイプじゃないから、納得のいくまで興奮しきれないのは事実で、その不満を補ってあまりあるのがイザベル・レイエス。玉の輿に乗りたがっている女の役で、ロイ・ロドリゴ演じるジーナの運転手がボンボンのフリをしたため、こいつだとデートするも、準備のおめかしのときにシャワーを浴びる。レースのカーテン越しにお尻を突きだすショットから入り、部屋でバス・タオルをほどいてパンティーをはくや、もうみごとな素っ裸のボディー。容貌的にはちょっとお願いしたい程度のレヴェルながら、ナターシャよりはキュートだし、なんといってもプロポーションがパーフェクトに近い。ちなみにとなりで化粧中の同室の女が、ほんの少しだけど、かわいいかな。ロイと田舎で釣りをするときのピチッとした短パンも色っぽいし、屋外セックスではオッパイがあらわになって、うーん、おいしそう。さらに驚嘆なのは、レアンドロのおもりを引き受け、オモチャのようにボディーをもてあそばれるシーン。形のよいオッパイを堂々とみせるだけでなく、ベッドでスカートをまくられると紐パンティーがでてきて、それを脱がされるときの半ケツがビンビンに刺激をくれる。レアンドロがパンティーをビリビリと引き裂き始め、紐だけの部分をゴムちゅうのようにしてピチピチぶつけてくる流れで、キャーッ、痛い、やめて、と逃げるイザベルは全裸。陰毛まで明らかで、こりゃあ、我慢できない。しかもナターシャが去ったあと、もう一回、偽のほくろをつけてレアンドロに取り入ろうとするシチュエーションが用意され、白いワンピースからパンティーがスケているだけでなく、乳首も微妙に浮きあがった衣装が丸みえと同じくらいに挑発的。
　あー、もう、イザベル、素晴らしいじゃないか。
　なお、レアンドロにオシッコをもらしたからジーナにパンツを脱がされ、お尻にパタパタッとパウダーをかけられるシーンや、ナターシャから全裸にされておしめをつけてもらうシーンがあるのは、おいしい役かな、なんて思ったりして（あんたは変態か!?）