ＫＡＴＡＷＡＮ　ＭＯ…　ＬＡＮＧＩＴ　ＫＯ
〔ＫＡＭＡＮＤＡＧ　ＮＩ　ＭＡＲＧＡＲＩＴＡ　ＳＥＲＩＡＬＩＺＥＤ　ＮＩ　ＰＩＬＩＰＩＮＯ　ＫＯＭＩＫＳ　ＢＹ　ＲＯＤ　ＳＡＮＴＩＡＧＯ〕
（あなたの肉体…　私の空　　ロッド・サンチャゴ作の連載フィリピン・コミック　マルガリータの毒）
　
02年：レドシネマ／アライアンゼ・フィルムズ
監督：ローランド・レデスマ
主演：ピアール・ミラソル
　　　 アルヴィン・アンソン
　　　 マイク・マガット
　　 　カミール・ロハス
　　 　アイラ・ルナ
　　　 レーイ・ロルダン
　　　 ジェス・サンチェス
　　　 レイダン・レデスマ
　ローランド・レデスマがおなじみロンブロン島のローク市でロケした作品。ヤム・レデスマの主題歌で始まるのがいつもの通りで、みる前から駄作の烙印を押してしまう。
　実際、困ったことに予想したままなのだが…
　ピアール・ミラソルがストリップ・ダンサーを演じるとあっては見逃せない。
　と鼻息荒く、かすかな期待を抱いたのだが、むなしくも散る結果。三回もステージ・シーンがあるにもかかわらず、どれもダラダラと長いだけ。赤と黒のボディコン・ミニで登場する一回目は、ライトが当たるとハイレグ紐パンがスケているのがウハウハなものの、さあ脱ぐぞ、脱ぐぞと盛りあげておいて、まだか、まだかとイライラさせたうえ、結局、脱がないままに終わり。オイオイオイ。二回目はお尻をクネクネするポーズなどをとるのが挑発的ながらも、衣装が普通のミニスカだから、それほどそそる要素が少ない。こんなのダラダラみせるなっちゅうの。三回目は水色のスケスケのワンピースで登場し、オッとやってくれそうとビンビンに興奮するも、Ｔバックが浮かびあがっているお尻を突きだすショットは遠いし、やっと近づいてきたぞと思ったら万華鏡のような画面になって、余計な小細工を入れるなっ、とムカムカ。
　あとヘソだしのジーンズのホット・パンツで昼間に玄関先で踊るシーンがあるも、衣装に食いこんでいないからセクシーさが足りない。
　こりゃヒデー、とむなしくなるのみ。
　セクシー・スターのカミール・ロハスが共演していて、こちらもヘソだしジーンズのホット・パンツで踊るシーンがあり、真下からのアングルのショットなどを加えているのだが、ブスなせいもあって、くどいぞー、という印象。
　ストーリーのほうは原作者のロッド・サンチャゴが脚本を書いているから、少しはましかなと予想したのだが、能なし監督の前では焼け石に水か？　マイク・マガット演じるバーのオーナーがピアールを愛人にしている。レーイ・ロルダン演じる警察のボスもピアールにほれている。ジェス・サンチェス演じるならずものは、ピアールをめぐって暴れる。しかもアルヴィン・アンソン演じる純粋な漁師もピアールに夢中になっているという設定。マイクがヴァイオレンス野郎で、ボロボロにされたピアールが自殺まで試みてアルヴィンに助けられるエピソードは、およそ説得性というものが欠落している。マイクがカミール演じるバーの女にも手をだし、ナイフで脅して強引にレイプしようとするも、反対に刺されてしまう展開もパターン通り。ピアールの尽力でカミールは無罪となって島を去るのだが、ピアールがアルヴィンと結ばれる前にレーイがアルヴィンを殺しにやってきて、レイダン・レデスマ演じる頭の弱いアルヴィンの親友と相打ちになるあたりは、どうしてこう血生臭い要素を持ちこむの、と著しく感心しない。コメディー・リリーフであるはずのレイダンを犠牲にする必要性があるのか、と問いただしたくなる。アルヴィンと家庭を築いたピアールのところへジェスが襲ってくるラストにいたっては、機関銃はぶっ放すし、手榴弾は投げるしで、そうする意味づけも、しなければいけない必然性もまったくなく、ただ派手にみせたいだけの演出意図しかうかがえない、アホなクライマックス。
　最低以下。
　またレイダンがオナニーしているところを中年のおばさん（グロリア・ヴィダリオン？）にのぞかれ、私が相手してあげるとおばさんがＴバック下着になって醜い三段腹をゆすりながらレイダン追いまわすエピソードなど、サブのお笑い要素を隠し味としてプラスするくらいのものだから、延々チンタラ続けるなって怒鳴りたくなる。
　ローランドは編集というものを、初歩から勉強し直したほうがよい。
　ステージ以外でピアールは、マイクに気絶させられて犯されるとき、待望のオッパイがチラッ。アルヴィンとのセックスで、キュートな乳首のアップまであるオッパイ全開にウワー、とここは嬉しさ爆発。でも騎乗位でもだえるときに顔ばかりをカメラがとらえ、コラコラ全身を映せよ、と不満がうっ積してしまう。まったくローランドは、ベッド・シーンの撮りかたすらわかっていないバカ。
　入水自殺をはかるときにはネグリジェがなぜかスケなかったものの、アルヴィンと抱き合っているときにジェスが襲ってくるラストでは、川辺で黄色い衣装が濡れて、ノーブラの乳首がみえているのがなかなかよろしい。ただしここも川に沿って逃げる際にイマイチ衣装が貼りつかなくてエロさに弱く、下のパンティーが大きめのものだから減点。
　カミールはシャワーを浴びながら全身を洗うシーンで、お尻丸みえのうしろ姿や、横チチのアップなどを披露してくれるものの、カミールには申し訳ないが、好みのタイプじゃないからワクワクしない。
　もう一人、脇のヌード要員であるはずのアイラ・ルナは、ただいるだけで内容にいっさいからまず、色っぽさも不発だから、なんで出演したのって感じ。
　まあ、ピアールのオッパイはさすがだけど、そのオッパイをもってしても映画を最悪レヴェルからすくいあげることができなかったようだ。
　そんな作品について、わざわざ文章を書いている自分は情けなくなるくらいスケベの大マヌケだが…