ＫＡＰＡＧ　ＭＡＹ　ＧＵＳＯＴ　…ＷＡＬＡＮＧ　ＬＵＳＯＴ
（もつれたとき　…逃れることはできない）
　
(94)年：ムーヴィー・マスター・インターナショナル
監督：マイケル・イェウン、ジョニー・ウッド
主演：ガビー・コンセプション
　　　 ナネット・メドヴェド
　　　 レイ・（ＰＪ）・アヴェリアーナ
　　　 チャーリー・ダヴァオ
　　　 ジンキー・オダ
　　　 ヒューゴ・ン
　　　 トゥウィーティー・アウ
　　　 ルビー・ツイ
　香港のスタッフが参加したコメディー。合作かどうか、定かではない。
　ヒューゴ・ン演じる香港のビジネス・マンが、トゥウィーティー・アウ演じる秘書とともにコンピュータ・ソフト販売のため、フィリピンへやってくる。ナネット・メドヴェド演じるビジネス・ウーマンも、ルビー・ツイ演じるアシスタントとともに、コンピュータ・ソフト市場を狙っている。ガビー・コンセプション演じるアメリカ帰りの起業家がターゲットなのだが、レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ演じる助手とガビーはわざと身分を交換していて、二つのライヴァルはレイを若手社長と思いこみ、セールス合戦を繰り広げる内容。
　冒頭にあるヒューゴの会社の会議シーンで社員役にノノン・タルヴォの顔がみえるから、おそらく香港ロケをせず、全部フィリピンで撮ったのだろう。
　マニラ空港で荷物をとりちがえ、明らかにトゥウィーティーが悪いにもかかわらず、ごう慢な性格なのは、香港人のイメージかもしれない。対するナネットのほうも気が強く、キャラクターづくりの単純さに不安が走る。
　マニラでヒューゴがレイを接待する際、店がＦＩＲＥ　ＨＯＵＳＥで、パサイ・コンプレックスにあったときのものと推測する。レイがホテルへお連れ帰りのホステスが二人ともブスなのは、いささかうんざり。
　でもホテルのフィットネス・ルームでサウナに入っていたガビーがエクササイズ中のナネットをみかけ、ときめきを覚える展開で、レオタードのナネットが超セクシー。キュッとヒップに食いこんでいて、このナネットの色気を期待した作品だけに、さっそく満足を感じる。
　スービックにあるチャーリー・ダヴァオ演じるガビーの叔父が経営するリゾートへ舞台を移し、さらに水着のナネットを待ちに待ったのだが…
　ビーチにビキニの女性が数名いるながら、ナネットはセパレーツにショート・パンツをはいていて、セパレーツがスリムな上半身にピタッとフィットし、バストの盛りあがりが浮き彫りだけに、下半身のショート・パンツが余計に残念。一気飲み対決で泥酔してヒューゴと同じベッドで寝るときのパジャマがダブダブだったり、肝心のヒューゴと無人島でサヴァイヴァルになるエピソードでジーンズの短パン姿を通し、水着じゃないのに落胆させる。しかも雨が降ってきたり、いかだで溺れてヒューゴに助けられるビショ濡れショットで白いシャツから乳首がスケず、滝のある島の池で裸になって泳ぐ最大の見せ場で、そそるアングルを欠くのがどうしようもない。
　ナネットの魅力はイマイチにとどまり、そのまま映画のダメ評価につながっている。
　しかも上司のナネットをだし抜いて単独契約をとろうともくろむルビーが背中のあいたボディコンでレイを誘惑して色気を放ち、さらに大胆な行動の予感にムズムズなのだが、せっかくの超ビキニはほんのちょっとだし、プールで泳ぐ赤いビキニはザバッと水からあがるショットを含まず、プール・サイドではボディーにバス・タオルを巻いていて、どうなってるのよ。
　ファニー・フェイスなトゥウィーティーも、せっかくだから水着になってほしかった。
　ヒューゴがレイの部屋へ送りこむボディコン・ミニの女性がまあまあだけに、ベッドで下着姿くらいあってもよかったのでは。
　と中途半端すぎる印象。
　また、ヒューゴがナネットにマウス・トゥ・マウスの呼吸をしているタイミングでガビーが遭難中の二人を発見でカン違いを起こしたり、トゥウィーティーが契約阻止にあの手この手で懸命になったり、ナネットを襲ったレイがガビーに殴られ、精力財を飲んでいたために勃起したチンポをおさめるべく、かわりにジンキー・オダ演じるガビーの従兄弟を抱いて、コメディエンヌ・タイプのヘチャむくジンキーと結ばれるなど、笑いをとる部分も冴えない。ナネットがガビーとの恋を、素直に負けを認めたヒューゴがナネットのはからいで契約を得る無難なまとめかたまで、しょせんは小品といった感じ。
　ああ、つまんねえ。
　ナネットのレオタードは、素敵だったけど。
　はたしして香港では、公開されたのだろうか？