ＪＯＥ　ＲＥＹＥＳ
ＭＡＨＩＲＡＰ　ＰＡＴＡＹＩＮ　ＭＡＳＡＭＡＮＧ　ＢＵＨＡＹＩＮ
（ジョー・レイエス　はびこる悪にとどめを刺す難しさ）
　
(97)年：ティタン・フィルムズ
監督：ルイス・キー、ハイメ・ゲーネス・ジュニア
主演：ロイ・ヴィンゾン
　　　 ジャニン・バレド
　　　 ロネル・ヴィクトル
　　　 マーク・ヒル
　　　 ベンボル・ロコ
　　　 リト・レガスピ
　　　 ルシタ・ソリアノ
　　　 ルーイー・カタナ
　　　 アキラ・ネモト
　　　 アマド・コルテス
　　　 ローズ・マリー・レイエス
　ティタン（大東）という中華系の会社の作品だから、どこか香港映画を連想させる要素が感じられる。アクションでやたら殴り合ったときにガラスをガチャンと割って倒れたり、筋肉のムキムキ男が腕をボキボキならしながら登場して主人公を投げ飛ばしたり、ルーイー・カタナ演じる悪のボスが中国刀を持ちだしてきて、少林寺のような型のきり合いを演じたり。それにリト・レガスピ演じる政府高官が陰でつるんでいるのがルーイーの中国マフィアであり、アキラ・ネモト演じるルーイーの部下の殺し屋がジャマ者を始末する場所が夜総会なのもチャイナっぽい。
　それはさておき、実に単純なストーリーのアクション映画である。ロイ・ヴィンゾンとレヴィー・イグナシオ演じる潜入警官がリトとルーイーのけったく現場で証拠の会話を録音するも、レヴィーは殉職。警察にはベンボル・ロコ演じるロイの上司などリトの手先がいっぱいいて、ロイから問題のテープを取りあげようと自宅へ攻撃をかけてくる。ローズ・マリー・レイエス演じる妻は殺され、ロイも重症。アンナ・マラ・バボル演じる幼い娘がテープを持って逃げる。
　ロイは入院先の病院も狙われるのだが、ジャニン・バレド演じる看護婦が危機一髪を助け、自宅へかくまう。サンシャイン・エスタシオ演じる同僚の看護婦をボコボコにして発狂させたルーイーたちはジャニンの家をつきとめ、ここへも襲撃。
　一方、ロネル・ヴィクトル演じる正義の警官は、やはりルーイーたちにルシタ・ソリアノ演じる母を殺され、復讐を誓う。
　アンナを保護したロネルがバス・ターミナルでロイと落ち合うも、またまたドンパチを展開。今度はジャニンを連れ去られる。
　ロイとロネルがリトとルーイーの元へ殴りこみをかけるのはいうまでもない。
　病院でベッドから寝たきりで立ち上がれないロイが、エレヴェーターに乗って逃げようとするあたりが、もっともハラハラさせるシーン。やたら銃をバリバリいわせるバス・ターミナルの部分は感心しない。ロネルなど傷を負ったのに激しい活躍をしていて、あんたはスーパーマンかとあきれてしまう。マーク・ヒル演じる悪徳警官をロイが撲殺するにいたっては、事故のようなシチュエーションになっているものの、幼い娘の前で残酷すぎるぞ、との印象にも。
　過剰ヴァイオレンスが気になる作品だ。
　本来はファンであるジャニン・バレドが出演しているからみたのだが、あまり魅力が爆発していないのも残念。リハビリに励むロイとキスになって、オイオイ、恋仲になるのが早いんじゃないかと感じたのだが、ベッド・シーンに発展させるきっかけなら文句のないところ。でも軽い抱擁で終わりだから、アレレレレ。人質でつかまったあとにアキラに犯されそうになっても、まったく脱がないまま。
　ただし悪の仲間を演じるボニータというラテンっぽい顔だちの色っぽい女優がみせてくれる。夜総会にスリットの入ったセクシーなドレスで現われ、相手の男のチンポを撃つ登場シーンからゾクッとさせるが、リトとプールで戯れるあたりが絶品。いやがおうでも黒の超ハイレグ・ビキニが興奮をかきたて、水からあがったときに濡れてお尻に貼りついたパンティーを両手でめくりあげて直すポーズにイキそうになる。クライマックスでのアクションにおける黒づくめのファッションもカッコいい。
　実際のところロイのファイティングよりも、ボニータとジャニンの格闘のほうがはるかに迫力があった。欲をいえばジャニンのジーンズが、もう少しボディーにフィットしていれば…
　ローズはベッドでロイと抱き合うも、ネグリジェまでの露出。
　まあ、イマニかイマサンのできだといえよう。