ＫＡＳＩＰＩＮＧ
（それぞれ）
　
02年：セイコ・フィルムズ
監督：アウグスト・サルヴァドル
主演：ハリーナ・ペレス
　　　 ダイアナ・スビリ
　　　 ロデル・ヴェラヨ
　　　 ジゼル・サンチェス
　　　 ロング・メジア
　　　 ダンテ・バルボア
　アクション派のアウグスト・サルヴァドルによる愛憎劇だが、まあまあイケる。
　ハリーナ・ペレスとダンテ・バルボア演じる夫婦が雑居アパートへ引っ越してくるところから始まり、ダイアナ・スビリとロデル・ヴェラヨ演じる夫婦が同じアパートに住んでいる。物語はダンテとダイアナが肉体関係へと陥る過程を淡々と描き、浮気の事実を知ったハリーナとロデルも結ばれる。いわゆる四角関係のＷ不倫をフィリピン映画特有の殺人へ発展するといった過剰表現に走ることなく、日常の延長でとらえている視線が買える。
　ちょっとしたロマンス小説的な内容レヴェルでなら、上の部といえるかもしれない。
　フィリピン女性には、個人的な知り合いを含め、本当にポケット・ブックの安手なロマンス小説を読むのが好きな者が多く、ここではハリーナが主婦兼ロマンス小説の作者との設定。自分の原稿を書きながら涙を流している、なんてキャラクターがすごくおかしい。
　始まってしばらくは登場人物たちの個性をやや誇張をまじえながら紹介。ダンテはオーロラ・ウディン演じる母から溺愛を受け、マザコン傾向を秘めるあたりにハリーナが不満を抱いている。ダイアナは美容師で、とくに男の客を巧みに乗せてチップをせしめるのがうまい。といったエピソードが興味を引きつける。エレヴェーターの中でハリーナとダイアナが遭遇し、タバコをふかすダイアナにハリーナが嫌味を感じるシーンなど、タバコというのは人間のバカっぽさや軽薄さをにじませるのに格好の小道具だなあ、とあらためて実感。
　他に香水、コンドーム、『ＫＩＬＬＩＮＧ　ＭＥ　ＳＯＦＴＬＹ』のフレーズなど、いくつかの小道具を活用したストーリー・テリングはまずまず。
　ロング・メジア演じるロデルとフルーツ店の共同経営者や、ジーノ・セルヴァンテス演じるオカマ、ハリーナの友人になるジゼル・サンチェス演じる女性など、いずれもコメディー要素をプラスする役どころで、ジャマにならない程度に存在感を示している構成が評価できる。ついに家出を決意したハリーナが隠れてみる中、ロデルとダンテがケンカになり、はたしてハリーナがでてくるかのサスペンスも、けっこう盛りあがる。自らの経験を小説の題材にしたハリーナが、最後にどういうラストを選ぶかまで、とりあえずはドラマとして成立したようだ。
　ただし、やはり同じアパートに住むブディー・パラドとルズ・インペリアル演じる夫婦に、エミリー・フランシスコ演じる女性がからむ三角関係の発覚は、メインの筋への伏線的活用がイマイチなようだ。
　まあ、ハリーナとダイアナの顔合わせだから、全編セクシー対決で燃えるだろうとは、容易に想像のつくポイント。ハリーナは引っ越しでの登場や、途中の買い物シーンなど、まず白いピタパンにくるまれた太めの下半身がキュート。胸の盛りあがりもすごく、ベッドに横たわったブラのポーズによだれタラタラ状態を招く。結婚記念日の準備でスリップを選ぶ際、チラッと乳首がのぞいて興奮させたあと、スリップを着ると片方の乳房を丸だしにして、プヨプヨッとモミモミするしぐさにキャーッ。さすがに脱いだパワーは圧倒的な迫力じゃないか。記念日をダンテが忘れていて、怒り心頭のときに帰ってくるとセックスに発展するも、ダイアナと射精したばかりだったのでダンテが早漏に終わるシーンでは、オッパイの堂々露出にスゲーッ。パンティーをはがれて全裸になってから、ボディーが隠れているのは残念かな。ロデルとのカー・セックスでもバストを堪能させたうえ、ロデルとホテルで抱き合うときの素っ裸といったら、プルンプルンと揺れる貼りのよさ、乳首のかわいさなど、正面向き、上向きの乳房をたっぷり提供してくれて、もーう、ハリーナ最高。
　もっとも容貌的には好みじゃないから、ダイアナのほうがファンなのは本音。そのダイアナがハリーナ以上に大胆なのが嬉しい。いきなり初みせからしてシャワーからでてきたばかりで、パンティー一枚に肩からバス・タオルをかけていて、片方の乳房をモロだしにウヒョヒョヒョ。ロデルとセックスになって、正常位における美乳ぶりはほぼ理想的ともいえる。ダンテとディスコでの踊りが挑発的なのも、十分に鼻息を荒くする。一回目のセックスでは下着を脱ぐポーズのあと、ダンテとすっぽんぽんでシャワー室へ入るうしろ姿がヴィーナスのよう。シャワーの最中はダンテがダイアナのお尻に水をあて、石鹸を体にぬり合ってこすり洗いすると、ダンテの手がダイアナのお尻の肉をつかみ、割れ目をスリスリするから我慢できない。シャーッと胸に水をかけて石鹸の泡をおとすと、ピンク色のしゃぶりつきたいような乳首を持つオッパイがアップに、ウウウウウ、素晴らしすぎる。ラヴ・ホテルでオッパイ丸みえからブラをつけたり、家で階段からおりてくるときにキャミとパンティーだったり、白い紐なしブラとパンティーからダンテとセックスになって、ブラをはずされるとオッパイをポヨヨンさせながらキュッとパンティーをヒップに食いこませてダンテにまたがったり、全裸でないシチュエーションでも快感の頂点へイカせてくれる。ダイアナはさしずめエロスの女神。
　とにかくハリーナとダイアナの魅力が映画の価値を十倍にした、と断言して間違いない。
　欲をいえば、ジゼルにも色っぽいシーンをみたかった印象。ロデルとダンテのヌードがやたらでてきて、ダンテなどチンポのつけ根がのぞきそうなお尻のアップがあるのには、正直ゲロゲロだった。