ＳＡＫＡ　ＮＡＴＩＮ　ＩＴＡＮＯＮＧ　ＫＵＮＧ…　ＫＡＳＡＬＡＮＡＮ！
（そのあと我々は問うただろうか…　罪）
　
98/99年：カーリン・フィルムズ
監督：ロリー・ベルナルド
主演：ナターシャ・レデスマ
　　　 マハリア・メンデス
　　　 ピア・パウラ
　　　 レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ
　　　 カルロス・モラレス
　　　 オデット・カーン
　　　 マリテス・サムソン
　　　 ジュン・アレナス
　悲恋ものはドラマにおける不変のパターンで、周囲の反対など外的要因によって愛し合う二人が結ばれないというシチュエーションは『ロミオとジュリエット』の昔から好まれ続けているようだ。それだけ悲劇のヒロインに対してあこがれがあるのだろうが、どこか自分もこんなドラマティックな恋をしてみたいとの願望も潜んでいるのだろう。
　もっとも作劇として考えれば安易であるとの指摘をせざるをえず、この作品でも社会の偏見があるとか、そうした背景にひそむ問題にまでは踏みこんでいない。
　物語はどこか地方の海岸にある漁村で繰り広げられる。マハリア・メンデス演じるパトリシアとレイ・“ＰＪ”・アベリアーナが演じるニカンドが恋に落ちる。二人は抱き合っているところを母親たちにみつかって非難されるが、将来を約束し合う。ところがニカンドが事故で亡くなり、パトリアは後追い自殺する。
　ときは流れ、同じ村にナターシャ・レデスマ演じるクリセルダがやってくる。彼女はカルロス・モラレス演じるルイスに引かれ、ルイスも彼女に一目惚れ。実はピア・パウラ演じるヴィリアンもルイスを愛していて、ヴィリアンはクリセルダと仲よくしながらも、二人にジャマを入れる。クリセルダとヴィリアンの母も恋に反対し、運命は悲劇へと動きだす。
　クリセルダといったん引き裂かれたルイスをヴィリアンが誘惑し、二人は結ばれるものの、ルイスの気持ちは変わらない。クリセルダの母がならず者たちにルイスを痛めつけるように依頼するが、予想外の展開となって、ルイスは殺されてしまう。しかもクリセルダもレイプに合う。
　これにルイスの母の、亡き父との悲劇の回想が重なってくる。
　結局、クリセルダはルイスの子を産み、未婚の母として愛の結晶を育てる決心をするところで終わり。いかにも少女マンガ的なストーリーで、だからどうなのという程度のもの。それにレイ・“ＰＪ”・アベリアーナとカルロス・モラレスがハンサムな二枚目タイプではないので、女性ファンはときめきを感じるのだろうかと疑問に思う。
　まあ、この映画の見どころは、マハリア・メンデス、ナターシャ・レデスマ、ピア・パウラという二線級セクシー・スターのオッパイ競演に尽きるだろう。容姿的にはマハリアがもっとも大人の雰囲気だが、それほど美形ではない。あとの二人は幼顔で、いかにも隣のお姉ちゃん的な感じ。個人的にはピアのほうが好みである。まず最初の抱擁シーンからマハリアの大きめの乳房がのぞき、海の岩間での愛撫シーンでは全裸になってくれる。入水自殺のシーンがトップレス水着なのも、なかなかよろしい。
　ピアはいきなり濡れたＴシャツで乳首をスケさせて登場し、 ナターシャと二人で泳ぐシーンでは、今度はピアが水着で、ナターシャが濡れたＴシャツになる。こんなスケスケの女性が泳いでいたら、男はよく冷静でいられるものだと思うほど。それぞれがカルロスとセックスするシーンでは、部屋の中で、屋外で、キュートな乳首までみせてくれる。形といい、大きさといい、甲乙つけがたい。ピアがレイプされるシーンは黒いブラをつけたままだが、それはそれで色っぽい。
　三人のセクシー対決はいずれも大胆露出であるけれど、残念ながら全員が女優としての魅力イマイチなこともあって、引き分けと感じる。
　なお、マハリアの海での愛撫シーンで、最初に彼女は薄いピンクのパンティーをお尻に貼りつかせているが、波のカットが挿入されたあと、脱ぐところもなく今度は全裸で生のお尻をみせている。彼女が死体となって打ちあげられるシーンでは、母親が涙でかけよるとき、ギャラリーでみている少女の一人が我慢しきれずに笑っている。ロリー・ベルナルド監督、こうした細部にもしっかり注意を払ってほしいものだ。