ＤＲＩＧＯ　ＧＡＲＲＯＴＥ　　ＪＡＩ−ＡＬＡＩ　ＫＩＮＧ
　
78年：サンパギータ・ピクチャーズ
監督：マヌエル・シンコ
主演：クリストファー・デ・レオン
　　　 ドランレブ
　　　 マリアンネ・デラ・リヴァ
　　　 ジョニー・デルガド
　　　 エディー・ガルシア
　　　 アーミー・オーストリア
　　　 シンシア・ゴンサレス
　　　 ミア・モンテメーヤー
　ハイ・アライという球技を初めて知った。スカッシュのように壁へボールをぶつけてはね返すのだが、背面の壁も使ううえ、弓型にそったグラブをはめ、いったんボールを受けとめると中へおさめてから投げるのがユニーク。ダブルスもある。この試合風景が映画の興味の第一。
　競技場はほとんど賭場状態で、ちゃんと券の発売所が設置され、観戦の人々の様子にも面白さが満ちる。
　クリストファー・デ・レオン演じるハイ・アライのチャンピオン候補が主人公になり、ストーリーはほとんどパターン通りといってよい。いったん右腕を骨折し、再起不可能かと心配させるも、懸命なリハビリによって復帰。ジョニー・デルガド演じるライヴァル選手がワルで、あれこれ罠を張ってくる。八百長もつっぱね、ついには優勝までが描かれる。ドランレブ演じる子どもがクリストファーを慕うのが定番なら、複数の女性と恋のさやあてを繰り広げるのもおなじみ。とくに注目すべき要素はみあたらない。
　まあ、クライマックスの対戦はねちこいショットの積み重ねで、スポーツものらしい迫力を生んだから、マヌエル・シンコ監督が頑張ったといった感じか。
　個人的には女優陣の競演にばかりときめきをおぼえる。ミア・モンテメーヤー演じる近所の娘、アーミー・オーストリア演じるジョニーの妹、マリアンネ・デラ・リヴァ演じるジョニーが好きだった女性、エディー・ガルシア演じるコーチの友人で、シンシア・ゴンサレス演じる令嬢がクリストファーを奪い合う。構成的には二人もジョニーがらみの設定で、乱闘の波瀾を呼ぶ展開。誰と最後にくっつくかはともかく、四人とも好みのタイプだけに胸が高鳴るのなんの。
　アーミーとマリアンネは、最近のおばさんぶりをみているから、余計に若い頃のキュートさが初恋を思いだすよう。とくにアーミーは白いパンツ・ルックやジーンズでプロポーションのよさをうかがわせ、ギュッと抱きしめたくなる。シンシアは落ち着いた雰囲気がグッとくるんだなあ。この三人が参加のパーティーはプール・サイドで、誰も水着にならないのは、さすがに不満点。一番の美人はミアといえ、手押し車で野菜を売るイモっぽい服装でガミガミ怒るキャラとして登場も、チャーミングな容貌は隠しようがない。あとで都会風ファッションを披露に、もう、ブチューッとディープ・キスしたい。
　華のような四人をながめているだけで、気がついたら終わっていた。
　なお、現存プリントにはいくつかの欠落や、編集の乱れがあるのが残念。