ＫＡＮＧＫＯＮＧ
　
00/01年：セイコ・フィルムズ
監督：マウロ・ジア・サモンテ
主演：ブリジット・デ・ホヤ
　　　 マニン・ボルラサ（エマヌエル・Ｈ・ボルラサ）
　　　 オデット・カーン
　　　 ロデル・ヴェラヨ
　　　 ソフィア・ヴァルデス
　　　 ヘスロ・ラミレス
　　　 パウラ・ゴメス
　現代娘が地方生活に溶けこむ内容で、安易なストーリーながらも興味のある要素を含む。
　ブリジット・デ・ホヤ演じる主人公がホット・パンツ姿でバスから降りると、男どもがトライシクルに乗せたいとケンカになるのは、フィクションならではの過剰表現。あとで神父の見習いとわかるロデル・ヴェラヨ演じる若者が送り、この地でカンコンという野菜の畑を相続し、そこでカンコンを栽培しているベン・サグミットとフローラ・ガセル演じる叔父夫婦を訪ねたと判明する。ブリジットはアメリカから帰ったばかりのアメリカかぶれで、ウォークマンを聞きながらステップを踏んで歩いたり、カンコンを食べるのに抵抗を示して「ハンバーガーがほしい」といったり、いきなりロデルをキスで挑発したり、オデット・カーン演じる祖母をロデルが「ロラ」と紹介すると「グラン・マ」と呼び直すなど、やたら英語をしゃべりたがったりのキャラクター。個人的にはアメリカ＝軽薄と感じているのだが、やはりブリジットがバカっぽくみえるのに納得する。
　オデットは質屋みたいな商売を兼ねる地元の名士的存在で、お屋敷にはソフィア・ヴァルデス演じる家政婦がいる。ソフィアはロデルが好きで、ヘスロ・ラミレス演じるロデルの友人がソフィアを好きとの人間関係。パウラ・ゴメス演じるロデルとヘスロのどっちが好きか曖昧な女性もからみ、最後まではっきりしない立場なのがユニークかな。
　ロデルはソフィアからの誘惑を退けるほどのまじめな性格で、教会が経営する小学校で子どもたちの兄貴分的な指導員をつとめている。オデットが神学校への入学を望んでロデルに厳しく接する状況のもと、ブリジットがロデルへアタックを開始したから、一生懸命に拒むも、次第に落ちていくとの物語にあって、真剣になるブリジットの心理や、変化していくロデルの気持ちをおざなりにしか描かないあたりがダメな点といえる。神学校の門まできてロデルが逃げ、ブリジットと同棲状態に陥ったため、オデットがカンコン畑の利権をたてにベンの家をつぶしにくる。しょうがなくロデルがオデットの元へ帰るも、口をきかない抵抗を試み、ＴＶのコメディーをみて笑ううちにあっさり仲直りする単細胞さが、一層くだらなさを強める。
　正直いって、しょーもない。
　まあ、メソメソとロデルが泣くなど、こんなめめしい奴にほれるブリジットも情けないが、そのあたりかえってフィリピンぽく、好奇心をそそるようだ。
　ソフィアがロデルを睡眠薬で眠らせて逆レイプし、結婚へと持ちこむと、式の会場からブリジットがロデルを誘拐する『卒業』もどきエピソードがクライマックス。ロデルは「やっぱり神学校へ行く」とブリジットに告げ、やっと欲望に打ち勝つ。ごう慢な性格だったオデットがロデルを救ってくれたと涙ながらにブリジットへお礼の言葉を述べ、ロデル奪還に協力したヘスロにはソフィアと一緒になる暗示が盛りこまれ、酔っぱらったパウラが二人を祝福していて、結果的にやさしさを根底に敷く視線にも共感。カンコンを市場で売るまで同化したブリジットが、ラストでロデルに代わって子どもたちの姉貴分のような指導員になっているなど、人間の善の部分へ目を向けている姿勢は十分に買える。
　マウロ・ジア・サモンテ監督の力量不足による構成面での弱さはさておき、けっこういいんじゃないか、といいたくなるできだ。
　もっともブリジットのセクシーさが爆発する面に関しては、絶賛を惜しまないもの。水牛に乗るときや、川をイカダで進むときにパンティーをのぞかせたり、橋から滑って川の中でシャツをスケスケにしたりのチラリズムもそそるが、やはり素っ裸は圧倒的な迫力。ロデルが子どもたちを連れて野外授業にくると、川で水浴びしていてロデルを呼ぶも、ブリジットが全裸だからロデルがあわてるシーンで、オッパイ堂々の丸だし。ロデルがバラをプレゼントにくるのも川でまっぱのときで、陰毛が水面からスケているばかりか、ロデルも服を脱いで抱き合うと、突きだしたブリジットのお尻からは、割れ目の下にオマンコが今にもあらわになりそう。マニン・ボルラサ演じる監督神父とオデットが目撃する川での愛撫は白いワンピースに乳首スケまでだが、ベンの家へ逃げてきたロデルとセックスになると、ブリジットのオッパイがアップで撮られ、ミルキー・ホワイトとピンクの中間のような色合いのツンと立った乳首にゾクゾク。思わず舌先でペロペロなめてみたい。ここはオデットが駆けつけてロデルが全裸のまま木の上に隠れ、無事に振りきって降りるタイミングでフローラにチンポをみられたうえ、笑ったブリジットにチンポを触られるなど、男のヌードの強調にゲーッ。ほかにもロデルはシャワー中や、パンツをはきかえているときにソフィアからチンポをのぞかれたり、オデットからパンツをむかれて折かんを受けたり、夜に屋外のセックスでブリジットのボディーが隠れているのに、お尻をだしていたり、ソフィアに犯されて全裸で眠るポーズで、ソフィアの脚がちょうどチンポの上に乗っていて、陰毛が半分くっきりだから、ええ加減にせー、とどなりたくなる。女性ファンへのサーヴィスか、ホモ・ファンへのアピールか。あとブリジットはヘスロと酔ってセックスするも、パンティーを脱がそうとする太腿あたりのショットのみで中身がみえず、ロデルとの思い出にひたりながら川をながめるシーンでは、回想の全裸が挿入されると期待したのに、ないままなのは惜しいところ。
　ソフィアも頑張っていて、ワンピースのボタンをはずすとパンティー一枚にはだけてロデルに迫る際に、乳首がほんわかと顔をだす。眠るロデルとのセックスは当然ながら騎乗位で、真うしろから撮ったポーズでの腰つきや、正面からのアングルでかがんだ体勢の下向きオッパイがプラプラに興奮を招く。
　パウラはヘスロとセックス・シーンがあり、せっかく全裸ながらも乳首が腕で隠れた構図が残念だった。
　尼僧を演じる三人のうち、ジュリー・フェ・ナヴァロかルス・ザルシタのどちらかがかわいくて、ついつい注目はオマケ。