ＫＡＢＩＹＡＫ
（伴侶）
　
　年：リージェント・フィルムズ
監督：ダンテ・ハヴィエール
主演：ジョイ・スミラン
　　　 ミルナ・カスティーリオ
　　　 ボビー・ベニテス
　　　 オデット・カーン
　　　 デニス・イスラ
　　　 ダニー・リエル
　　　 アウグスト・ヴィクタ
　　　 エステル・チャヴェス
　　　 ナティー・サンチャゴ
　　　 アイヴィー
　代理母を依頼した相手が妻の親友だったら、とのドラマ。
　まずはジョイ・スミランとミルナ・カスティーリオ演じる同級生が友情で結ばれるまでを描く。ダニー・リエル演じる義理の父が性欲を抱いたため、夫を奪われるとナティー・サンチャゴ演じる実の母がジョイ演じる娘に暴力を振るう。それに気がついたミルナ演じる中流層の娘がアウグスト・ヴィクタとエステル・チャヴェス演じる両親に相談し、警察同行でナティーの家へおもむき、ジョイを引きとる。
　ボビー・ベニテス演じるミルナのボーイ・フレンドが現れて本題へ。ボビーに処女をささげてミルナが結婚。愛はあるものの、すぐに疲れがちなボビーがセックスレスに陥り、ミルナが寂しくなる。オデット・カーン演じる会社の女社長はジョイが気に入り、秘書に雇って出張に同行させる。ミルナが不妊とわかり、跡継ぎをのぞむオデットがジョイに生ませようと考える。女たち三人で同意し、酔ったボビーにジョイがよりそい、理屈ではわかっていてもミルナが涙を流す。いったんジョイが罪の意識ででていこうとするも、オデットがとめ、今度はボビーも同意でセックスをかさねる。ジョイとボビーが恋人ふうなのにオデットは喜ぶが、ミルナはジョイをぶち、友情にヒビが入る。ジョイとミルナの二人ともがボビーを避けるようになり、オデットが命じてジョイにボビーと寝させ続け、ついに妊娠をはたすも、ジョイがこっそりいなくなる。ホステスを始めたジョイには、デニス・イスラ演じるボーイ・フレンドができる。ミルナが両親に相談し、ボビーがナティーを訪ねたりもラチがあかず、でもミルナとボビーは愛をとり戻す。ジョイが無事に出産をおえ、こっそり赤ん坊をミルナとボビーに届ける。自らは過去をすべて許してくれたデニスとともに、新しい人生へ旅立つ。
　ほどよくまとまったドラマだが、ダンテ・ハヴィエールの演出が淡々と語るので、いささか冗長な印象をもよおす。しかもダニーのレイプ未遂のとき、ジョイはシャワーあがりでバス・タオルをはぎとられるが、ダサいデカパンをはいているうえ、オッパイを手で隠しっぱなし。ボビーとのセックスでミルナは黒いパンティー一枚になるも、オッパイがイマイチみづらい。ボビーのセックスレスから一人寝のベッドで、ミルナはスリップなのに、身体へフィットする型じゃないので刺激不足。ボビーのベッドへ入るミルナはパンティー一枚で下チチが揺れるが、大胆さを欠いて不満が残る。ミルナとボビーの二回目のセックス・シーンは動きが激しいわりに、肝心の部分の露出なし、とセクシーさ不発が退屈感を助長する。ジョイもミルナも好みのタイプだけに惜しい。
　あとジョイの妹を演じるアイヴィーが後半に消える構成にも工夫がほしいかな。
　ジョイが水商売に転じたのをタバコを吸うことで表わすのは、人間の安っぽさをにじませる格好の小道具として納得だった。