ＫＡＰＡＧ　ＫＵＭＵＬＯ　ＡＮＧ　ＤＵＧＯ
（血が燃えたぎったとき）
　
99年：リーガル・エンターテインメント
監督：レオナルド・Ｌ・ガルシア
主演：ジェリク・ラヴァル
　　　 デイジー・レイエス
　　　 キエール・レガスピ
　　 　ロイ・アルヴァレス
　　 　シンディー・モレノ
　　 　ビン・ダヴァオ
　　 　パトリック・デラ・ロサ
　　　 オレステス・オヘダ
　　　 マイク・ガヨソ
　　　 エース・イグレシアス
　どうしてこうもアクション映画は暴力的にならないといけないのだろうか。
　ジェリク・ラヴァル演じる街の正義漢が、ロイ・アルヴァレス演じる暗黒街のゴッド・ファーザーたちに、ちょうど息子が生まれた瞬間に殺される。息子はルビー・ソルメラノ演じる祖母に育てられるのだが、絶えず暴力をふるって悩ませる。それでも父親譲りの悪を許さない性格から、大人に成長すると警察官になる。
　犯人をすぐに撃ち殺す危険な警官なのに、相手が悪なら権力者にも屈しない姿勢が、いかにも映画的なキャラクターだなあと思わせる。
　連続レイプ殺人が起こり、その犯人の一味がキエール・レガスピ演じるロイの息子で、警察内部に仲間がいて自らが逮捕されそうになるも、オレステス・オヘダ演じる上司の理解でうまく乗りきり、ついにはロイもキエルも射殺するというストーリーで、とくにどうってことはない。
　ただホントにこんなにも平気で人殺しをする警察官が、社会的に許されるだろうかと感じる。フィリピンらしいというよりも、『シンジケート』『ダーティハリー２』『コブラ』など、アメリカ的な要素をかぎとるのだが…
　クライマックスなど、ロイが機関銃をもって仲間たちを引き連れてきたにもかからわず、ジェリクとデイジー・レイエス演じる女性警官のたった二人で全滅させるのだから、甘いというよりも、しょせんフィクションねと割り切ろう。
　暴力に対して深い考えもなく肯定するのは、最後まで賛同しかねるが…
　まあ、個人的にはセクシーなシーンがちゃんとしていれば、それほど不満はない。
　レイプの犠牲になるのはイス・タン演じるディスコ・パブのダンサーで、白い下着からステージ衣装に着がえるところから始まり、黒いハイレグで踊るシーンをしっかりみせたあと、暴行されるときはパンティーをズリおろされて、陰毛がチラッ。イスはごく普通のお姉ちゃんレヴェルだが、嬉しいサーヴィスである。
　ジェリクには幼なじみの女性が二人いて、そのうちの一人がシンディー・モレノ演じる恋人。キエールらに誘拐されると、パンティー一枚にされて、乳房を手で隠す。ベッドに放り投げられるや、パンティーまではぎとられて全裸に。でも犯されるカットが暗くてよくみえないのが残念。ジェリクの目の前で撃ち殺されるときも、新聞紙でボディーなど巻かず、大胆に露出してほしかった。それほど好みのタイプじゃないから、まっ、いいか。
　さて、この映画をみたそもそもの目的はデイジーで、さして美人じゃないが、妙にそそる要素をもった女優である。もう一人の幼なじみで、警察の相棒の役。子どものときからずっと男まさりとの設定に、ケンカのみならず、座りかたやビールの飲みかたなどでよく勝気な性格を表現している。アンジェラ・ヴェレスを引きあいにだすのは悪いが、ジーンズ姿が意外と魅力的じゃないからスタイルがいま一つなのかなと推測するも、あとでキエールに脅されて白い下着姿になるシーンでは、ウェストがやや太いながら、乳房の谷間といい、長い脚といい、みごとなナイス・プロポーション。内容的には緊張感のあるシチューションなのに、うっとりさせてくれる。ダンサーが殺されてディスコ・パブへ聞きこみに行くシーンでは、デイジーがダンサーになってオトリ捜査すればいいんじゃないかと期待したが、そうはならないものの、かなり経ってから、応えてくれるじゃあーりませんか。まず恋人を失ったジェリクとついに結ばれるシーンがきて、背中から、横から上半身の裸体を撮っているが、乳首はみえないまま。終わったあともボディーにシーツを巻いていて、まったく露出が少ないんだからとイライラさせながらも、すぐにステージのシーンにつながって、ついにやってくれるんですよ、これが…　光沢水着でお尻をクネクネさせる姿で登場し、ウワーッ、もっとも好みのエロス表現じゃないかと思わず興奮。何度もカメラは挑発するようなデイジーのダンスをとらえ、鼻血どころの騒ぎではない。もはやヌード以上に刺激的。
　デイジーのフェロモンによって、完全にノック・アウト。
　映画が駄作なことは、すべて許してチャラにしよう。