00年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：アル・タンタイ
主演：ジャンノ・ギブス
バヤニ・アグバヤニ
アン・カーティス
チュビ・デル・ロサリオ
アンジェラ・ヴェレス
カルラ・ゲヴァラ
リコ・Ｊ・プーノ
カロイ・‘オガグ’・アルデ
インダイ・バディダイ
モーリン・ララザバル
ジャンノ・ギブスとバヤニ・アグバヤニの顔合わせによるコメディーで、アンジェラ・ヴェレスとモーリン・ララザバルの共演に期待がかかる。
誘拐犯の容疑をかせられたジャンノとバヤニが裁判もなくホヴィット・モヤなどが演じる警察に処刑されそうになり、あわやのところを逃げだす。うまく盲人の強盗に手錠をはずさせ、夫婦ゲンカの家から投げでてきた服をちょうだいする。その服がスクール・バスの運転手の制服だったため、ゴムス・ブルザ演じる本物にかわってバヤニが運転手に、ジャンノが車掌に雇われるまでの冒頭が一気に語られる。
学歴のないバヤニは、学校に頼んで生徒に加えてもらう。バヤニを支えるためもあり、ジャンノは校門で屋台を始める。バスに乗ってくる生徒たちはそれぞれに悩みをかかえ、チュビ・デル・ロサリオ演じる息子は裕福な家庭なのに、監督のアル・タンタイ自ら演じる弁護士の父が忙しくて、かまってくれない。アン・カーティス演じる娘も裕福ながら、リチャード・メルク演じる医者の父が忙しくて同様の状態。ＪＲ・トリニダッド演じる息子は兄たちに疎んじられている。ヴァンナ・ガルシア演じる娘はタバコを吸って不良を気どる。マーキー・ロペス演じる息子は軍隊ふうのしつけをうけるも、オカマ趣味を秘める。さらにはアンジェラ演じる大人の女性もまじり、生活費のために夜はバーでストリップ・ダンサーをつとめる。ジャンノはアンジェラにほれ、バヤニはカルラ・ゲヴァラ演じる教師にイカれる。またカロイ・アルデ演じる校長はモーリン演じる保健室の看護婦を狙っている。チュビがアンを好きなのに、シャイで告白できないのをジャンノがアドヴァイス。アンジェラの職業を知ったバヤニが、何とかジャンノが傷つかないように隠そうとする。つまりはお人よしたちの集まりを描き、ナンセンスの基調にヒューマンなあたたかさをしくのが好印象。
チュビやアン、ＪＲが家での寂しさがこうじ、マーキーが父に秘密を知られ、生徒たちの落ちこんだ気分をはらそうと、ジャンノとバヤニがバスで学校へいかず、ハイキングへでかける。楽しく交流で全員が明るさをとり戻すも、親たちが誘拐だと騒いで警察へ届けたため、ジャンノとバヤニの居どころがホヴィットにバレる。しかも帰りにロンメル・モンタノなどが演じる銀行強盗の現場に遭遇し、バスをジャックされる。生徒たちと一致協力でやっつけ、バスが谷に落ちて炎上のあわや惨事のあと、各人が親子の絆や愛情を確認する。ジャンノとバヤニはヒーローになるも、ホヴィットに逮捕。リコ・Ｊ・プーノ演じる教頭がカルラを口説いていたのだが、その行動に不審を抱くカルラがリコを誘拐グループの仲間と暴き、アルが弁護に立って裁判が始まり、真犯人を明らかにする。
いささか強引な展開はアル、ロルフォ・マヒロム、バヤニ、ダン・バラマンテ、シェルウィンのストーリーにもとづくロルフォの脚本の構成で、おそらく各人がアイディアをだしたのだろう。斬新なギャグはないながら、ジャンノが重いものを動かそうとする横でモーリンがデスクにかがんで手をはさんために「痛い」と叫び、シルエットで二人のポーズをみたカロイが変態アナル・セックスと勘違いするシーンなど、ありきたりだが笑いが起きる。ジャンノとバヤニが手錠につながれたまま逃走し、同じシチュエーションの作品のたびにトイレはどうするんだとの疑問が生じたが、ちゃんとバヤニがウンコしていて納得。バスの中でアイスクリームを投げ合い、アンジェラやアンまで顔がベタベタで、美人やアイドルを汚すあたりにパワーを感じる。
それにテンポがよくて、あきさせないアルの演出がまずまずイケる。くだらないものを肯定できる立場にすれば、けっこう楽しめるといえる。
もちろんセクシーな要素を含み、やはりアンジェラが予想どおりに素晴らしい。バーのステージで一回目に赤いビキニ下着のハイレグ・パンティーからヒップラインを浮かばせ、手ブラまで脱いでみせる。二回目も手ブラのうえ、黒い下着のパンティーがＴバックなのでお尻が丸みえ同然。モーリンはチンポをケガしたジャンノを治療の際に白衣をはだけてバストの谷間をのぞかせる。文化祭では今にも乳首がこぼれそうなオッパイをギンギンに強調のシャツが大胆すぎる。体育の教師を演じるシャーマイン・サンチャゴはスパッツでプロポーションをうかがわせ、かわいい容貌もあってうっとり。ハダカのまま酔ったジャンノと初対面の寮でチンポに握手するときの、意味深な表情もそそる。
とにかくアンジェラ・ファンには悩殺に歓喜のサーヴィスだった。
