ＫＡＰＩＴＡＮ　ＡＭＢＯ　　ＯＵＴＳＩＤＥ　ＤＥ　ＫＵＬＡＭＢＯ
（アンボ隊長　蚊帳の外）
　
01年：ＦＬＴフィルムズ・インターナショナル
監督：ホヴェン・Ｍ・タン
主演：エディー・ガルシア
　　　 イザベル・グラナダ
　　　 クラウジャ・コロネル
　　　 ロング・メジア
　　 　ベリア・フロレス
　　　 アテ・ガイ
　　　 リタ・マグダレナ
　　　 マリネラ・モラン
　　　 ルビー・パディーリア
　エディー・ガルシアという役者を使ってセックス・コメディーをつくると、爆笑ではなく、ニヤニヤ・クスクスできる作品になるから、たいしたものだ。
　人望を集めるバランガイ・キャプテンというのがエディーの役どころ。トラブルの解決にしょっちゅう駆りだされるから、クラウジャ・コロネル演じる妻は満足のいく夜の生活が送れなくて、いつもイライラしている。あるときアクシデントからチンポにモノをぶつけられたエディーはインポになってしまい、それを治療するための旅にでるというストーリー。
　インチキくさい宗教的な催眠術師やヘビ使いなど、いづれもまったく効果がなかったのだが、たまたま入った田舎のディスコ・パブでイザベル・グラナダ演じるダンサーをみてピヨーンと勃起。イザベルに頼んで一緒にマニラへときてもらうも、帰ってみればクラウジャは他の男と逃げていた…
　というわけで、とにかくバカバカしい内容が盛りこんである。
　中でもユニークなのは、クラウジャが近所のおばさんたちを集めてエアロビックのダンス教室を開いているのだが、集まったおばさんというのが、ベリア・フロレス、デクスター・ドリア、オデット・カーン、ヴァンジー・ラバラン、チア・プシット、ジョシー・ガルヴェスで、中年の脇役女優勢ぞろいといった印象。しかもバランガイのイヴェントでダンスを披露することになると、デクスターとオデットは前転したり、車輪回転したり、でんぐり返ったりで、中年太りの丸形体型だから、当然グチャッとつぶれる。普段は怖い鬼ばば役が多い二人だけに、いかにも楽しそうにふざけている光景が、どこか微笑ましい。
　登場人物はいずれもカリカチュアされているから、とにかく感情表現が極端。チンポへの衝撃でエディーが病院へ担ぎこまれるとクライジャが大げさに騒ぎまくり、横にいたロング・メジア演じるエディーの相棒がどさくさにまぎれてクラウジャの服を脱がせていて、フと我にかえったクラウジャが「あんた、何やってんの」とみるタイミングなど、なかなかおかしい。
　エディーが旅に出発するさいの、住民たちの「行かないで」とワンワン泣きまくる度を越えた悲しみかたもすごいが、イザベラがマニラへ向かうときの家族の挨拶の表現も今生の別れ級で、ほとんどエルミタあたりにいる物乞いの少年のようにイザベルの脚にしがみついて離そうとしないから、オイオイ無茶苦茶やんけ、とあきれるばかり。
　物語のあい間には、『キャット・バルー』のナット・キング・コールのごとくアテ・ガイが歌で進行を説明し、オカマ・ガールズとでも呼びたいメンバーがバック・ダンスを加え、これがまた調子のよさをあげている。
　ただし、アテの歌の挿入がきちんと計算されていないから、全体的な配置のバランスをこわしているのが短所。
　後半になってくるとおばさんたちのダンスもしつこく感じ、クラウジャが戻ってきて、エディーとイザベラとの三角関係がどう決着するかも、納得のいく形になっていない。
　ホヴェン・Ｍ・タン監督はツメが甘かったといえよう。
　もっとも大ファンのクラウジャのセクシー・シーンが本来の目的としてみた作品だから、その部分が満足できれば文句はない。おばさんたちのダンス指導のところからして、ヘソだしのホット・パンツと、豊満な胸を強調したタンク・トップの衣装が色っぽい。エディーとのベッド・シーンになって、淫乱なうめき声をあげるのはコメディー演技で、ここは顔のアップのみ。最大の見せ場は勃起しなくなったエディーをその気にさせるために踊るシーンで、黒いビニールのブラをパラッととると、下にはまた黒いブラをしているというあたりはオイオイと感じさせるものの、光沢の黒いホット・パンツからハミケツになっていて、クネクネとお尻を動かすポーズに目が釘づけ。ブラをとってトップレスになると、うしろから撮っているけれども横チチがバッチリで、正面から手でオッパイを隠した姿もビンビンにそそる。
　さすがクラウジャ。
　共演のイザベルも負けていなくて、ステージ・シーンはボディー・ビルダーの筋肉ガールふうなポーズをとるコミカルな動きで、黒い光沢ブラとホット・パンツからキュートな中身を想像させる。これはエディーが勃起するのも納得。さらに歌手でもあるから、歌声をバックにしながら、黄色いビキニで海岸を戯れるイメージ・シーンがドキドキもの。小さめのオッパイが実にかわいくて、発達した太腿と、切れあがったヒップラインがなでなでしたいほどの誘惑。マニラへ行く途中に、バスから降りて草むらの中でオシッコするところまであって、美人なのにこんな下ネタを平気でこなすあたりがエライ。
　イラベラの魅力にまいってしまう。
　ほかにゲストとして三名のセクシー・スターが顔をみせていて、エディーの愛人を演じたリタ・マグダレナは、ブラまでしか脱いでいないのが残念。イザベラの前にステージで踊るマリネラ・モランは、ハッと奇声をあげながらアニメっぽい断続的な動きでお笑いとお色気を同居させていて、ホット・パンツを脱いでＴバックになり、ブラをとってオッパイを丸みえにするから、なかなか大胆。オッパイをプラプラ揺らせるカットまであり、ちょっと美人とはいいかねるが、十分に鼻息が荒くなる。
　嬉しい収穫だったのは、山の中で修行している妖精ふうの女性を演じたルビー・パディーリアで、花の冠をかぶって、白い衣装で水の流れにつかっている姿から、いきなりオッと視線を集める魅力がある。水からあがって歩いてくる姿は、オッパイのみならず、陰毛までスケている。しかも白いニンフっぽい衣装の布が陰毛の真ん中あたりで切れていて、半分はモロ露出。ウワーーアーン。
　以後、ルビーはお気に入りの女優に加えたい。
　セクシー面ではとにかく満足させてくれる作品だ。