ＪＵＮＩＯＲ　ＱＵＩＡＰＯ
　
98/99年：リーガル・エンターテインメント
監督：ダンテ・パンギリナン
主演：チャック・ペレス
　　 　アリッサ・アルヴァレス
　　　 マット・ラニーリオ・３世
　　　 オレステス・オヘダ
　　 　マイタ・ソリアノ
　　　 ビン・ダヴァオ
　　　 アレックス・デーヴィッド
　　　 ジェス・サンチェス
　　　 ヴィク・ベラロ
　　　 マルコス・ウバルド・ジュニア
　キアポのパレードの光景が紹介され、同時にチャック・ペレスとマット・ラニーリオ・３世演じる対立関係の男がはたし合いの準備をする様子がフラッシュ・バック。チャックは白いムスリム帽をかぶり、首にカフィーユの布を巻いているから、イスラム教徒とわかる。この冒頭のケンカ・シーンのみで、チャックはあとに一度もムスリム帽をかぶるかっこうがないから、なんといい加減な。
　まじめに宗教対立と偏見を扱う作品じゃなく、適当にバック・グラウンドとして利用しているのみ。リナ・マナラク演じる母が刑務所に入れられた間に、ムスリムだった父が故国へ帰ってしまったとの設定がもっとチャックの個性に反映すべきなのではないか。とにかくダンテ・パンギリナン監督などスタッフがイスラムの教義を理解していないのだから、どうしようもないところ。
　マットの伯父がオレステス・オヘダ演じる有力者で、表向きは慈善家ながらも、裏では悪のボス。ジュン・マルケズ演じる汚職警官を飼っている。アリッサ・アルヴァレス演じるオレスレスの娘がチャックの恋人だから、いかにもフィクションといったねじれた人間関係。でもそれすら生かしきれていないわけで、ひどい話だ。アリッサがオレステスとチャックの反目を悩む心理のおざなりさが致命的。オレスレス側にアリッサの恋を理解し、マットのレイプからアリッサを助けてあげるジェス・サンチェス演じる手下がいるのは好印象なものの、ヴィク・ベラロ演じるジュンの上司の警官が単純に正義で、チャックに味方する構成はかなり説得力を欠く。
　キアポの露天商たちがマットの配下による強引なショバ代のとりたてをチャックに訴え、チャックが雑魚どもをやっつけるときに周辺の屋台などを壊しまくっているから、どっちも迷惑なヤツじゃないか。
　チャックがシンナーを吸っていた少年たちを保護し、マルコス・ウバルド・ジュニア演じるその中の一人がチャックの仲間になり、ラストでアリッサを助けるためにマットから撃たれるツメは、定番の展開だけにもっと盛りあげがほしかった。
　まあ、ごつい体格で悪役の多いチャックが主役というだけで二線級の作品なのは明らかだし、こんなもんでしょといった感じ。
　相手役がアリッサなのもスケールをせばめている点。でも個人的にはちょっとかわいいのに、小さな役ばかりが多いアリッサがヒロインとは、かえって嬉しいかな。もちろん色っぽいシーンを期待したのはいうまでもない。チャックとのプールでのデートで、水の中からチャックにボディーを持ちあげられると、トロピカル模様のワンピース水着が貼りつき、ラインくっきり。プール・サイドでは濡れたまま横になって、チャックとキスするポーズの股間が視線を奪う。ホテルでセックスするシーンでは、黒いパンティー一枚でシャワーを浴びるショットからで、パンティーのデカさがダサいものの、斜めうしろのポジションでオッパイがみえるか…　みえるか…　みえるか…　いや待て、ニプレスをつけているかもよ。なんて興奮をかきたて、ベッドで女性上位になるとアリッサが巻いていたバス・タオルをチャックがとり、二人の胸がこすれ合う。オッとアリッサの乳首が今にものぞきそうで隠れたまま…　チラチラ…　チラチラ…　あっ、でたでた。ついに乳首だ。ひょっとしてピンク色の二プレスかなあ…　微妙だ。と鼻息が荒くなりっぱなし。
　まったくアリッサ、ビンビンを誘発してくれるじゃないか。
　ただしマットから迫られるときはシャツの上からオッパイをもまれ、スカートに手を突っこまれるも、露出なしなのが残念。
　あとチャックにゴムチューの矢などの訓練を受け、絶えず男まさりに戦うマイタ・ソリアノ演じるボーイッシュなチャックの第一の子分が「私だって女よ」とかなわぬチャックへの気持ちを打ち明けるシーンでブラをはだけるも、オマケ程度。ジュンが騙して連れ去り、チャックが救出する女たちの中に、一人かわいい子がいた。