ＫＡＭＡＮＤＡＧ　ＮＧ　ＲＯＳＡＳ
（バラの毒）
　
00年：タウルス・フィルムズ
監督：リト・Ｊ・デ・グスマン
主演：マリネラ・モラン
　　　 ヘーゼル・エスピノサ
　　　 イダ・マンザノ
　　　 ジェフリー・ゴンザレス
　　　 アルド・アルヴァレス
　　　 エルウィン・モンテス
　　　 エリック・ロドリゲス
　　　 ジョン・アゴンシーリオ
　　　 ヴィク・サントス
　ギャーッと大きな悲鳴をあげると、パンティー一枚のマリネラ・モランがオッパイをプラプラさせながら夜の野原を走る。アルド・アルヴァレス、エリック・ロドリゲス演じる男どもにつかまり、無残にレイプされる。
　セクシー・サスペンスとして嬉しい出だしである。
　アルドたちはマリネラを殺そうとするも、反対に仲間を一人撃たれ、逃げるマリネラはジェフリー・ゴンザレス演じる医者の車にぶつかり、交通事故で病院へ担ぎこまれて救われる。エリックたちは入院中のマリネラの母を射殺する残忍さを示したあと、マリネラも狙ってくるのだが、とっさの機転でマリネラはジェフリーによって病院から連れだされ、ロサリンダ・ルエダ演じるジェフリーの友人であるおばさんの家にかくまわれる。
　マリネラは記憶喪失になっていた…
　と画面づくりは安手だが、先の楽しみになる展開。
　ただマリネラはいかにもブスだなあといった印象で、脇のヌード要因としてなら魅力を放つものの、主役においたのが無理っぽくて説得力を欠くのが残念。ジェフリーにはイダ・マンザノ演じる弁護士の恋人がいるのに、昔のカノジョにそっくりだという、とってつけたような理由を設定につけるとはいえ、マリネラのとりこになっていく心理が、とにかくイダが美人だけに納得いかない。ジョン・アゴンシーリオ演じるロサリンダの息子もマリネラに魅了されるも、ヘーゼル・エスピノサ演じるガールフレンドがいて、ヘーゼルのほうがかわいいのになあ、と気持ちに疑問を抱く。
　ジョンがマリネラを犯そうとするや、とめに入ったロサリンダが転落死のうえ、ヘーゼルが刺殺される部分は、いくらなんでも強引な印象。
　レイプ未遂で記憶がよみがえったマリネラが復讐を開始でドラマは次のステップへ進む。まずはエリックを殺し、アルドを狙ったときに絶対絶命のピンチを迎えるも、駆けつけたエルウィン・モンテス演じる警察に助けられる。
　逮捕されたマリネラをイダが弁護も有罪になり、八年の刑を終えて出所。マリネラを待ち続けていたジェフリーと結婚する。
　とこれでハッピー・エンドかと思わせるも、まだ先のステップがある。ゴー・ゴー・バーのダンサーだったマリネラは、母の治療費からカネが必要になり、オデッサ・ザンブラノ演じるバーの仲間にジェフリーたちギャングを紹介され、一緒に現金輸送車を襲撃の事実が明らかになる。しかもジェフリーは親切だったにもかかわらず、それを裏切ってカネを独り占めしようとしたから、命を狙われていた。
　なるほど、まあ考えたなといった逆転劇なものの、ラストにもうひとひねりないことには中途半端なイメージを与えてしまう。
　ツメが甘くて、歯切れの悪いのが非常に惜しかった。
　セクシーな面はというと、好みのタイプじゃないながら、マリネラのヌードがまずまず堪能できるのが評価したい要素。冒頭のオッパイ全開に加え、ジェフリーとの野外セックスは肝心の部分を隠しているのがイマイチだが、シャワーを浴びるシーンでの片脚をあげて、もし照明がやや暗くなかったらお尻の割れ目からオマンコがみえていただろうポーズにドキドキ。ジェフリーと結婚のあとの初夜でオッパイをポロンとだしたり、回想のステージの中でスリップを脱ぐとＴバックのパンティー一枚になるあたりにも興奮。
　またイザがジェフリーと一緒に入浴のシーンでオッパイをババーンと披露は、イザのうっとりするような容貌も手伝って、あまりにもおいしそう。
　ヘーゼルがまったく裸にならないのは不満というより、マジでそんなことってありー、といった驚きだった。