ＫＡＰＡＧ　ＮＡＳＵＫＯＬ　ＡＮＧ　ＡＳＯＮＧ　ＵＬＯＬ
（狂犬が噛むとき）
　
97年：ＭＣアース・プロダクション／ＲＳプロダクション
監督：フミルデ・“ミーク”・ロハス
主演：イアン・ヴェネラション
　　　 ステラ・ルイズ
　　　 アヤ・メデル
　　　 エフレン・レイエス
　　 　パキト・ディアス
　　 　ジェフリー・サントス
　　　 アップル・スニガ
　　　 アマド・コルテス
　　 　ランボー・ロメロ
　　 　ディンド・アロヨ
　　 　チェスカ・モレノ
　荒唐無稽を通り越し、あまりに無茶苦茶だと、もう何も評価する気にならない。
　子ども頃、事故で従兄弟を射殺してしまった人物が主人公。そのために犠牲になった子の親である伯父に母を殺され、二つの家族が対立を招く。射殺したほうの子どもは成長すると、イアン・ヴェネラション演じる麻薬捜査の警官になっているが、アマド・コルテス演じる父が市長選挙に立候補したため、故郷へと帰ってくる。
　町はパキト・ディアス演じる、対立の伯父が市長。これが悪の権化のような人物で、ジェフリー・サントス演じる息子とともに好き放題。マニラでイアンが撃ち合ったディンド・アロヨ演じる麻薬犯まで仲間という構図は、いかにもフィクションである。市民は市長がこわくて、全員がみてみぬふり。市長は自分に対立するなら神父だって殺害し、ついにはアマドにも手をくだすのだから、もはや無法地帯。まったくあり得ない設定だと思える。
　イアンが市長一味を退治は当然だが、いったんつかまったりするものの、父とアップル・スニガ演じる妹を虐殺され、ランボー・ロメロ演じる相棒とたった二人で乗りこむのは、カッコいいというよりも無謀以外の何物でもない。でも敵の弾はまったく当たらず、こちらの弾はどんどん命中し、そりゃあ、全滅できるよね、とかなりあきれる。
　クライマックスのヘリコプターとモーター・ボートでの対決だって、ヘリから撃つパキトの弾丸が当たらないわけないだろう、とシラけて迫力すら生まれない。
　またステラ・ルイズ演じるＴＶレポーターがマニラから選挙の取材にきて、イアンと恋仲になるが、こんな市長の大量殺人をどうして報道しないのか。途中でまったく局へ連絡しないのはおかしいし、だとマスコミとして無能じゃないか、とイヤになる。
　駄作につき合った自分に愚かさすら感じる始末…
　でもまあ、ステラの元同僚という設定で大、大、大好きなアヤ・メデルが出演しているし、ちゃんと乳首をだしそうになりながら水をくむショットや、スケスケのカーテンの奥でお尻をみせながら水あびする姿、水辺でＴシャツから乳首を浮かびあがらせて逃げる光景などをおがませるので、みてよかった作品ではある。
　ステラ・ルイズも乳房に石鹸をつけて入浴のショットや、イアンと池で戯れるときの濡れたＴシャツから乳首ののぞく姿、白いパンティー一枚でイアンと抱き合う光景など、なかなか悩殺もの。ただし抱き合うときのパンティーが食いこむ肉感的なお尻のドアップは興奮ものだが、一瞬みえる乳首にニプレスをしているのは残念。
　パキトの秘書を演じたチェスカ・モレノは、パキトとのセックスでチラチラ何度も裸身をさらしてくれるし、オッパイをプラプラ揺らしながら、ハイレグの黒いパンティーで逃げるよだれもののショットまである。
　アップルはジェフリーに犯されるシーンで、暗いからよくみえにくいものの、服をビリビリッと裂かれるではないか。
　などと女優陣のセクシーさが圧倒してくるので、何も評価する気にならないとはいったものの、その部分のサーヴィス精神だけは評価したい。