ＫＡＲＧＡＤＯ
（荷物）
　
98年：グッド・ハーヴェスト・プロダクション
監督：ポン・メルカド
主演：ガルド・ヴェルソザ
　　　 アヤ・メデル
　　　 アナ・カプリ
　　　 ダン・フェルナンデス
　　　 カミール・ロハス
　　　 マット・ラニーリオ・３世
　　　 エリザベト・オロペサ
　　　 ルイス・ゴンザレス
　　　 ラム・ロドリゲス
　Ｂ級アクションとして、けっこう楽しめる作品である。いきなり銃撃戦にカー・チェイス、爆発炎上から始まり、ストーリーとそれほど関係のないこのエピソードがやる気を感じさせる。
　アクションに美女はつきもので、アヤ・メデル、アナ・カプリ、カミール・ロハスのセクシー・スター三人の共演という豪華さも嬉しい。ただし魅力のあるのは、容貌的に好みのアヤだけだが…　まず水着で登場するところでも、アヤのみＴバックでセックス・アピールが際立ている。
　前半はコメディー・タッチに進み、ガルド・ヴェルソザ演じる主人公が夢想にふけるシーンにおいて、また水着の三人が登場。ここでもアヤが海でガルドに抱きあげられるときに紐状のＴバックを深く食いこませ、ほとんど濡れたお尻が何もつけていないも同然の状態になって、圧倒的なフェロモンをムンムンと発散させる。セクシー合戦は早くも勝負あったという感じ。
　ダン・フェルナンデス演じる犯罪組織のボスに騙され、ガルドが父にかわって運転したトラックが警察の検問で引っかかり、追われる身となるあたりからアクションっぽさをおびてくる。組織は警察を振りきって逃げたガルドが隠した荷物をとり返そうと、まず彼の家族に刺客を送りこんでくる。エリザベト・オロペサ演じる母の殺害に、ガルドは復讐を誓う。
　物語はガルドと組織の対立になっていくのだが、警察が積極的にからんでこないのはヘンだと思わせる。ややこしくなるのを避けたのだろうが、もう少し工夫がほしい点。
　ガルドは三人の美女を誘拐し、彼女たちも犯罪者の囲い者であることに不安を感じていた事情もあって、ガルドと行動をともにする展開に。以後、画面にはずっと華が伴ってくるわけで、この設定には素直にうなずける。
　海岸での誘拐シーンでは、アナとカミールが濡れたＴシャツなのにアヤがブラをつけているのは不満なものの、そのあとすぐにセクシー・シーンが爆発。まずアナがガルドと恋仲になり、乳首をつまみたくなるようなオッパイをみせての濃厚なキスをするのだが、このときキュートなヒップラインを浮かびあがらせた水着のお尻のアップがすごい。つづいて池で四人の全裸の水浴びシーンになり、ついにアヤがダイナマイト級のオッパイを全開にしてくれる。滝のしぶきの下、画面の正面に向かって胸をガバッと張ってみせるから、ただ言葉もなく圧倒されるのみ。水から半身を乗りだしたときの、濡れて肌が光っているお尻も、思わずなめたくなる。横にはカミールがいて、やはりオッパイを惜しげもなくみせているのだが、どうしても視線が彼女にいかないのはかわいそう。
　アヤとアナが取っ組みあいのケンカをするときのヒップラインや、カミールがアヤにレズを告白するときの、豊満な乳房同士のふれ合いにも生唾ゴックン。
　アナが寝ている間にアヤがガルドとセックスするシーンでは、木に寄りかかった立位で、アヤがもみほぐしたくなるようなオッパイを丸だしにしているものの、せっかくパンティーを脱いだのに、下がみえないのはさみしい。
　山の中の追撃はアナに嫉妬したカミールが裏切って居場所を通報し、追っ手と銃撃戦になって殺される。次はアヤが同じことを繰り返すのだが、このあたり、いかにもガルドのロマンスを成就させるために、ジャマになる女性の人数を絞っていく構成で、ちょっと感心できない。またアヤが殺されることによって、美女をみる楽しみがなくなっちゃうじゃないか。残ったアナだと、なんというか、やっぱりねえ…
　港にやってきたガルドは、いよいよダンと直接対決。トラックとバイクのチェイスに、ハデなぶっ放し合い。ヘリコプターまで登場させるのはよいが、あっさりガルドが撃ち落としてしまうのは、かえってシラけが起きる。無理をしちゃいけない。
　最後はガルドが勝ってアナと結ばれることはいうまでもない。
　まあ、ご都合主義な物語ではあるが、女優のパワーも加わって、一応あきさせずにみせたポン・メルカド監督の演出力は評価したい。同じクラスのＢ級アクションなら、アメリカ映画のそれよりもかなり楽しませてくれる。