ＫＡＡＷＡＹ　ＨＡＮＧＧＡＮＧ　ＨＵＫＡＹ
（敵を穴に埋めるまで）
　
01年：ＲＳプロダクションズ
監督：ジョーイ・デル・ロサリオ
主演：フィリップ・サルヴァドル
　　　 イナ・レームンド
　　　 エドゥ・マンザノ
　　　 ロベルト・アレヴァロ
　　　 ボブ・ソレル
　元軍人の親友同士が警察とテロリストに別れて対決するアクションだが、かなり単細胞な構成。エドゥ・マンザノ演じる暗殺者が議員を殺し、田舎で活躍中のフィリップ・サルヴァドル演じる警官がロベルト・アレヴァロ演じる上司に呼び戻されて、対策の担当を命じられる。イナ・レームンド演じるフィリップの恋人である婦警もエドゥの攻撃をうける。フィリップにはペルラ・バウティスタとデンヴァー・ラゾン演じる農村で平和に暮らす母と弟がいるものの、エドゥが冷酷にも罪のない二人を血祭りにあげたため、正義への使命感のみならず、かつての同僚であったエドゥに対するフィリップの感情が私怨に変わる。
　とにかくガミー・ヴィライ演じる議員の弟を持つロベルトが陰謀をたくらんでいるのはバレバレだし、それがエドゥの恨みの原因をつくるも、ボブ・ソレル演じる穏健な将軍であった実父までエドゥが殺して、生まれにコンプレックスを抱いているトラウマがいささかチンプ。エドゥがマスクを使ってフィリップに化け、フィリップ対フィリップの格闘になるクライマックスや、パウラ・ゴメス演じるエドゥの女性の部下がイナに化け、フィリップとセックス中に殺害を試みるアイディアがもっとチンプ。結局は中国系の外国の首相来比にともなう麻薬がらみの事件が核だし、濡れ衣をかぶったフィリップがエルニー・サラテ演じる将軍に「無実を証明させてほしい」と頼む展開もありきたり。フミルデ・“ミーク”・ロハスの脚本が無難な線にとどまっている。
　銃撃戦、車爆破、カー・チェイスといった見せ場の盛りこみかたもパターンどおりに思え、ジョーイ・デル・ロサリオは適当にこなした印象しか与えない。
　それでもボラカイ空港で麻薬犬が荷物をかぐ光景にちょっとおもしろさが感じられたかな。
　注目のイナのセクシーさはどうかだが…　まずはＹシャツをはおっただけの姿でゾクゾクと色気を放ち、エドゥがスコープつきのライフルで狙いをつけてのぞいたときは、ちょうどフィリップとセックス前。ショート・パンツを脱いでＹシャツ一枚になると、突きだしポーズでパンティー・ラインもくっきりとフェラにおよぶ。パンティーをとり、Ｙシャツのボタンをはずしたあとに銃弾がとんでくる。撃ち合いの中であわててパンティーをはくのが挑発的。実はパウラの偽装だったホテルではバス・タオル一枚からトップレスに変わって、フィリップにオッパイをもまれる。でも最後まで乳首がみえず、イナにしてはかないのパワー・ダウンといわざるをえない。ショート・カットは好きなヘアー・スタイルなものの、あまり似合っていないうえ、機関銃をかまえる際のジーンズが貼りつきのフィット型じゃないのもマイナスで、背中に刺青がある点も加えて失望と指摘したい。
　パウラもヘソだしの黒い衣装までの露出にとどまり、女優の魅力は水準以下。そのまま映画自体がつまらない評価に終わったようだ。